「いくら目鼻立ちが美しい女性でも、健康でなければすぐ枯れてしまう花と同じ」——そうインナービューティーの重要性を説くのは、韓方医のキム・ソヒョン先生。3代続けて韓方医を家業とする医師でありながら、大学時代にはミス・コリアに選出された華やかなプロフィールの持ち主でもあります。
健康的で艶やかな肌と髪が印象的なキム先生ですが、見た目の美しさにとらわれて無理なダイエットを試した過去も。そんな自身の体験や20年以上におよぶ臨床経験の積み重ねから、体を温めて活性化させる「温活」という方法でインナービューティーにアプローチしています。体を温めることの効能や、忙しくても手軽に始められる温活方法などについて聞きました。
【前編は…】もしかして冷え性かも…韓方医に聞く「おしり温活」って?
韓方医学:古代中国の医学をもとに、韓国の風土や気候、韓国人の体質に合わせて発展してきた伝統医学。韓国では「西洋医学」と「韓方医学」が存在し、症状にあわせていずれかの治療法を選択(あるいは併用)するのが一般的です。
やってはいけないダイエットをすべて試した20代
——キム先生も、インナービューティーの大切さに気づく前には、失敗や試行錯誤を繰り返されたのでしょうか?
キム・ソヒョン先生(以下、キム):失敗だらけです。やってはいけないダイエット法は全部トライしたことがあります。韓方医だった父には内緒で(笑)。20代の初めの頃は、ダイエットをすればするほど、生理が止まったり、円形脱毛症ができたりと、体中のいろいろなところに不調が出ました。
——ご自身の経験にも基づいて、インナービューティーの大切さを唱えていらっしゃるのですね。
キム:私個人の経験はもちろんですが、20年以上、臨床を続けてきた結果です。日本人女性も韓国人女性も同じで、ダイエットのため、スキンケアのため、体の不調が、生理痛が…と来院されますけど、治療の基本はやはり「子宮の健康」を保つこと。多くの女性を診察すればするほど、大切なのは内側の健康なのだと感じています。
美容大国・韓国でも、見た目にこだわり“冷え”に気を遣う人は少ない
——カッコいい大人の女性を目指すより、いつまでもかわいく、若く見られたいという「女は未熟がいい」とする風潮が日本の女性にはあるような気がします。キム先生のエイジングに対する考えを聞かせてください。
キム:老化を止めることはできません。遅らせることはできるかもしれませんが、それも「無理に」遅らせるのではなく、「健康に」でなければいけません。
韓国でも、女性たちはみんな「シワやタルミがなければいいのに」「もっと色白だったらいいのに」などと言います。見た目にばかりにこだわるけれど、体内が美しいかどうかを考えている人は少ない。子宮が実年齢以上に老化していないかどうか、「冷積」が起きていないかどうか…というほうに気を遣う人はあまりいないんです。
——日本では若い女性たちを中心に韓国コスメが人気ですし、韓国の女性は美意識が高いという印象があります。その韓国でミス・コリアに輝いたことがあるキム先生は女神のような存在なのではないかと思うのですが(笑)、先生自身は「女性の美しさ」って、どんなところに宿ると思いますか?
キム:目がぱっちりしてるとか、鼻が高いとか、色が白いとか、単純に女性のそういう部分を見て、一瞬「美しい」と思うこともあるけど、健康でなければ、すぐに枯れてしまう花と同じです。たとえ小さくても目が輝いていたり、低くてもちゃんと臭いを嗅げる鼻があって、色黒でも艶のある肌をしている、そういう人が美しいと私は思います。
それはやっぱり、体の中から出てくる輝きだと思う。温活をして子宮を温め、中からきれいになることがすべての始まりです。「生気(せんぎ)」といって、「気」が生きていることが大切。生気がある=エネルギーがある人というのは、すなわち、温活ができていて、子宮がきれいな人なのだと思います。
(取材・文:新田理恵、写真:矢野智美)
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老化を止めることはできないから…元ミス・コリアの韓方医が温活をすすめる理由