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残暑バテでぐったり…疲労医学の医師が教える「してはいけない」習慣

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残暑とは名ばかり、厳しい暑さが続き、どう対処していいのか考えあぐねています。夏バテや熱中症対策に良いと言われることをあれこれと試していますが、気晴らしにもなりません。

そこで、東京疲労・睡眠クリニックの院長でベストセラー『すべての疲労は脳が原因』(集英社)シリーズの著者でもある梶本修身医師に尋ねると、「世間でよく言われている方法は、医学的に根拠がないこと、また、CMや感覚的な伝聞に影響されているだけの場合があります。適切なケアを日常生活で継続して試みてください」ということです。そこで残暑バテの対処法について、何がどう良くないのかを、日常生活編と睡眠編の2回に渡り、具体的に尋ねてみました。

梶本修身医師。

梶本修身医師。

スタミナドリンクで隠れ疲労に、ウナギで胃腸の不調も

今回は、夏バテ対策と思って実践している次の食事、入浴、運動法について、梶本医師にそれぞれ、適切か否かと、医学的に根拠が認められているケア法について教えてもらいましょう。

(1)夏バテがつらいときはスタミナドリンクや栄養ドリンク、仕事でがんばらないとならないときにはよく、エナジードリンクを飲んでいます。

梶本医師: スタミナドリンク、栄養ドリンク、エナジードリンクで疲労が回復するという医学的な根拠はありません。

これらにはカフェインと微量のアルコールが含まれていることが多く、一時的に気分を高揚させて、疲労が軽くなったように感じさせるだけで、疲労を本質的に改善するものではありません。むしろそういう錯覚によって、疲労を隠して蓄積させることになりかねないのです。これを「隠れ疲労」や「疲労のマスキング」と呼び、継続するととても危険です。

では疲労改善に効果が認められている食品を、梶本医師に次の解説で紹介してもらいましょう。

(2)滋養強壮や疲労回復にと、週末にはウナギを食べています。

梶本医師:ウナギが滋養強壮や疲労回復になるという医学的な根拠はありません。ウナギは脂質を多く含み、高カロリーでビタミンA・Bも豊富なため、かつて日本が慢性的に栄養不足だった時代には栄養源として活用されていました。ですが現代の日本人は日ごろから栄養価が高い、カロリー過多とも言える食事をしているため、ウナギを食べたからといって栄養の補給になる、あるいは疲労を回復することにはなりません。

夏バテの代表的な症状に胃腸の不調がありますが、暑くて疲れているときにウナギをたくさん食べると、消化不良、胃重、胃痛、下痢や便秘などで、逆に胃腸の機能が悪化し、疲労をもたらす可能性が高くなります。また、その不調を調節しようとして自律神経が過剰に働き、脳疲労をまねくことになりかねません。

夏バテの回復には、脳疲労を改善することが明らかになっているイミダペプチドという栄養成分が豊富な鶏の胸肉や、マグロやカツオなどを食べるとよいでしょう。

とくに鶏の胸肉100グラムには、1日に摂取したいイミダペプチド約200ミリグラムが含まれています。毎日、鶏の胸肉を100グラム程度、スープでも成分がとれるので、調理を工夫して食べるとよいでしょう。「毎日、摂取するのは無理」という場合は、イミダペプチドを含有したサプリメントドリンクを利用するのもよいでしょう。

また、カンキツ類や梅干しに含まれるクエン酸にも抗疲労効果が認められています。1日にレモンや梅干しを2個分 を摂取するとよいでしょう。

早朝の運動、サウナ・熱風呂は疲労を蓄積する

(3)暑くて夏は運動不足になりがちなので、早朝にがんばって起きて出勤前にジョギングをしています。

梶本医師: 起床後すぐの運動は、夏に限らず年間を通して危険性が高い行動です。朝は、自律神経がまだ完全に目覚めていないことから心拍や呼吸の調節が追い付かず、心筋梗塞や脳卒中のリスクも高まります。とくに夏は、暑い中を歩いているだけでも体力を消耗し、屋外ではさらに強い紫外線を浴びるため、交感神経が刺激されて自律神経のバランスが崩れやすくなって脳疲労が蓄積します。

熱中症を防ぐためにも、夏は紫外線が当たらない冷房の効いた屋内で、水分を補給しながら、ストレッチやヨガを無理のない範囲で行いましょう。

190812_早朝ジョグ疲れ

(4)たくさん汗をかくとさっぱりするので、週に何度か、熱いお湯につかるかサウナに入っています。

梶本医師:間違っています。夏は、激しい運動をしなくても不感蒸泄(ふかんじょうせつ。自覚はないけれど、皮膚や呼気から水分が蒸散すること)で汗をかき、体温を調節する働きを担う自律神経に強い負荷がかかっています。

そのうえにサウナなどで体温が上がると、自律神経は、脳や内臓の体温を下げるためにまたフル回転を強いられます。つまり、熱いお風呂やサウナでわざわざ体温を上げる行為は、余計に疲れをまねくだけです。

お風呂やサウナから上がったあとに、さっぱりしたと感じるのは、エンドルフィンなど脳内物質による一時的な錯覚なのです。入浴では、38~40度のぬるめのお湯に半身浴で5分程度つかるだけで十分です。

さらに、風呂やサウナ、運動中に、また何もしていないときでも、「のぼせ」は、脳の温度が上昇して「もう体温を下げることができない」というアラートです。注意してください。のぼせたときは、冷えた水を飲み、冷房の冷たい空気を鼻から吸ってみてください。脳を冷やすことができます。

疲労の対策として、根拠不明のドリンクや高脂質の食べ物、朝の運動と紫外線、熱い風呂やサウナは避けるべきだということです。良かれと思ってしていたことが、逆に疲れを増幅していたとは……。残暑を乗り切るために、いますぐこれらの対処法を習慣にしていきたいものです。

次回は、疲労のケアに、「睡眠編」のしてはいけないことをご紹介します。

(構成・文  藤原 椋/ ユンブル)

情報元リンク: ウートピ
残暑バテでぐったり…疲労医学の医師が教える「してはいけない」習慣

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