新型コロナウイルスの感染拡大を受け、4月1日に、日本生殖医学会から会員の医師向けに妊娠中に使える予防薬や治療薬が開発されるまで、不妊治療の延期を選択肢として患者に提示することを推奨するという声明が出されました。このような状況下では仕方がないと思う一方で、やりきれない気持ちになっている人も多いのではないでしょうか。
携帯電話向けモバイルコンテンツ事業を行うエムティーアイは、運営する『ルナルナ』内にて定期的に意識調査を実施しています。今回は、新型コロナウイルス感染症に関する、育児中、妊娠中、妊娠を希望している女性への影響や悩み・不安などについて調査を実施。調査結果の一部を紹介します。
声明が出たことを知っていましたか?
まず、「新型コロナウイルスの影響により、日本生殖医学会より会員医師に対して、『妊娠中に使える予防薬や治療薬が開発されるまで、不妊治療の延期を選択肢として患者さんに提示していただくよう推奨いたしますとの声明が出されたことをご存知ですか』と聞いたところ、「知っている」47.2%、「知らなかった」52.8%となりました。
医師向けに発信された声明にも関わらず4割以上の女性が認識しているという結果からも、この声明の影響力の大きさが感じられます。
声明を受けての判断は…?
「声明を受けて、今後の妊活・不妊治療についてどのような判断をされたかを教えてください。/そのような判断をされた背景を教えてください」という質問には、「妊活・治療を継続する」(48.1%)が最も多い回答となりました。次いで「しばらく様子をみて、判断する」(23.7%)、「まだ迷っている」(12.8%)と続くように、答えを出せずにいる人も少なくないようです。
判断の背景について質問すると、「自身で考えて結論を出した」(68.1%)が最も多く、次いで「パートナーと相談した」(54.3%)となりました。現時点では、妊活や治療の方針については医師からの指示よりも当人たちの気持ちを尊重した決断をしていることがわかります。
子どもを望む夫婦の葛藤
声明をどのように受け入れたかをたずねる質問では、1位「理解はするが、受け入れられない」(43.0%)となり、子どもを望んでいる夫婦にとってはやはり葛藤があるようです。一方で、この声明を「当然のこととして受け入れる」と回答する人も34.0%と少なくなく、妊娠をしてもその後のリスクを心配する声が目立ちました。
【自由回答に寄せられた声】
■パートナーが、妊活は中断しないと言ってくれた
■年齢的にも妊娠の確率が低くなってきていることを踏まえ、一度でもチャンスは逃したくないという思いを主人に伝えたところ、同じ思いですぐに同意してくれた
■不妊治療を始めるまで健康な体を作るように心掛けようと夫に言われました
■授からないけど、新しい命を救っていると捉えようとパートナーに言われた
■夫が、新しく宿る命以上に私の命が大切と言ってくれた
■夫が、話をゆっくり聞いてくれて、一緒に頑張ろうと言ってくれた。 また、第一子妊娠時からお世話になっている主治医の先生も、「コロナが少し落ち着くまで、積極的な治療はしない」という私の気持ちに寄り添い、漢方という選択肢を提示してくださった。
妊活・不妊治療の方針に関する判断は、パートナーはもちろん、かかりつけの医師ともよく相談なさってください。
■調査概要
調査実施時期 : 2020年4月10日(金)~4月12日(日)
調査方法および人数 :『ルナルナ』、『ルナルナ ベビー』にてアンケート調査。10代~50代以上の女性、10,129名
■令和2年4月7日 日本産科婦人科学会理事⾧ 、日本産婦人科医会 会⾧による「妊娠中の皆さまへ」より
http://www.jsog.or.jp/uploads/files/news/20200407_COVID19.pdf
■令和2年4⽉1⽇ 厚生労働省 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策 ~妊婦の方々へより
https://www.mhlw.go.jp/content/11925000/000620977.pdf
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情報元リンク: ウートピ
不妊治療は延期すべき…? 子どもを望む夫婦の葛藤