「スーパーマーケットツアー」という言葉を聞いたことはあるでしょうか?
消費者が栄養士と一緒にスーパーマーケット(スーパー)に行き、健康的な食生活を送るためにどんな食材をどのように選べばいいのか、調理方法などをサポートしてくれるツアーで、欧米で盛んに行われています。
ニュージーランド(NZ)も、実は全体の32%に当たる120万人の成人が肥満に該当する*そうで、国全体で健康への関心が高まっています。
*https://www.health.govt.nz/
そこで、今回はNZのスーパーで行われたツアーに同行。管理栄養士のエイミー・ジャッドさんに、日本でも実践できる食品選びのポイントについて教えていただきました。
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Contents
1.冷凍野菜もうまく取り入れて
今回訪問したのはNZの大手スーパーチェーンの「COUNT DOWN」。手頃な価格の商品が多く、NZのお土産を買うのにもオススメです。
店内に入ってまず目につくのが青果コーナー。キウイフルーツはもちろん、リンゴやミカン、ニンジン、ピーマンなど色とりどりの果物や野菜が並べられています。ビニール袋に入ったものもありますが、基本は量り売りです。
「『野菜は生野菜で摂らないと!』と思うかもしれませんが、私は冬など野菜が高い時期は冷凍野菜を活用するよう勧めています。実は、採りたての野菜であればそのまま冷凍すれば栄養分をほとんど維持できるんです。生野菜でも流通の関係で遅れた場合は栄養分が減ってしまうことも。なので、生野菜にそれほどこだわらなくていいと思います」(エイミーさん、以下同)
2.普段用のチーズはエダムがオススメ
NZといえば酪農。乳製品が壁一面に広がっています。今、NZで成長中なのが、日本でも人気がある酪農系ではないミルク。豆乳、アーモンドミルク、ココナッツミルクです。
「牛乳のようにタンパク質が入っているのは豆乳だけ」とエイミーさん。「豆乳以外は、わざわざ入れない限り、水を飲んでいるのと等しいので、買うときはタンパク質やカルシウムが入っているかを確認しましょう」
チーズを日常的に食べるならNZ産のエダムチーズがオススメだそう。「もともとはオランダのチーズですが、脂分が27%と、ほかのチーズに比べて低いんです。カッテージチーズも好き嫌いがあると思うのですが、タンパク質が非常に高くて脂分が非常に少ないのでオススメです」
3.ダイエット中は全粒粉パンを
続いてパンコーナーに。粒が見える全粒粉のパンを選ぶのがポイント。「食物繊維がよりたくさん入っていておなかにいいんです。腹持ちもよいので、ダイエット中の人にオススメです」
パンといえば、ジャムやバターなど塗るものも気になりますが……。
「こちらはNZのネルソンという田舎町にあるブランドのピーナッツバターです。今、成長しているのはピーナッツ100%のピーナッツバター。もちろんナッツ自体に脂分が多く含まれているので食べ過ぎはよくないけれど、こちらは少しだったら体にいいので安心です」
4.オリーブオイルは黒い色のビンを選ぶ
オリーブオイルのほか、ココナッツオイルやアボカドオイルなど豊富なオイルが並んだオイルコーナー。
「オリーブ油は健康のメリットが高いエクストラバージンをオススメしてます。できるだけ黒い色のビンに入っているオイルがいいです。日光からオイルを守ってくれるので。アボカドやナッツ、種系ベースのオイルもヘルシーな油とされています」
5.マヌカハニーの選び方は…
また、NZ といえばマヌカハニー。NZに自生する植物「マヌカ」の木に咲く花の蜜から作られたハチミツで、抗菌・殺菌作用があり、健康食品としても日本でも人気が高いハチミツです。
「マヌカハニーの効能を期待して買うなら、最低でも70%のマヌカの花粉蜜が入ったものを選んでください。普通にパンに塗ったり、ヨーグルトに入れたりするなら何でもいいですよ(笑)」
6.NZの食卓も多様化
NZには日本人になじみのあるキッコーマンの醤油も。
「食卓が多様化していて、世界の食材が一般のスーパーで多く見かけるようになりました。日本の和食エリアもちゃんとありますよ。ちょっと前までは、日本食のお店に行かないと買えなかったものが今は普通のスーパーに並ぶようになりました」
7.「これを食べておけば安心」はない
スーパーマーケットツアーも終わり。ふと店内を見渡したところ健康食品やグルテンフリー、オーガニック食品のコーナーが。「このコーナーで食品を買っていれば間違いなく健康的な生活を送れるのでは?」と聞いてみたところ……。
「この2、3年で健康コーナーができました。このコーナーは健康によいものばかりと勘違いする人も多いです。
よく見るとわかるのですが、自分の目で確かめないと本当に健康的で自分のライフスタイルに合ったものかどうかはわからない。
そういうことを理解してもらうためにこのようなツアーも開催しているんです。自分の目で見てもっと考えましょうと伝えています」
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情報元リンク: ウートピ
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