痩せたい気持ちはあるけれど、ジムに行く時間は取れないし、ランニングはハードルが高い……。なんだかんだと言い訳しては、ダラダラとダイエットを先送りにしてしまう。そんな人は、もしかするとダイエットのハードルを高く設定し過ぎなのかもしれません。
「まずは、日常生活の中で行っている動きから見直してみましょう。例えば、歩き方を少し意識するだけでも、程よい運動になります」そう話すのは競歩・元日本記録保持者で、シドニー五輪代表の柳澤哲さんです。そんな柳澤さんにダイエットへの偏った思い込みを正してもらうこの連載。第3回は、今日から取り入れられる上手なウォーキング方法について伺いました。
【第1回】痩せたいのは何のため?
【第2回】階段の一段飛ばしで美脚を目指す
ヒールを履いても脚は細くならない
——最近脚に贅肉がついてきたような気がするんです。もしかすると、ハイヒールを履かなくなったことが原因かな、と思うんですが……。
柳澤哲さん(以下、柳澤):うーん、ハイヒールを履いたからといって、脚が鍛えられるわけではないと思いますよ。
——えっ、そうなんですか? てっきり脚に負荷がかかって運動になるものと信じていました。
柳澤:ヒールを履いていると、前から見た時に甲の部分まで足首に見えるし、ふくらはぎの太い部分と細い部分のコントラストがくっきりして、きれいに見えるのでしょう。でもハイヒールは脚を“きれいに見せる”ための靴なのであって、“きれいにしてくれる”わけではありません。むしろ、脚に負担がかかって、上手な歩き方が難しくなってしまうと思います。
——上手な歩き方?
柳澤:はい。ただ移動するだけなら、特に歩き方を意識する必要はありません。でも健康維持やスタイルアップの観点で見れば、できるだけ上手に体を使う事が鍵になってくるんです。上手に歩けるということは、たくさん歩けるということに繋がりますから。365日、走らない日はあっても、歩かない日ってないでしょう? それほど歩くことは生活に密着している。その習慣を変えるということは、生活の質をも良くすることに繋がります。
体重を利用した上手な歩き方
——小さな一歩が、大きな変化に繋がるのですね! 上手な歩き方、ぜひ教えてください。
柳澤:ポイントは、いろいろなパーツの筋肉を協力させて歩くことです。歩く時って、脚だけで歩いているように感じていても、実は全身の筋肉を使っているんです。上手な歩き方というのは、使う筋肉の負荷をバランスよく分散させること。たとえば脚に7割、お尻に3割といった具合です。分散させることで、疲労も格段に減らすことができます。あとは、体重をうまく利用すること。
——体重を利用する? どういうことでしょうか。
柳澤:坂道の上から、ボールが転がっていくところを想像してみてください。ボールがスムーズに転がるのは、誰かに押されたわけではなく、重力に従っているから。歩く時も、そんなイメージで脚を出していくんです。
——わかったような、わからないような……。具体的なコツがあれば知りたいです。
柳澤:ではやってみましょう。普通に立って、手を組んで上に伸び上がってみてください。そのまま腕を下ろすと、体がスッとまっすぐになっているはずです。かかとの上に膝、膝の上に腰、腰の上に胸、そしてその上に頭が乗っていることを意識してみてください。その姿勢からかかとを上げて、足の親指の付け根に体重を乗せます。そこから一歩前に踏み出して。
——足が自然に前に出ました!
柳澤:これが、前に倒れようとする体の重さを利用した歩き方です。足の親指に体重をかけることで体が少し前に傾いているので、まっすぐの状態から足を出すよりも楽に歩くことができるんです。これに加えて、二の腕の振り方を意識するとさらに上手に歩けます。
——腕の振り方はあまり意識したことがありませんでした。どんな風に振れば効果的ですか?
柳澤:女性の多くはバッグを肘にかけて歩くので、肘から下しか使えていないことが多いんです。理想的なのは、二の腕をできるだけ体から離して振ること。曲げても伸ばしてもいいのですが、できるだけ腕全体を前後に大きく振るように意識してみてください。そうすると、肩甲骨が大きく動いているのがわかるはず。この動きが、二の腕と背中のラインを美しくするポイントなんです。
——ちょっと意識しただけで、ずいぶん使われる筋肉が変わった気がします。今日からさっそく始められそう。次回は、話題の超短期型ダイエットのウソ・ホントについて伺います。
(取材・文、撮影:波多野友子)
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情報元リンク: ウートピ
生活習慣を変えて痩せ体質に 今日からできる上手なウォーキング法