「ヘアブラシの選び方・使い方のコツ」について、美容師で美髪ケアを追求する三谷遥さんに前後編でお話しを聞いています。前編の『美髪を育てるヘアブラシ、どう選ぶ? タイプ別特徴をプロに聞きました』では、多種類のヘアブラシをタイプ別に、その特徴と使い方を教えてもらいました。
今回の後編では、「プロは複数のブラシをどう使っているのか」、また、「ヘアブラシは使用ごとに洗ってください」(三谷さん)とのことで、ブラシの洗浄法も具体的に聞いてみました。
美容師によるタイプ別ヘアブラシの使い分け方
プロの美容師さんは、さまざまなタイプのヘアブラシをどう使いこなしているのか、とても気になります。三谷さんは、前編で紹介したブラシのタイプ別にこう紹介します。
「シャンプー後や髪が濡れているとき、まだダメージがあってキューティクルが開いている状態の場合、ブラシの目が細かいデンマンブラシを使用すると、摩擦が強くてダメージを与えやすくなります。デンマンブラシは、髪が乾いているときのブラッシングやブローの仕上げで使います。
お風呂あがりなどで髪が濡れているとき、また、起床時などで髪がからまっているときはまず、ブラシの目が粗いスケルトンブラシで、髪の表面からそっと髪にダメージを与えないようにといていきます。
360度にぐるっとブラシがついているロールブラシは、前回にお話ししたように、ボリュームを出したい場合に使っています。もうひとつのメリットとして、くせ毛で悩む人にとっても便利です。髪の根元からブラッシングするとくせを抑えやすくなるからです。
クッションブラシやパドルブラシは、ブラシの台座がクッションになっているため、頭皮のマッサージケアをかねてゆったり気分でブラッシングするときに使っています。また、髪が多い、長い人は頭皮への負担を軽減しながらとかすことができるでしょう」
プロのロールブラシテクニックに挑戦
さすが、ブラシの特徴を熟知してタイミングや用途別に使いこなされているようです。中でも美容師さんたちプロがヘアサロンで使うブラシについて、三谷さんはこうアドバイスを加えます。
「ブローやセットの際には、ロールブラシを多用しています。ドライヤーの熱が伝わりやすく、内巻きにしやすく、カールもつくりやすいのです。
自分では使いこなせないと言う人が多いのですが、まず、ロールブラシを髪の内側に入れて、1回転分ぐらいを手でブラシに巻き込んでください。カーラーを使うときと同じように、両方の手を使って行いましょう。その後に、ドライヤーを数十秒ほどあててから冷風で仕上げ、そっと髪からブラシをはずします。カールがついているでしょう。
美容師のように、いきなり右手にブラシ、左手にドライヤーというプロのテクニックをまねるのではなく、カーラー風の使い方をくり返すと徐々にドライヤーを持ちながらロールブラシをくるくると使えるようになるでしょう」
ヘアブラシの適切な洗浄の方法
ヘアブラシの扱い方として、ふと気付けば長いこと洗っていないなと思うことがあります。三谷さんは「お風呂で使用したタオルを毎日洗うのと同じように、ブラシも毎日洗いましょう。美容師は紫外線による消毒をしていますが、一般のご家庭向きに次の洗浄法をご紹介します」と話し、こう説明をします。
「ヘアブラシをよく見ると、毛髪やほこりが溜まっていることがあるでしょう。皮脂の汚れはブラシの1本1本に蓄積されていきます。そのまま使っているとせっかく丁寧に洗髪しても、ヘアドライのときにブラシから髪に汚れが付着したり、それがもとでキューティクルにダメージを与えたりすることがあります。
もし不快なにおいを発していたら、洗ってもまたすぐにおうことがあり、買い替えるタイミングかもしれません。においがする前に、毎日洗浄することが美髪ケアのポイントでもあります。丁寧に洗ってきちんと乾かして使いましょう」
では、洗浄のコツを教えてもらいましょう。
・プラスチック製のヘアブラシの場合
(1)まずは手でブラシについた髪の毛やほこりを取ります。バスタイムでのシャンプー時に、ついでに洗面器にぬるま湯とシャンプーを3~4プッシュして混ぜ合わせ、そこにブラシをつけてゆらゆらさせてブラシ全体を洗浄します。その後取り出して水でよくすすいで持ち手部分をタオルで拭き、ブラシ部の水分はタオルにぽんぽんと振って取り除きます。あとは自然乾燥しましょう。
(2)汚れが目立つ場合は、(1)と同じく、ぬるま湯とシャンプーを混ぜ合わせてから3時間~一晩ほど、つけ置き洗いをします。その後は(1)と同様に拭いて乾かしましょう。
・木製のヘアブラシの場合
プラスチック製と同じ洗浄法でもいいのですが、木製の場合は汚れが取れにくいことがあるのと、長い時間、シャンプーをとかしたお湯につけておくのはNGです。そこで、歯ブラシを用います。毛先に向かって優しく髪の毛やほこりを取り除いてから、ブラシに少量のシャンプー剤をつけて、歯ブラシでそっと掃除をします。その後は水でよくすすぎ、プラスチック製と同様にタオルで拭いてから自然乾燥をしましょう。
・天然毛のヘアブラシの場合
水やシャンプーは使用しない方がよいでしょう。毛が抜ける、においが発生するなどの問題をまねきます。乾いた状態で、手で毛髪を、また歯ブラシやつまようじ、ウェットティッシュを用いてほこりや汚れを取り除きましょう。どうしても汚れが気になる場合は、軽くぬるま湯につけてブラシ部分を揺らしながら汚れを落とし、水分を十分に拭き取ってからドライヤーの熱で、短時間で乾かしましょう。
聞き手によるまとめ
プロが実践するヘアブラシの使い分け方が、タイプ別に詳しく分かりました。自分でも使いこなすことができそうな予感です。それに、普段使用しているヘアブラシを洗浄してから使うと使い心地が良くなり、快適感がアップしました。ヘアケアの一環として、ヘアブラシの選び方、扱い方を見直しみてはいかがでしょうか。
(構成・取材・文 藤原 椋/ユンブル)
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情報元リンク: ウートピ
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