再婚にあたり、1年半の時間をかけて婚前契約書を交わす合意にたどり着いたミュージシャンのSILVAさん夫婦。これまで、婚前契約書に興味を持ったきっかけや、実際の夫婦生活について聞いてきました。
引き続き、10月28日26時再放送のAbemaTV『Wの悲喜劇 〜日本一過激なオンナのニュース〜』で「急増中!契約結婚するオンナたち」にリアル経験者としてゲスト出演する、ミュージシャンのSILVAさんに「婚前契約をした後の周りの反応」について話を聞きました。
【第1回】私が婚前契約書を作成した理由
【第2回】婚前契約を交わした夫婦の生活
婚前契約書はどんな風に作られる?
——これまで話を伺って、婚前契約というのが、がっぽり慰謝料を取るためのものとか、パートナーをガチガチに縛るものではなく、夫婦生活を円滑にするためのものということがわかってきました。けれど、2人の約束として書面に残しておく、ではダメなのでしょうか?
SILVAさん(以下、SILVA):それだと法的効力がないんです。それに、結婚中に契約書を作っても効力がない。公証役場に提出し、公正証書を作成してもらうことで、法的に効力を持つようになります。2人の約束としてメモ書きで、念書という形よりはちゃんと印鑑を押してもらって届けたほうが、最後のときにムダな、精神的な苦痛が起こらないんですよ。
——なるほど。
SILVA:結局、別れ方をスッキリさせるものなので。もし離婚することになったら、保険だったり財産だったりを分けなきゃいけなくなります。その時には弁護士に相談することもあると思うんです。互いがそれぞれの弁護士に相談することを考えたら、婚前契約書をきちんと公正証書にするための2万円は安いのではないでしょうか。
——実際に公正証書になるまでにはどのくらいの期間がかかるのでしょうか?
SILVA:弁護士さんに相談して公正証書にするまでは2週間くらいでした。トータルでかかった費用は私たちの場合は5万円。夫と折半してひとり2万5千円ずつ出しました。
知ってたら、作りたかった!
——婚前契約書を交わしたことについて、周りの人たちの反応はいかがですか?
SILVA:この内容を見せて、今日のような話をすると、「作ればよかった」という人がほとんどです。私のケースを参考にして「婚前契約書を交わしました!」という報告は今のところないのですが、独身の方でも、総じて女性は興味を持つ傾向がありますね。
——「女性は」ということは、男性は……?
SILVA:男性は、はなから見ようともしません(苦笑)。
——そこにちょっと温度差があるんですね。
SILVA:ありますね。男女の間で温度差があるというのは、お国柄もあるのかなと思いますね。アメリカなどでは、男だから、女だからではなくて、自分の意見を持っているのがかっこいいというスタイルがあるので。日本のように、女性は慎ましやかに、思ったことは言葉にしないで胸に秘めて、男性を立ててあげてというのがほとんどありませんし。
でも、昨今の離婚率や離婚の揉め具合を見ていると、婚前契約書を交わしたほうがいいんじゃないかなって思うんですよね。
婚前契約書はリスタートを助けてくれるもの
——人生100年時代と言われる中で、30歳ぐらいで結婚したとして、70年同じパートナーと一緒にいると考えるのはあまりリアリティのない話ですよね。何かあった時に、自分の人生の舵取りは自分でできたほうがいい。別れがくることも前提として、その時にもちゃんとリスタートを踏み出せるように用意することは大事だなと思いました。
SILVA:リスタートのために、婚前契約書は役に立つと思いますよ。実際、結婚する時ってあんまり労力はかからないんですよ。結婚式などの準備だって、2、3ヶ月程度で、基本は共同作業。でも、終わる時は共同作業じゃないですからね。とにかく破壊、崩壊。取り合い、言い合いになるので揉めたら長引きます。だからやっぱり、結婚する前に話し合いをして、その労力を使っておくほうが終わりがラクだと思うんです。こういう話、最後には絶対できませんから。それは断言します。
——そうですね。
SILVA:私の契約書には、30年一緒に居ようねとは書いていません。でも、不思議なことに終わり方が見えているから、終わる気がしないんですよね。
——どういうことですか?
SILVA:どんな別れ方をしたらどうなるってわかるので、そこまでの覚悟を持ってその行動をするのかって考えるとやすやすと家庭を壊すようなことはできないなって思うんです。私の場合、子どもを産んでいますけど、もし自分の都合で別れを切り出せば、親権を相手に渡さないといけない。その覚悟はあるのかって、そこで判断しますよね。
慰謝料などの数字も本当に支払えるラインで設定していることもいい意味で戒めになっています。非現実的な数字であるほど、そんなのどっちみち払えないしねって開き直る可能性だってありますから。
私たちは毎年正月にこの契約書を見返して、内容を確認しているのですが、家族としていい習慣だなと感じています。そんな機会、こういう紙がないとなかなかないですからね。
第32条(契約内容の定期確認)
本契約締結後,本契約が離婚等により効力を失わない限り,甲と乙は毎年1月1日に,本契約内容を確認するものとする。
■番組情報
男子は見なくて結構!男子禁制・日本一過激なオンナのニュース番組がこの「Wの悲喜劇」。さまざまな体験をしたオンナたちを都内某所の「とある部屋」に呼び、MC・SHELLYとさまざまなゲストたちが毎回毎回「その時どうしたのか?オンナたちのリアルな行動とその本音」を徹底的に聴きだします。
#56「急増中!契約結婚するオンナたち」
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(取材・文:ウートピ編集部 安次富陽子)
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情報元リンク: ウートピ
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