突然キレてくる人、怖いパワハラ、遠回しに悪口ばかり言ってくる人……。
人間関係は思い通りにいかないとわかっていても、困った人に遭遇するとうんざりしてしまいますよね。
あーうまく言い返してスッキリしたい! と思う気持ちに、心理カウンセラー・五百田達成(いおた・たつなり)さんは「こちらの気持ちのおもむくまま、がーっとイライラをぶつけたり、がむしゃらに反論したりしてしまうのはNG」と話します。
じゃあ、私たちはどうすればいいの? 五百田さんの最新著書『「言い返す」技術』(徳間書店)からメソッドを全6回で特別に紹介します。
第5回は「自虐してくる人」への対処法です。
自虐トークをしてくるヤツには…
「俺みたいに数字に弱いヤツが、営業なんかやってるんだぜ。どうかしてるよな」
「童顔なのがコンプレックスで。仕事の席とかで若く見られて困る~」
「全然休めなくて社畜ですよ、これじゃ。みんな俺に仕事任せすぎでしょ」
こういうこと言ってくる人、いますよね。「自分はダメなヤツだ」と言いつつ、どこか「すごいでしょ」と誇らしげな人。自虐と見せかけて自慢する人。自意識過剰で、かまってほしそう。実にうっとうしいし、めんどくさいです。
しかたないので、「そんなことないよ」とフォローしてあげると、とてもうれしそう。「すごいじゃん」とほめてあげると、すごく満足そう。なんだか癪にさわりますよね。
かといって、「営業って柄じゃないかもね」「なめられてるんじゃない?」「どうせ大した仕事じゃないんだろう?」とイヤミを言っても、相手はどこ吹く風。「いや、ほんとにねぇ」と元気そのもの。これがまたムカつく。
なぜこうしたイヤミが通じないのでしょう?
この人たちに、こういう話し方をやめてもらえるよう、ぴしゃっと言ってやれるひと言はないものでしょうか?
張りめぐらされた「承認欲求」のワナ
自虐と見せかけた自慢をする人は、承認欲求の塊です。そもそも自慢とは、人からウザがられる行為です。「偉そうに」と反感を買うこともしばしば。それでもなんとか自慢したい、すごいと言われたい、と考えた人たちが発明したのが、この「自虐自慢」というテクニックです。
まずは「数字に弱い」「童顔」「社畜」と、いったん自分を下げる。で、そこから切り替えて「花形の営業」「若く見られる」「期待されてる」という、本来言いたいことを自慢する。そういう仕組みになっています。
この話し方の狙いはふたつあります。まずは前半の自虐部分を「そんなことないでしょ」とフォローしてもらうこと。もう一つは後半の自慢部分を「すごいじゃん」とほめてもらうこと。うまくいけば、ダブルで承認欲求が満たされます。
フォローされたらフォローされたで、「ほんとにダメなんですよ」とさらに卑下できるし、ほめられたらほめられたで「でもたいしたことないよ」と謙虚ぶることで、この仕組みを無限に続けることができます。
しかもあからさまな自慢ではないので、「自慢するな」とたしなめるのも難しい。まるでこっちが悪者になったようで感じが悪い。
まさに難攻不落、絶体絶命。
どう言い返しても自慢され続ける、蟻地獄のような話し方です。なんとかひと言で、バシッと相手を黙らせる方法はないものでしょうか?
心配に見せかけたイヤミで対抗
自虐自慢をする人の攻略ポイントは、最初の「自虐」部分にあります。ここをフォローするからおかしくなるのです。相手のウソの自虐をそのまま真に受けて、むしろ心配してあげましょう。
「俺みたいに数字に弱いヤツが、営業なんか……」
「確かに。昔からほんとに数字弱いもんな。ちゃんと勉強しなよ」
「童顔なのがコンプレックスで。仕事の席とか……」
「うん、確かに童顔かも。かわいそう。いい化粧品教えてあげようか?」
「全然休めなくて社畜ですよ、これじゃ。みんな俺に……」
「え、だいじょうぶ? 健康診断とか行ってる?」
このように、後半の自慢部分は無視して、自虐部分を真に受ける。心配して、アドバイスする。そうすれば、相手としてみれば思惑が外れて、目を白黒させるはずです。
さらに、この言い返し方であれば、あなたはあくまで「心配」しているフリができるので、周囲にも角が立たず一石二鳥。相手は「いやまあ大丈夫なんだけど」と、スゴスゴと引き下がってくれるはずです。
「自虐に見せかけた自慢」に対しては「心配に見せかけたイヤミ」で対抗するのがオススメです!
▼▼▼自虐トークをしてくるヤツは▼▼▼
実は… 承認欲求の塊
NG… フォローしてもほめても、無限に続く
OK… 自虐部分を逃さずにたたく
(五百田達成)
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情報元リンク: ウートピ
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