『うまくやる~コミュニケーションが変わる25のレッスン~』(あさ出版)を書いたクリエイティブディレクターの熊野森人さんが、「コミュニケーションをうまくやる」方法を5回にわたり紹介します。(毎週水曜更新)
みなさんは、感じのいい人、悪い人、じぶんはどちらの印象を人に与えているかなんて考えたことありますか? Aさんは私をいい人に見てくれていると思う。Bさんはあまりよくない感じで見ていると思う、なんて意見が出てきそうですが、Aさん、Bさん、それぞれみなさんの何を、どんな情報を読み取ってそう評価しているのでしょうか。
じぶんをうまく表現できるようになるために、まずはじぶんが発信している情報を把握することが大切です。今回はその方法を見ていくことにしましょう。
じぶんが発信している情報ってどんなもの?
みなさんはじぶんの情報と言われて、どんなものが、どんなふうにアウトプットされているかをパッと浮かんだりするでしょうか?
SNSでいうと、例えばTwitterのアカウント。そこでの情報はメイン画像と、アイコンの画像と、プロフィールと、つぶやいた内容が全てです。
その情報に接する人は、テキストを読んだり、画像からその人の趣味趣向や、人となりを読み解いたりします。
ちなみに、Twitterの場合、その内容は実際の人物のリアルな情報とリンクしていても、いなくても構わないので、主に若い人は、交友関係のグループ別にキャラを演じ分けるアカウント、愚痴用のアカウント、趣味用のアカウント、仕事や学校用のアカウントなどを使い分けています。
Twitterはアウトプットしている情報量が少ないので、じぶんでコントロールして発信するのが便利で楽しいというのと、じぶんを必要以上に勘ぐられたくない、守りたいという心境から、みんなそのようにしているのでしょう。
しかし、当然ながらじぶんから発信している情報はSNSだけではありません。例えば、顔や体型や服やアクセサリーなどの外見、声の質や、話す内容、話し方、笑い方、爪をかむといった無意識に行う癖などなど、人から発信されている情報はかなり多岐にわたります。
じぶんが発信している情報は総ツッコミで確認できる
ではあらためて普段みなさんは、どんな情報をアウトプットしているでしょうか?
ルックス、内面、癖、それぞれどのような内容を人に提供していますか?
そう言われて、パッとは答えられる人は少ないと思います(笑)。
気にしている、こだわっている部分はパッと出てきたとしても、無意識の部分や癖の部分はなかなか出てこないものです。それを客観的に知ることができる方法があります。
それは一度じぶんの悩みと、アウトプットしている情報を照らし合わせてみて、総ツッコミしてみるという方法です。
具体的には次のような感じです。
・じぶんは明るいと思っていて、結構楽天家なのに、暗く見られることが多い。
→モノトーンや寒色のお洋服を着ていないか?
→顔が無表情になっていることが多くないか?
→話す内容が、あれが気に入らない、これは信じられない、こんなことで腹が立ったなどネガティブなことが、ポジティブなことよりも多くないか?
・人から服の話題を振られない(遠回しにオシャレじゃないという空気)
→昔買った服をずっと着ていないか?
→今のトレンド情報を少しでも知っているか?(今着ている服自体、組み合わせ方のお手本はどこにあるのか?)
→その服を着ることで、他の人にどう見られたいか考えたことはあるか?
などとやってみてください。
世の中にスタイリストやコーディネーター、コンサルティング会社がこれだけ存在しているのは、主観では見つけることがとても難しい、パッと出てこない部分を客観的に見つけて指摘/改善してくれるからだと私は勝手に思っています。
じぶんで「総ツッコミするのが難しい」などと感じた人は、他人や会社に依頼しないまでも、悩みを打ち明けられる家族や、とても仲の良い友達などに、聞いてみるといいでしょう。
その時に、あなたのコミュニケーションについて、あえていい点を挙げるならこんなところ、あえて悪い点を挙げるならこんなところというのを聞いてみてもいいでしょう。
そのコメントから関連づくアウトプット情報を整理してみれば、あなたがアウトプットしている情報は大体そろうはずです。
じぶんと他人のアウトプット情報を比較する?
じぶん自身の情報をなんとなく把握できてきたら、次は、じぶん以外のどんなアウトプットの特徴を持った人に、いいイメージを抱いているのか? もしくはどんなアウトプットの特徴を持った人に悪いイメージを抱いているのか? を想像し、比較していきます。
例えば、あなたが後輩のことを「とても爽やかだなぁ」と、ざっくり好印象に思っているとします。では次にその後輩の何が爽やかなのか? を掘り下げて考えてみます。すると無邪気な笑顔はもちろん、ハキハキしたしゃべり方、いつも白をファッションに上手に取り入れている、なんてことが浮かんできたりします。
では逆に悪いイメージを持つ人は、と考えた時はどうでしょうか。
例えば上司がいつも怒った感じの表情で、言葉遣いが異様に丁寧(嫌味)であるとか、服の色も暗いものばかりで、靴の先がとんがっていて怖いとか……(笑)。
もちろんそこには、じぶん自身の好き嫌いや、評価の価値基準があるわけですが、じぶん自身を分析した結果は、じぶんがいいなぁと思う人と同じような情報を発信できているでしょうか? 案外暗い色の服ばかり着ていて、この前街を歩いている時に友達から「何怖い顔して歩いてんの?」なんて言われたりする、など知らず知らずの間に、じぶんも「じぶんが好まない人」と一緒の情報を出していたことに気づくかもしれません(笑)。
ただ、こういうとじぶんがいいなぁと思う人=品行方正に、人並みに、悪目立ちせず、というようなバランスの取り方に理想を置くことが正解だと思われがちですが、果たしてそれが本当のあなたなのかどうかというところにも気を配らなければなりません。
そもそも、あなたはどんな個性を持って(つくって)、どんなことが好きで、何が嫌いな人なのか。その上で、どんなコミュニケーションを人と取りたいと考えているのか。じぶんに遠慮なく、一度よくよく考えてみることが大事です。
僕は、人それぞれに特異な魅力や面白さが必ず備わっていると考えています。
それを極端に隠し、平均的に見せてしまうような演出とコミュニケーションは、長期的にみると結果じぶんにストレスのブーメランとして返ってくるように思います。
いろいろカミングアウトしたアウトプットには勇気がいりますが、そのリスク分の、強くて、面白いコミュニケーション体験と、友達やパートナーが得られることでしょう。そのためにも、まずはじぶんのアウトプット情報を整理することにチャレンジしてみてくださいね。
(熊野森人)
- 空気を読みすぎて疲れてしまう貴女へ 2020年はじぶんをうまく伝える力を磨こう
- 私の魅力って何だろう? じぶんが発信している情報を把握してみよう
- 無駄に先回りしないで…!「気を使う人」と「気が利く人」の違い【DJあおい】
- あれ、私何かしたっけ? 距離感が極端な人に注意したほうがいい理由【DJあおい】
- 「おっさんへの“媚び”に得はなし」働き女子が30歳までに知っておくべきこと
- 他人の期待に応えすぎず、自分を裏切らないで生きていく【ジェーン・スー】
情報元リンク: ウートピ
私の魅力って何だろう? じぶんが発信している情報を把握してみよう