何かの拍子に噛んだ、また何もしていないのに知らないうちに大きな口内炎ができていて、なかなか治らずに食事のときはもちろん、話しをするだけで擦れて痛むことはありませんか。少しでも早く治す方法はないものでしょうか。鍼灸師で太子橋鍼灸整骨院(大阪府守口市)の丸尾啓輔院長に、口内炎をケア、予防するためのツボについて尋ねてみました。
口内炎ケアのポイントは唾液を促すこと
はじめに丸尾さんは、口内炎の症状や原因についてこう説明をします。
「口内炎は口の中や周辺の粘膜に生じた炎症です。ケガ、傷とも言えます。口内炎の緩和や予防のコツは、唾(だ)液を促すことです。唾液が減少していると歯で噛んだときに生じた小さな傷も大きくなります。また、ストレスがある、胃腸などの調子が悪いと唾液が減少して口の中が乾燥し、菌が増殖して口内炎の原因となります。
口内炎には軽度から重度まであります。とにかく、できたらすぐの軽度のうちに、また、日ごろからできやすい人は予防のためにも、唾液を促す、ストレスや体調不良を改善することが口内炎ケアのポイントです。そのためのツボを紹介しましょう」
顔、首、手にある口内炎ケアのツボ3つ
(1)ツボ・口内点(こうないてん)
手のなか指のつけ根にあるツボで、疲労やストレスが原因の口内炎の痛みや炎症を緩和することで知られます。ストレスのケアや免疫力アップに働きかけます。
<ツボ「口内点」の位置>
手のなか指のつけ根にる横じわのすぐ上。左右にあります。
<刺激法>
反対の手のおや指でもむように、ひと押し5~10秒ほどの刺激を3~5回くり返します。左右の手とも行いましょう。
(2)ツボ・地倉(ちそう)
「地倉」の「地」は大地や大地の恵みの食べ物、「倉」は食べ物を蓄える場所を意味し、食べ物を取り込む口元のツボを表します。胃腸に不調があるとこの場所に湿疹やできものができることがあります。胃腸の不調などで口内環境が悪化しているときの口内炎の緩和や予防に働きます。顔のけいれんによる口のゆがみや、顔のむくみ、また、口元のたるみの改善にも作用します。
<ツボ「地倉」の位置>
くちびるを結んだときの両端である「口角(こうかく)」のすぐ外側。左右にあります。
<刺激法>
左右のツボを同時に、ひとさし指でひと押し5~10秒ほどの刺激を3~5回くり返します。
(3)ツボ・廉泉(れんせん)
「廉泉」の「廉」には角(すみ)または舌、「泉」には水源という意味があり、必要なエネルギーが泉のように湧き出る場所にあるツボを表しています。舌の炎症、唇のふちのできもの、舌の知覚異常、舌のもつれ、また、せきやたんなどを緩和するように働きます。
<ツボ「廉泉」の位置>
のどぼとけの上にある、横じわの真ん中にあります。
<刺激法>
押しやすいほうの手のひとさし指、または、なか指でそっと5~10秒ほどを3~5回くり返し刺激します。力を入れず、のどが苦しくならないように押しましょう。指の腹でさするだけでも有用です。
(4)舌の先で歯ぐきをなぞる
唾液を促すために、舌の先で歯ぐきの外側・内側をそっとなぞりましょう。ただし、口内炎が擦れて痛い場合はやめてください。
最後に丸尾さんは、
「10日以上、口内炎が治らない場合は、歯科や口腔外科、耳鼻咽喉科、内科、皮膚科などを受診しましょう。何かの病気が隠れている場合があります」とアドバイスをします。
口内炎は、胃腸の不調やストレスで口内環境が悪化している、また唾液が減っているサインのようです。手や口元、のどのツボ押しと、ちょっとしたマッサージで緩和、予防をすることができるのであれば、症状が軽いうちに、できるだけ普段から不調改善や唾液促進ケアをしておきたいものです。
(構成・取材・文 藤原 椋/ ユンブル)
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情報元リンク: ウートピ
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