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歯科恐怖症!? 歯がボロボロなのに大人でも歯医者に行けない原因は【歯学博士に聞く】

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歯が痛いけれど歯医者に行くのが怖い、ギンギンという音を聞くだけで体が震える、一生行きたくない…周囲にそう話す人はたくさんいます。筆者も子どものころ、乳歯の治療で痛いめにあった記憶が鮮明で、いまでも歯が痛いときは限界まで鎮痛剤でだましだまし過ごしています。

どうにかならないものかと、『すべての不調は口から始まる』(集英社新書)の著者で歯学博士の江上一郎医師に尋ねてみました。

子どものときの治療時の痛みがトラウマに

——歯医者に行きたくない、怖いと言う人に詳しく話を聞くと、「子どものころの痛みの記憶」と「おとなになってからでも、治療時に納得がいかない痛みを伴った」、「歯科医にぞんざいに扱われた」といった理由が挙げられます。

江上医師:子どもさんを始め、おとなでも歯科に好んで通うという人はあまりいないでしょう。「機器の音、におい、レントゲンを撮るだけで、痛みを連想する」と言う患者さんも多いです。

それに、体験談のとおり、「歯科医や歯科衛生士に不快な態度をとられたことがある」「痛みを理解してもらえなかった」「治療後に痛みがすぐに再発した」と打ち明ける患者さんもいます。歯科医やスタッフらの対応が原因であることも多いと思われます。

——むし歯がひどくて仕方なく受診したら、「医師が隣に立っただけで冷や汗が出る。体が震える」「前日は眠れなかった」と訴える人もいます。

江上医師:「歯科恐怖症(歯科治療恐怖症)」という病気があります。過去の歯の治療時のつらい体験がトラウマ(精神的外傷)となって起こります。「怖くて受診したくない」「仕方なく予約をすると不安感や憂うつ感でいっぱいになる」「歯の治療を想像すると息苦しくなる」「受診しても器具の音を聞くと頭痛やめまいが起こる」「恐怖感で診察台に座れない」、また、「『おう吐反射』といって、口を開けるだけで吐き気がする」「治療器具が口に入ると実際に吐く」などという症状です。

——すると、むし歯や歯周病などのトラブルがあっても放置することになりがちでしょうね。

江上医師:放置して痛み止めの薬でがまんしながら、噛(か)めない、食べられないなどで仕事や生活に支障が出ることがあるつらい病気です。痛みに耐えきれずに歯科を受診された時点では抜歯や手術しかないケースも少なくありません。

初診で歯がきれいになって恐怖感が改善したケースも

——歯科恐怖症の患者さんには、どのように治療をするのでしょうか。

江上医師:最近来院された20歳の女性のケースを通して紹介します。来院時、こう話されていました。

「前歯のむし歯が大きくなって見た目にもひどいので、なんとか歯科を受診しましたが、治療後に40度を超える発熱がありました。それで怖さが増幅し、治療を中断。マスクをすると歯が見えないのでそのまま1年が経過しましたが、むし歯が広がってボロボロでむごい状態に。

痛みに弱く、機器の音への恐怖もすごいため、ネットで、通院が可能な距離で精神的な症状にも理解があって優しそうな医師を探しました。行く前にメールで問い合わせをし、その返信内容から今回、思いきって受診してみることにしました」

当院では、カウンセリングで「歯科がつらい、嫌い、治療が怖い」とおっしゃる方にはとくに、呼吸法などリラックス法を実践してもらいながら、なるべく短時間で痛みが少ない治療を行っています。できるだけ治療中の痛みが少ないように、歯を削る、神経を取る(抜髄・ばつずい)などの場合には麻酔をしますが、その注射の前には針の痛みを軽減するように「表面麻酔」も施します。(編集部注/麻酔法については後編で詳述します)

この患者さんには、レントゲン撮影の後、むし歯がかなり進んでいるために麻酔をして前歯4本の神経を取る治療をしました。当日中に仮歯を装着したところ、見た目がきれいになったことに驚かれ、これが治療を続けるモチベーションとなったということで、その後もほかの歯の治療に来院されています。

歯科恐怖症を改善するには、「相性が合う歯科医院を見つけられるかどうかでは」と話されていました。

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歯医者にボロボロの歯を見られるのが恥ずかしい

——大人なのに「歯医者が怖いと言うのは恥ずかしい。相談などできない」、さらに、「歯がボロボロなので歯医者に見られるのが恥ずかしい」「放っておいたことを歯科医に怒られるのではないかと不安」という人もいます。

江上医師:それは自然な感情でしょう。そのように話す人は実にたくさんいらっしゃいます。痛みを理性的にがまんしなくてはならないと思っておられる方も多いと思われます。歯科はできるだけ行きたくない場所の筆頭に挙げられるという報告もあります。

しかし、歯科はそうした悩みを解決するために治療をする現場です。むし歯が多いことは決して恥ずかしいことではなく、現実として歯の病気をたくさん抱えている状態です。

また、歯科医に怒られるなどということはないと思いますが、もしそう感じた場合はその歯科医院とは相性が良くないと考えて、別の医院をあたりましょう。

治療をしなければ年数とともに大変な痛みが襲ってきて、見た目も悪くなります。また歯周病菌は歯だけではなく、ほかの内臓の病気に影響することがわかっています。歯科治療の方法は進化しており、できるだけ痛みによるストレスを生じさせないように、多くの医院が配慮しています。痛みに弱い、歯科が怖い場合は治療前に、また治療中の痛みはがまんをせずにすぐに、歯科医に伝えてください。歯科医は原因を探って適正に対処します。

聞き手によるまとめ

歯科恐怖症という病気があり、それは幼少のころの治療時の痛みの記憶が原因となっているということです。歯科通いを躊躇していると、実は放置しているむし歯、歯周病の進行のほうが怖いという指摘でした。次回・後編では、治療時の麻酔の方法や、歯科恐怖症を乗り越える策についてお尋ねします。

(構成・取材・文 品川 緑/ユンブル)

情報元リンク: ウートピ
歯科恐怖症!? 歯がボロボロなのに大人でも歯医者に行けない原因は【歯学博士に聞く】

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