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自粛生活で密になった子どもとの時間。私なりの向き合いかた【波多野友子】

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先の見えない大変な日々が続いています。会社にも行かず、友だちにも会えず、うちの中にいると、つい”ひとり”になってしまった気がして、寂しい気持ちになることも。そこで、ウートピは「1往復エッセイ」を始めます。気になるあの人へ「最近、どうですか?」とたずね、「こちらはこんな感じです」と回答する。そんなささやかな現状報告と、優しくて力強いメッセージをお届けします。

今回は、夫婦間腎臓移植をテーマにした連載「夫の腎臓をもらった私」の著者でライターのもろずみはるかさんと、ライターの波多野友子さんが登場。もろずみさんから波多野さんにこんな質問が届きました。

【波多野さんへ】

こんにちは。いかがお過ごしですか?

私は基礎疾患をもっているという事情もあり、自分の身を守ることで精一杯。

幼いお子さんを抱えての自粛生活はプレッシャーも大きいのではないかと思います。ちゃんと息抜きできてますか?

3歳の子どもに驚かされた2つのこと

もろずみさん

こんにちは。子どもは3月で3歳になりました。あっという間! 

こども園がほぼ閉鎖状態なので、一日中子どもと一緒に過ごす日々です。たまに近所の公園に連れて行くのですが、定期的に流れてくる「不要不急の外出は控えてください!3密を控えた行動を!」という園内放送に怖気づき、毎回そそくさと帰宅しています。

自宅遊びでは、粘土・折り紙・お絵かきといったちょこっとクリエイティブな遊びをよくしています。というのも、私自身が楽しみたいから(笑)。作りたいものをイメージしながらコマコマと手先を動かしていると、ほどよく無心になれるし、出来上がったものを見て子どもが喜んでくれると、とっても幸せな気持ちになれるのです。(1年ほど前に折ったぴょんぴょん跳ねるカエルの折り紙で、いまだに遊んでくれています)

最近子どもと遊んでいて驚いたことが二つありました。一つは、難解で絶対に覚えられないような恐竜の名前を、スラスラ〜っと教えてくれたこと。私には無い知識を子どもが持っている。これは初の経験で衝撃が大きかったですね。ちなみに恐竜の名は「パラサウロロフス」。覚えられないでしょ?

そしてもう一つは、Eテレの「ピタゴラスイッチ」に登場するピタゴラ装置を、子どもがみずから再現しようとしたことです。突然「しゅとろーと、くいっぷ、ありゅ?」と聞いてきたので渡すと、2本のストローをクリップで挟み、一生懸命立てようと奮闘しているのです。それを見て(ピタゴラ装置だ……!)悟った私。試行錯誤しながら傾斜のあるレールを完成させ、スーパーボールを転がして二人で盛り上がったのでした。子ども、成長してるな〜。

オンライン飲み会で小さなチート

さて、本題の「自粛生活の息抜きは?」への答えですが、子どもと楽しく過ごす方法を考えることが、もしかすると私にとって息抜きになっているのかな、とここまで書いてみて気がつきました。もう少し言うと、「子ども用のコンテンツを私も楽しめるように工夫すること」かな。いや、ちょっと素敵なこと言い過ぎたかもしれない。

そういえば、オンライン飲み会はかなり息抜きになっているかも。「自由なタイミングで気配を消すことができる」(ミュート・ビデオオフ)という点が、私はとても気に入っています。飲み会中に「あっ、いま私、場の空気に馴染めていないかも」と過敏に察知していたたまれなくなるタイプなので、この機能はとても便利なんです。これってチートかな? とも感じるんだけど、自分のように人が好きなんだけど人疲れしやすい人にとっては、オンライン・オフラインに限らず、ちょっと無責任でチートが許される場が必要なのかもしれないですね。

私は本来仕事大好き! 刺激大好き! な人間なので、毎日同じエリアで、同じメンツ(子ども)と、似たような時間を消化しながら一日を過ごすという生活に、すぐに息が詰まって壊れてしまうと予測していました。もちろん突発的に「道玄坂のむせるようなあの匂い、嗅ぎて〜〜〜!!」と叫びたくなる瞬間もありますが、案外このミニマムな暮らしも悪くないな、と感じている自分に少し驚いています。

丁寧な暮らしには程遠いですが、毎朝5時半に起きて筋トレをしたり(我ながら頑張ってる)、何度かの失敗と研究を積み重ねながら、超絶美味しいグラタンを作れるようになったり、といった感じです、日々。

注ぐべき愛情の量が決まっていたらラクなのかも…

……と、いいことばかり書いてきたけれど、もちろんネガティブな気持ちになることもあります。私たちの仕事って、エッセンシャルかというと必ずしもそうではないから、やっぱり先行きは不安ですよね。ウィズコロナ・アフターコロナのライターの在り方、変わっていくんじゃないかな。さて、どうしましょう。(この件については、またお話ししましょうね……!)

まだ自粛生活は続いて行くと思うけれど、今の段階でわかったことは、こんな風に(望んだわけではないけれど仕事が減って)時間があって、よくも悪くも心に隙間ができたからこそ、子どもとの時間を楽しめるんだなあということです。もし仕事量が従来通りで、子どもと一日中顔を付き合わせなければならなかったら。きっと子どもの存在は「お荷物」になってしまうと思うんです。今だって、原稿に必死でかじりついている日は、そう感じることもある。それなのに、大人の状況がどうであっても、子どもは「ママ、ママ」と変わらぬ愛を注いでくれるから、罪悪感で心が引き裂かれそうになる。

もし子どもに最低限注ぐべき愛情の量が決められていたら、ラクなのかもしれません。「1日あたり500ラブリットルの愛を与えれば子どもは満足し、健やかな成長を促すことができます」みたいな。その指標がないから、一体どれだけの時間と労力を育児に割けば許してもらえるんだろうか? と不安になってしまうんです、私は。そしてその許してくれる相手は誰かというと、私にとってはきっと「大きくなった子ども」なんです。

「小さい時、ママに愛してもらえなかった」と将来子どもに言われるのが怖い私にとって(多くのママたちが自粛の煽りで苦しんでいることは重々知っているけれど)、こうして子どもに向き合いまくれている時間が、未来の自分に安心を担保してくれているところがあるのかも。期間限定にはしたくないけれど、通常の日々が始まれば今のようには行かない。今だからこそ、できることを精一杯。私の日常は、ただ、それに尽きるのかもしれません。

長くなりましたが、私はとても元気です。もろずみさんはお身体、大事ないですか? またオフラインでお会いできる日を心待ちにしています。あ、とりあえずオンラインでだらだらやるのも歓迎です! それでは、また〜!!

次回は、波多野さんからもろずみさんへ

もろずみさんこんにちは。

自粛生活において、大病を患った親との同居生活に少し疲れが出てきました。本人も体調が悪くイライラをぶつけられることも多いなかで、どんなコミュニケーションが大事だと思いますか?

もろずみさんの回答は、5月15日(月)に公開予定です。
(企画・編集:安次富陽子)

情報元リンク: ウートピ
自粛生活で密になった子どもとの時間。私なりの向き合いかた【波多野友子】

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