SDGsってよく聞くけど、何から始めればいいの?
そんな疑問を抱く人々に向けて、9月17日、農林水産省は「あふの環(わ)2030プロジェクト 選ぶ、食べる、サステナブル展」オンライントークイベントを開催しました。登壇者は、料理愛好家の平野レミさんと、料理家の和田明日香さん、寺井幸也さんです。「見た目重視から持続性重視のおかいものを通して SDGsを考える」をテーマに、食に関するトークが繰り広げられました。
大根の皮がパスタに早変わり
――普段料理をするとき、どんなことを意識していますか?
和田明日香さん(以下、和田):旬の食材は「季節に合わせて処方されるサプリ」だと思って、積極的に使うようにしています。旬の野菜や果物、そして魚には、季節ごとに必要な栄養素がたっぷり蓄えられているんですよ。だから、暑い夏には夏野菜を食べるなど、季節に合うものを食べるようにしています。
寺井幸也さん(以下、寺井):僕はお店で毎日大量に食材を仕入れているんですが、野菜の皮やヘタなどを捨てないようにしています。食材の一部を切り取って使うのではなく、なるべく全部使って、ちゃんと価値をつけてお客様に出す料理人でありたいと思っています。
平野レミさん(以下、平野):私も、ナスの皮をナンプラーで炒めて、ゴマをかけて食べています。ジャガイモの皮はチーズと一緒にトースターに入れて焼くと、「ポテトスキンピザ」になりますよ。大根の皮はピーラーで長めにとると、フィットチーネ風のパスタに早変わり。コリコリして美味しいんです。デザートに使えるのは、紅茶の出がらし。小麦粉とバターと合わせてクッキーにしています。出がらしでも香りが残っているので、捨てるのはもったいないですよ!
あえて献立を決めずにスーパーへ行く
――食材を買うときに重視していることがあれば、教えてください。
和田:私はできるだけ、どこの誰がどのように育てたかを調べて、理解した上で納得して買うようにしています。あとは、スーパーから教わることもたくさんありますね。見たことない菜っ葉が並んでいたりすると、「この季節はこういう野菜がとれるんだな」と。
寺井:旬の食材は特売になっていることが多いので、わかりやすいですよね。僕はあえて献立を決めずに行って、特売のものや、通年では見かけない野菜をまずカゴに入れて、それに合わせて献立を考えながら、他の食材を選んでいます。そうすると自然に、旬のものを毎日食べられるようになるんですよ。
平野:旬のものは、安いうえに、食材自体が元気ですよね。夏まっさかりの家庭菜園で、セミも鳴き止むくらい暑い中、自分でもいだトマトは本当に美味しい。今は冬でもトマトが食べられますが、全然味が違うんですよ。夏のトマトを知っていたら、冬のトマトは食べられないんじゃないかと思うくらいです。
食材に捨てるところはない
――最後に、今後SDGsについて意識したいことを教えてください。
寺井:最近は、スーパーで安くなっている「お勤め品」を買うようにしています。捨てられる前に自分が引き取って食べるんです。あと、自分のお店で大量に弁当を作っているので、自然にかえる容器を開発して、その容器をいろんな人に使ってもらえるように発信しています。そういう取り組みを、今後も引き続きやっていきたいですね。
平野:私は「食材に捨てるところはない」ということを意識していきたいです。例えば魚。焼き魚は、骨と頭をレンジでチンしてカリカリにしたあと、フードプロセッサーで粉々にして、白ゴマを混ぜるとふりかけになるんですよ。魚は頭からしっぽまで、全部食べられます。
和田:宇宙人がきて地球のものを持ち去らない限り、地球のものは地球のなかで循環されますよね。つまり、自分が関わるものは必ず循環して、自分に帰ってくるということ。それはこの星に生きている限りみんな同じで、ひとごとじゃないんです。私は、何事も自分ごととして考えていきたいと思っています。
■イベント情報
体験型展示イベント「選ぶ、食べる、サステナブル展」
主催: あふの環プロジェクト事務局(農林水産省 協力:消費者庁、環境省)
期間: 9月18日(土)~10月10日(日)11:00~18:00
※休館日:毎週月曜日。月曜日が休日の場合、翌営業日が休館となります。
会場: ITOCHU SDGs STUDIO (東京都港区北青山2-3-1 Itochu Garden B1F)
料金: 入館料無料
https://www.itochu.co.jp/ja/corporatebranding/sdgs/about.html
(構成:華井由利奈)
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情報元リンク: ウートピ
平野レミのSDGs ナス、大根、じゃがいもの皮も料理