仕事にムラがある後輩がいてちょっと困っています。立場的に私は先輩で上司からも下に仕事を振っていいよと言われているのですが、彼女に振るのが怖いのでつい自分でやるか別の後輩に振ってしまいます。
彼女は調子が良いときには100点のものを出すのですが、ちょっと調子が悪かったりすると20点くらいの出来で仕事にムラがあります。人間だから調子が良いときも悪いときもあってなるべくカバーできればと思うのですが、彼女に気を使うことに疲れてきました。もう一人の後輩は安定していて常に70点くらいのものを出してきます。70点なので少しアドバイスすれば100点に近づくのでつい70点の彼女を頼ってしまいます。ムラのある後輩をどう育てていけばいいか悩んでいます。
よく言えば“天才肌”だけど…
仕事にムラがある人というのは、良い言い方をすれば天才肌の人、悪い言い方をすればその日の気分で仕事をしている人ですね。
気分なんてその日の天気やヘアスタイルの出来不出来にも左右されてしまう脆弱(ぜいじゃく)で一貫性のない気まぐれな原動力ですから、仕事の原動力を気分にしてしまうと、気分が優れているときは良い仕事ができるけど、気分が優れないときは役立たずになってしまうわけです。
役立たずになるだけならまだいいのですが、この手のタイプは気分が優れないと周りに八つ当たりをするという特徴も持っていますので、なかなかどうしてこれが厄介だったりしますね。
「センス」って気分と相性が良いもので、気分が良いときにセンスが発動するものなのですけど、センスって理屈を超越してダイレクトに感性にアクセスする能力ですから、ご本人もそのセンスを理屈で理解していないんですよね。
なぜ自分は優れた仕事ができるのか、なぜ自分は難易度の高い仕事をこなせるのか、その技術や能力を自分自身でもよく理解できていないから、センスが発動されない気分の優れない日には役立たずになってしまい、そんな自分に腹が立ち、周りに八つ当たりをしてしまうということです。
良いセンスを持っていると気分頼りになってしまい、理屈で仕事をしなくなってしまうという、いわば天才病みたいなものですね。
合格ラインを出せる人の特徴
満点を出すことはないけども、赤点を出すこともない、気分に左右されずにちゃんと合格ラインを出してくる人って、センスではなく知識や知恵で仕事をしている人です。
気分が良いときでも悪いときでも、知恵や知識等の理屈は終始一貫していますので、仕事も一貫したアベレージが出せるということ。
そして知識や知恵で仕事をしている人の最大の利点は、人材を育てることができるということです。
センスは人に教えることはできない、だから天才肌の人は人材を育てることが壊滅的に下手くそで、どうかすれば人材を育てるどころか人材をつぶしてしまうことも珍しくありません。
その点センスや気分で仕事をしていない人はちゃんとした知識や知恵を持っていますから、それを他者にシェアして人材を育てることができ、自分がいなくても大丈夫な環境をつくることができるのです。
短期的に見れば天才肌の人に軍配が上がるのかもしれませんが、長期的な目で見れば知識や知恵を継承できる人のほうが圧倒的に有能です。
仕事はできて半人前、人に教えることができて一人前、半人前の壁を打ち砕くものは、センスではなく知識や知恵ってことですね。
天才肌の人はその壁に当たらないと他者の言うことなんて聞かない生き物ですから、今のところは「壁に当たり待ち」でいいと思いますよ。
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