シャンプーやヘアトリートメントでていねいに髪を洗ったつもりでも、朝起きるとパサついている、ツヤがない、セットがうまくいかないなど、困ることがあります。
美容師で美髪のためのケアを追求する三谷遥さんに尋ねると、「コンディショナーやリンスは、髪質や順番によって使い分けるとよい場面があります」と話します。
詳しいお話を聞いてみました。
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髪のダメージ補修にはシリコン入りを使用する
はじめに三谷さんは、トリートメントやコンディショナーの成分について次のように説明をします。
「トリートメントやコンディショナーには、『シリコーン』という、一般的には『シリコン』と呼ばれる成分が含まれています。細かい粒子でできていて、髪のきしみやパサつき、枝毛、キューティクルのダメージを抑えます。
ノンシリコンのタイプもたくさん市販されていますが、毛髪のダメージが気になって修復したいときは、シリコン入りのタイプを使用するとよいでしょう」
トリートメントは髪の内部を、コンディショナーは表面をケアする
続いて三谷さんは、トリートメントやコンディショナー、リンスはどう違うのかについて、こう話します。
「毛髪は三層の構造になっていますが、トリートメントは主に、内部に栄養を与えて質感を補修します。毛髪にハリやコシ、うるおいを与えてしっとりとまとまるようにして、乾いたあとに出てくるうねりやハネを抑えるように働くわけです。
コンディショナーとリンスは、主に髪の表面を補修する作用があります。毛髪をなめらかにして指どおりや手触りを良くする、また、キューティクルの傷みを防いでパサつきを最小限に抑えます。コンディショナーには、表面だけでなく、内部にまで浸透して傷みを補修するタイプもあります」
また、「ヘアケア製品は、自分の髪質や髪形に適するタイプを選びましょう」と言う三谷さんは、こう説明を続けます。
「トリートメントは、毛先から頭皮までの距離が長いため、栄養が行きわたりにくいロングヘアや、髪にまとまりがほしい、毛髪に元気がない、ハリがほしい場合に適しています。
コンディショナーは、毛先から頭皮までの距離が短く、ヘアスタイルに軽快感が必要なショートヘアや、髪がごわつき、パサつきが気になる、乾くと髪が広がる場合に向いています。
また、髪が乾燥していると感じるときは、お風呂から出てタオルドライをしたあとすぐに、洗い流さないトリートメントを使用しましょう。髪にうるおいを与えるように働きます」
「ヘアパック」や「ヘアマスク」という製品もあります。どう違うのでしょうか。
「『ヘアパック』や『ヘアマスク』は一般に、内部を補修するトリートメントと同じ役割で、成分が高濃度の場合が多いです。ダメージが大きいときに週に2・3回、使用するとよいでしょう。次の日は、髪のまとまり、くし通りもよくなります。パッケージに表示されている使用方法を読んで使い方を把握しましょう」
トリートメント→コンディショナーの順に使う
トリートメント、コンディショナーやリンスなどの働きがわかったところで、具体的にどう使えばいいのかを三谷さんに教えてもらいましょう。
「ダメージが激しいときは、シャンプー後に内部を補修するトリートメントを先につけて洗い流し、次に、表面に作用するコンディショナーを使用するとよいでしょう。
髪が吸収するトリートメントやコンディショナーの成分には、1回の使用につき限りがあるので、トリートメントを洗い流してから、コンディショナーをつけて洗い流してください。
トリートメントで髪の内部に栄養やハリとツヤを与える成分を浸透させたあと、コンディショナーで表面のキューティクルを補修して包み込むというイメージです。
逆の順番でコンディショナーから使うと、すでに表面をコーディングしているので、あとでトリートメントを使っても内部に栄養が浸透しにくいでしょう」
その後にアウトバスでさらに、「洗い流さないトリートメント」を使うということですね。たくさんつけるのは面倒そうです。
「ダメージの具合によって、日ごろはトリートメントとコンディショナーやリンスのどれかを選んで使い分けるとよいでしょう。
ダメージが気になるときに両方使う、ヘアパックを試すなどしてください。そのためにまずは、自分のいまの髪のダメージの程度や質を把握するようにしましょう。どの場合も、お風呂から上がって髪を乾かす前に、洗い流さないトリートメントをつけて仕上げると、ていねいなダメージケアができます」
さらに三谷さんは、これらの使用量と髪に塗る部分について、「必要以上につけると、頭皮や毛髪のべたつきの原因となります。ショートヘアには1プッシュ、ロングヘアには2・3プッシュで十分です。
また、つける範囲は、髪の長さの半分から毛先まででよいでしょう。頭皮に近い部分の毛髪は、生えたてで健康であることが多いからです。そして、毛先を中心に、上から下に向けてつけてください。その理由は、キューティクルはうろこ状に下向きに表面を覆っているからです」とアドバイスをします。
トリートメントやコンディショナーの違いがよくわからず、自分はどちらを使用しているのかを把握せずに適当に使っていました。これを機に髪のダメージの具合を見つめ直したうえで、自分に合ったタイプを使い分けたいものです。
(取材・文 藤原 椋/ユンブル)
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情報元リンク: ウートピ
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