気がつけば今年も残りわずか。街もイルミネーションで彩られ華やかな季節になりました。
この時期になるとクリスマスやプレゼントについての話が話題に上り、ジュエリーメーカーの広告も多く目にすることも……。
しかし「ジュエリーショップは将来を約束した男女のカップルが行くところ」「パートナーはいるけれど、特に結婚の予定がない自分には縁がない」「華奢なジュエリーが似合わない自分には敷居が高い」と思っている人もいるのでは?
日本最大のジュエリーのオーダーメイドブランド「ケイウノ」は、ハイジュエリーからリフォームまで、男女のカップルに限らずLGBTのカップル、通常の女性用の指輪のサイズでは小さすぎるという人など、多種多様な考えや好みを持っている人ひとりひとりに向けて、世界でたった一つの指輪やジュエリーを作り続けています。
今回は、ちょうど去年のこの時期にケイウノで指輪を作り、来年2月には結婚式を控えているという加藤翼(かとう・つばさ)さん(28)と竹内貴仁(たけうち・たかひと)さん(28)のカップル、そして同社で製造部長を務める髙木学(たかぎ・まなぶ)さんに結婚指輪を作るまでストーリーを伺いました。
僕たちが「ケイウノ」で指輪を作ろうと思った理由
——「ケイウノ」で指輪を作ろうと思ったきっかけを教えてください。
加藤:男性同士のペアの指輪を探すのが、普通のジュエリーショップではすごく難しかったんです。かと言って変な嘘をついて指輪を購入するのも嫌だなあと思っていたところに、幼馴染からLGBTのカップル用の指輪を作っていると聞いて、ちょうど去年の今ごろの時期にケイウノの新宿東口店に相談に行きました。僕が好きなディズニーのデザインにも対応しているというのもいいなあと思いました。
竹内:そうだったね。
髙木:僕たちとしては、特にLGBT用と銘打っているわけではないんです。例えば、女性の方で指が大きくて通常の女性用のリングが入らない、逆に男性の方で男性用のサイズだと大きすぎるというお客様もいらっしゃいます。
一口に「指輪」と言っても様々で、多種多様な考え方や好みをお持ちのお客様ひとりひとりにオーダーメイドで提供していくという気持ちなんです。なので、LGBTというカテゴリーを作っている、というよりもセクシュアリティにかかわらず、すべてのカップルやお客様に向けて指輪を作っています。
「27歳で絶対結婚するって決めていた」
——そもそも指輪を欲しいと思ったきっかけは?
竹内:僕はどっちでもよかったんですけれど(加藤さんが)すごく欲しがっていたので「じゃあ(作ろうか)」となりました。
——加藤さんはなぜ欲しかったのですか?
加藤:昔から結婚願望が強くて、27歳で絶対結婚するって決めていたんです。僕は最初は女の子が好きだったので、27歳になったら自分からプロポーズしようと思っていたのですが、高校を卒業したくらいで男の人を好きになるようになったんです。
(竹内さんと)付き合って、「きっとずっと一緒にいる人なんだろうな」という思い、ちょうど27歳だったというのもあって作ろうと決めました。
——お二人は付き合ってどのくらいなのですか?
竹内:3年半くらいですね。
——竹内さんは、加藤さんが指輪を作りたいと言ったときはどう思いましたか?
竹内:「別にいいんじゃないの?」って。インタビューを受けているのにアレなんですが、僕の場合はまわりに「ゲイです」と言っているわけではないので、指輪を作っても職場にはつけていかないなと。休みの日にはつけるから「まあいいんじゃない?」という感じでしたね。
——それで去年に作ったのですね。
加藤:一昨年の11月22日に大学の友人が結婚したのをインスタで見て(竹内さんに)「いい夫婦の日に結婚してるよ」と何気なく見せたら「じゃあ来年の11月22日にプロポーズするよ」ってボソッと言ったんです。
竹内:いや、違うんです。それまでも「結婚」の圧がすごかったんです。。
加藤:僕はボソッと言ったのを絶対に聞き流さない! と思って、事あるごとに「あと半年で11月22日だね」「もう少しだね」とつついてましたね。
それでとりあえず指輪を見に行こうという流れになって、「ケイウノ」にふらっと行ったらデザインもすぐに決まって。もう一緒に住んでいるのですが、来年の2月に結婚パーティーを開く予定です。
——おめでとうございます!
二人の空気感やちょっとした一言をカタチに
——指輪を作った流れを具体的に教えてください。
加藤:「ケイウノ新宿東口店」に来店して、コンシェルジュさんとデザイナーさんと相談しました。ディズニーの指輪は内側にレーザー刻印もできるというお話だったので、それも含めてデザインを決めていきました。
——デザインは決まっていたのですか?
加藤:決まってなかったですね。おしゃべりしながら決めていく感じで、僕たちの会話を聞きながらデザイナーさんが目の前でササっとデザインを描いてくれるんです。本当にびっくりするくらい早くて驚きました。
——どんなやり取りをしたのでしょうか?
加藤:「ディズニーのキャラクターは何が好きですか?」と聞かれて、「ドナルドが好きです」と答えたら、ドナルドを描いてくれたり、「これはどうですか?」とどんどんデザインを提案してくれました。
竹内:何枚も描いてくれたよね。
——デザインは何枚描いても無料なのですか?
髙木:無料です。お見積もりまで無料です。
——時間は決まっているんですか?
髙木:時間は決まっていないですね。
加藤:僕たちも気がついたら2時間くらいお店にいて、お茶をしに来た感じでした。
竹内:僕たちの会話や何気なくボソッと言ったことを拾ってデザイナーさんがどんどんデザインに起こしていくんです。
加藤:ディズニーのデザインのほかにも「とりあえずシンプルなのがいいよね」という話をして、ゴテゴテして外側にいろいろ入っているものよりも外側はシンプルでつけていても目立たないようなデザインがいい、内側にお揃いの文字や絵柄が入っていたらいいね、ということを二人で話していたらすぐにデザインして提案していただきました。
——竹内さんはディズニーは好きなのですか?
竹内:僕はそこまでディズニーにこだわっていたわけではないんですが、それでも一緒にディズニーランドやシーに行ったらだんだん洗脳されてきてはいたんです。
でも直接的なキャラクターのデザインではなくて「ドナルドやマリン系が好き」と言ったら、ドナルドのイカリモチーフをササっと描いてくれてとても気に入りました。
——ケイウノがデザインをする際に大事にしていることはどんな点ですか?
髙木:お二人の宝物をデザインするということになるので、基本的には話をしていく中でニーズを引き出していきます。やっぱり見ているだけでは分からないので、実際にパターンをいろいろ書いて好きか嫌いかを分けるところからやっていきます。
世界で一つだけの指輪を作りたいと思っても「じゃあどんなデザインがいい?」と言われると難しいですよね。そこで、プロの視点から提案をさせていただきます。
お客様のスタイルや好みに合わせてデザインを提案する。お客様の出会いやお二人の共通の趣味や思い、将来の夢などを伺って、カタチにしていくので、ケイウノの場合は販売員というよりもアドバイザー、コンシェルジュに近いですね。
——なるほど、ありがとうございます。次回は、完成した指輪についてお話を聞かせてください。
※後編は12月14日(金)公開です。
■ケイウノ
1981年に創業した日本最大のオーダーメイドのジュエリーメーカー。年間4万種のデザインを生み出しています。デザイナーは約40人、熟練の技を持つクラフトマンは約150人で、自社で一貫して一つ一つのジュエリーを製作、全国30店舗以上のお店で販売しています。また、他社で断られたような難易度の高いリフォームや修理の相談も受け付けています。
一からデザインする「フルオーダー」のほか、ケイウノオリジナルのジュエリーに石や模様の追加をする「アレンジオーダー」など希望に合わせて提供しています。デザイン・製作・販売を一貫して行っているため、既製品と変わらない価格で購入できるのも大きな魅力です。最近は、オーダーメイドの時計もスタートし、対応アイテムの幅を広げています。
■ケイウノ新宿東口店の特徴
JR新宿駅東口を出たら目の前、アルタの隣のビル(1~4F)です。結婚指輪や婚約指輪などブライダルアイテムが充実。ケイウノオリジナルジュエリーのほか、都内で唯一のディズニーデザイン ジュエリーコーナーも併設しており、ディズニーが大好きなスタッフも多数在籍しているため気軽にジュエリーの相談ができます。
(取材・文:ウートピ編集部・堀池沙知子)
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情報元リンク: ウートピ
指輪も結婚のカタチも自由だから…僕と彼が「ケイウノ」で指輪を作った理由