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子供のころ、母が奴隷に見えた 『家族、捨ててもいいですか?』著者に聞く

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10代の頃のいじめ、ブラックな職場、うつ病、自殺未遂、精神病院への入院、生活保護、機能不全家族……。その言葉を見ているだけでもクラクラしてくる壮絶な人生を生き抜き、執筆活動を続ける小林エリコさん。新刊『家族、捨ててもいいですか? 一緒に生きていく人は自分で決める』(大和書房)では家族への想いがつづられています。

「憎いけど、憎みきれない」「大切だけど、複雑」家族に対して、言葉にならない気持ちを抱えている人も多いのではないでしょうか。

小林さんに、「家族」について書くことを決めた経緯や、執筆を経て気づいたことについて話を聞きました。全3回の第2回です。

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父と母は対等じゃなかった

——前回、学校でのいじめに対して抗議してくれなかったお母さんへの思いを話す中で、「時代の犠牲」という言葉が出てきました。過去を振り返ることで、時代や社会についての見方も変わったのでは?

小林エリコさん(以下、小林):そうですね。30代後半になったころから、フェミニズム関連の本をよく読むようになり、「そうだったのか」「あれはそういうことだったのかもしれない」と気づくことはあります。たとえば「個人的なことは政治的なこと」という言葉。私の家庭という本当に個人的な空間で起こったことが、社会に通じる問題なんだなと。男性である父が強権を振りかざして、女性である母が奴隷のように付き従って……。

——お母さんが奴隷。

小林:私の目にはそう見えていました。結婚で経済力を奪われたのち、奪った男性から衣食住を提供されて、彼らが働きに行けるように家事や育児をして、セックスもして。そこは全然対等な関係じゃなくて、自分の家庭の中に、家父長制、父親、男性が支配する社会というのが如実に現れていたのだな、と。

——稼いでいるほうがエラい、みたいな風潮はまだ根強いですね。

小林:そうですね。ではなぜ女性が稼げないのかという話でもあるし。今は共働き世帯が一般的になりましたが、女性のリーダーが少ないという問題は依然としてあります。ルッキズムの問題も根深いですよね。私、短大卒で就職浪人していて。どこからも内定をもらえなかったからなんですけど、その理由は化粧をしていなかったせいじゃないか、と思っているんです。

性被害から逃れたくてベリーショートにしたけれど…

——化粧ですか?

小林:不採用の理由を確かめたわけではないので、憶測にすぎないのですが。周りの子達はちゃんと内定を得ていたんですよね。成績に差があるわけでもない。なんなら私のほうが成績はいいくらいなのに、何が違うんだろうと考えてみたら、外見に行き着いた。私、当時はベリーショートで、いつも「すっぴん」だったから。

——それは、そのスタイルが好きで?

小林:いえ。自分の中の女性性を否定したいという一心でした。私は昔から、「女らしく」することに抵抗があって、高校生の頃からベリーショートでした。短大生になって東京へ通学をするようになってから、痴漢に頻繁に遭うようになったんですけど、どう抵抗したらいいのかよくわからなくて……。今よりもっと男性に見えれば触られないのではと考え、風呂場で泣きながら髪を切ったこともあります。それでも全然被害はなくならないし就活もうまくいかないし……。

——つらい……負のループ……。

小林:就活メイクなんて知らなかったし、必須なら授業で教えてほしいですよね。でも、見た目でわかりやすく損得があることにも納得がいかなくて。人間、見た目じゃなくて内面だと考えすぎて、短大生のころは、汚いジーンズに、薄汚れた絞り染めとかインドの神様が描いてあるTシャツを着て学校に通っていました。明らかに戦力外ですよね。

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父の帰宅前に化粧する母

——協調性がなさそうだ、と思われたんでしょうか。いずれにしても腑に落ちない件です。

小林:家族の中でも、メイクで印象深い思い出があります。母のことなんですけど、専業主婦だったこともあって、基本的には外出するときしかメイクしていなかったんですよ。ところが、ある日父に「なんだお前、俺が帰ってきたのに化粧もしてねぇのか」と言われ。それから毎晩、父が帰ってくる前にメイクするようになったんですよ。そのときの母がすごくキレイだったんですよね。

——なんだか切ない……。

小林:そうですね。夕方の薄暗くなる時間に鏡の前でしっかりメイクをして。絶対に負けたくないという気合いの入ったメイクだったんだろうなと思います。

——私、小学生高学年のころにいたずら電話が続いた時期があって。名指しで呼び出されて「ねぇ、もう下の毛はえてる?」とか聞いてくるんですよ。自分の身体が大人の女性に変わっていくことで、こんなに怖くて不快な思いをするのはイヤだと自分の「女」の部分を否定したくなる気持ちがありましたね。

小林:自分の性別が女性である以上、女として生きていかなければならないので女性性を否定するのはやっぱり損してしまいますよね。女性として生きる道ってたくさんの選択肢があるけれど、マニュキュアを上手に塗れるかどうかって、中学生くらいのときからすでに分かれているような気がします。

でも、いわゆる「スペックの高い男性」と結婚したからといって、永遠に幸せかというとそうでもないし、「キャリア」を選んでも、いい会社で健康に働き続けられるかなんて保障はない。ひとつの時代の中に、いろんな生き方がミルフィーユの層のように重なって、同時並行で起こっていて、何を選んだら幸せなのかわからないですよね。でも、選ばなかったほうのことばかり考えるのもよくないなと思うんです。正直、結婚している人を見るといいなぁと思ってしまう気持ちはあるんですけどね(苦笑)。

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(撮影:大澤妹、取材・文:安次富陽子)

情報元リンク: ウートピ
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