残暑と猛暑の区別がつかないほど、毎年、梅雨から初秋のころは暑さと湿気で疲れが増します。
鍼灸師で太子橋鍼灸整骨院(大阪府守口市)の丸尾啓輔院長によると、「残暑バテも夏バテも梅雨バテも、自覚する最たる症状は体のだるさ、眠気、しんどさではないでしょうか。その場合、体温コントロールのためのエネルギーが不足、また停滞していると考えられます。ケアのための特効ツボと簡単ストレッチをご紹介しましょう」ということです。
とくに、デスクワーク中や通勤電車でもできるセルフケアについて、具体的に教えてもらいました。
だるさ、疲労感を改善する特効ツボ3つ
(1)ツボ・労宮(ろうきゅう)を刺激する
手のひらの真ん中あたりにあるツボで、「労宮」の「労」は労働、「宮」は中央という意味があります。手はよく働くので、その中央にあって、気苦労やストレスが集まるところを示すとも言われます。
だるい、朝起きにくい、だらだら感、疲れがとれない、憂うつ感、それらに伴う食欲不振や吐き気の改善、また、手や腕の血流促進に作用します。
<ツボ「労宮」の位置>
手のひらの中心のくぼみにあります。手の指を曲げたときに、なか指とくすり指の先にできるすきまの部分です。左右にあります。
<刺激法>
反対の手のおや指で、イタ気持ちいいと感じる強さで、ひと押し5~10秒を3~5回、くり返しましょう。左右の手で痛みかたに差がある場合は、痛い方をよく指圧してください。また、労宮を中心に、手のひら全体をこりをほぐすようにやや強めに押すとよいでしょう。
(2)ツボ・天柱(てんちゅう)を刺激する
後頭部の首との境にあるツボで、「天柱」の「天」は鎖骨から上の部分、「柱」は支えるための重要な部位を意味します。
だるさ、疲れやすさ、頭重感、頭痛、めまい、頭部の血流促進、肩こり、首こり、耳鳴り、鼻炎などの緩和に作用します。
<ツボ「天柱」の位置>
首の後ろ側の中心、髪の生え際にくぼみがありますが、その両端に、「僧帽筋(そうぼうきん)」と呼ぶ、2本の筋肉が縦に浮き上がっています。その上端です。左右にあります。
<刺激法>
頭をおや指以外の指で覆うようにつかんでから、両方の手のおや指で天柱をやや上方に向かって、ひと押し5~10秒を3~5回、くり返しましょう。頭をつかみにくい環境にいるときは、手のひとさし指となか指をそろえて、天柱の下のほうから上方に向けて押すとよいでしょう。
(3)ツボ・中脘(ちゅうかん)を刺激する
「中かん」の「中」は中心・中央、「かん」は胃袋を意味し、胃袋の中心にあるツボを表します。とくに胃の機能を整えるツボとして知られており、胃重感、消化不良、胃痛、吐き気、便秘、下痢、だるさ、めまい、立ちくらみ、不眠、疲れやすさなどの緩和に作用します。
<ツボ「中脘」の位置>
おへそとみぞおちを、縦に線で結ぶようイメージをし、その線の中心にあります。また、おへそから、手の小指からひとさし指までをそろえた幅の分を上がったところ。
おなかをゆるめた状態で、胃のあたりに両手を置き、なか指を重ね合ってひと押し10秒ほどを軽く3~5回、繰り返します。
また、手のひらでさする、手をあてる、季節によってはカイロをあてるなどして温めるのもいいでしょう。
<刺激法>
腹筋を緩めた状態で、両方の手のなか指を重ねて、場合によっては一方の手のなか指だけで、軽くひと押し5~10秒を3~5回、くり返しましょう。中脘を中心に指先をくるくると動かしながら刺激するのもよいでしょう。
足首・けんこう骨・手首をまわして血流を促す
(4)足首まわし
だるいときは、全身の血流が悪くなっていることがあります。オフィスではことあるごとに足首をまわして、下半身の血流を促しましょう。むくみや冷えの改善にもなります。
自宅では、次のようにしましょう。椅子に浅く座って背中を伸ばし、右の足を左のふとももにのせ、左の手の指と右の足の指をからませ、右の手は右の足首を持ちます。前方向に3~5回、後ろ方向に3~5回まわしましょう。足を入れ替えて同様に行い、左右で1セットとし、2~4セットをくり返しましょう。
(5)けんこう骨まわし
上半身の血流を促して、だるさや筋肉のこりをほぐしましょう。オフィスでも自宅でくつろいでいるときでも、けんこう骨を動かすことを意識して実践してください。両肩からけんこう骨までを前方へ3~5回、後方へ3~5回、左右で1セットとして、2~4セットをくり返しましょう。
(6)手首まわし
パソコンやスマホの作業の合間には、随時、手首を回すことも意識しましょう。両手の指をからませて、手首からくるくると軽く、力を入れずに前後に5~10回まわしましょう。
実践してみたところ、動きの量に比例して体のだるさが軽減がされたように感じます。「起床時に、ランチタイムに、デスクワーク時はいつもと、習慣にしてください」と丸尾さん。特効ツボ3つを覚えておき、継続して行っていきたいものです。
(構成・文 藤原 椋/ ユンブル)
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情報元リンク: ウートピ
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