ここ数年、ヘア業界ではオイルが流行しています。アウトバスオイル、スタイリングオイルはもちろん、オイルを固形状にしたバームタイプも「コスパがいい」と話題! これらを使ってスタイリングする「濡れ髪」、「揺れ髪」がトレンドとなっています。
以前、ヘアアイロンがブームだった頃は巻き髪が一世を風靡(ふうび)しましたが、今やきっちり巻くヘアスタイルは時代遅れの印象……。特に大人世代の場合、ナチュラル感が定番の昨今において、「巻き髪=老け見え」の印象を与えやすいので注意したいところです。
では、大人髪を美しく、若々しく見せるにはどうすればよいのか。それは‟今っぽさを少しだけ取り入れる”のがコツです。髪が濡れたままのような「濡れ髪」はオイルがトレンドとはいえ、大人髪だとペタンとし過ぎたり、少々清潔感に欠ける印象になりやすいので、そのまま真似るのは危険!
そこで今回は、大人髪をきれいに演出するスタイリングオイルの使い方をはじめ、アウトバスオイルとスタイリングスオイルの違い、また「そもそもアウトバスってなにを選べばいいの?」という素朴な疑問まで、『N°anfeel*shibuya』(東京都渋谷区)のヘアスタイリスト、YUTOさんにお伺いしました。
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Contents
魅惑のヘアオイル。スタイリングに使うならバームタイプがおすすめ
——ヘアオイルが大ブームですよね。それに伴って、オイルを多めにつける濡れ髪もトレンドですが、大人女子にとって濡れ髪はハードルが高い印象です。そもそもオイルって、扱い方が難しいと感じる人も多いようですが……
YUTOさん:濡れ髪は世代によって印象が変わりやすいですね。髪質や付け方次第で、髪が脂っぽく見えたり、ペタッとしやすい場合もありますから。
——アラフォー世代がヘアオイルを使うときのコツはありますか?
YUTOさん:はい。リキッドタイプのヘアオイルより、固形状のバームオイルのほうが扱いやすいです。
——そうなんですね! その理由は?
YUTOさん:リキッドタイプは濡れ感やツヤは簡単に出ます。でもスタイリング力はないため、髪にある程度のメリハリ感があったほうがいい大人世代の場合、リキッドオイルの質感に合う髪型が限られてしまうんです。半面、バームタイプはスタイリング力があるため、例えば後頭部の丸みや、襟足の動き、トップのメリハリなどがきちんとキープしやすい。ワックスのように操作しやすい上、適度にツヤ感も出て今っぽい質感になれるので一石二鳥です。
——なるほど! 使いやすそうです。ところで、バームタイプのオイルはテクスチャーが硬い印象です。扱いになれていないと、髪にバームが固まって白残りしてしまう…という失敗談も聞きますが。
YUTOさん:オイル系の原料なので、しっかり手のひらでのばせば透明感が出てきます。そこまでのばすことが大切で、これさえ行えば、むしろバームは扱いやすいスタイリング剤ですよ。皆さん、スタイリング剤を付ける時って、髪のいろんなところを触ってしまうんですね。
——トップとか前髪とか、すぐにいじりたくなります(笑)
YUTOさん:そうなんです。リキッドオイルの場合、ちょっとでも髪につくと、そこの部分にピタっとのってしまう。オイルによってトップや前髪がベタつく方は、この手の失敗がほとんどです。一方、バームの場合はスタイリング力があるので‟塗布したら握る“などのアクションを加えれば、ふんわり感も出やすく、ベタッとしにくいですね。
髪の広がりやシルエット崩れを抑えるスタイリング剤の使い方とは?
——ところで、基本的なことなのですが、スタイリング剤の付け方のコツってありますか?最初に表面の髪からなじませるとか……。
YUTOさん:あります。表面からベターッとなじませる方は多いですね。
——はい。年齢を重ねると、髪表面のパサつきが目立ちやすいから、乾燥による広がり対策も兼ねて最初につけがちです。
YUTOさん:レングスにもよるのですが、例えばミディ~ロングの場合、スタイリング剤を手にのばしたら最初に耳後ろに手ぐしを入れ、毛先に向かって滑らせるように塗布しましょう。
——内側から、ということですか?
YUTOさん:はい。耳後ろにある内側の髪は、ダウンスタイルの時に正面から見えやすいパーツ。ここにツヤ感があると、清潔感のある上品な印象を与えやすいんです。
——そうなんですね。
YUTOさん:耳後ろの次に顔周りのもみあげ、次にバックの内側になじませたら、ここで表面の中間~毛先に塗布してパサつきを抑えましょう。最後に前髪を整える、というのがおおまかなプロセスです。この間、スタイリング剤を足す必要はないです。ペタンと重い仕上がりになる方に共通しているのは、つけ過ぎる傾向があること。小豆1~2粒の量をしっかり手のひらでのばしてから塗布すれば十分です。
——確かに、表面から塗布すると余計につけ過ぎちゃうかも!?
YUTOさん:髪の広がりは表面のパサつきだと思われがちですが、実は時間経過とともに広がるのは髪の内側。自分自身から発せられる湿気や汗によって、内側の髪はうねりや広がりが起こりやすいんです。だから、最初に内側の髪に塗布して、ボリュームが出にくい状況を作りましょう。
——目から鱗でした。私の髪が広がる原因がそれだったとは……。
YUTOさん:あと最近のヘアスタイルの傾向として、抜け感とか揺れ感があると大人世代でも髪型を今っぽくアップデートできますから、あまり表面にベタベタとスタイリング剤をつけないほうが素敵。ほどよい空気感や動きをキープするためにも、オイルなどは手のひらに余ったごく少量をなじませるだけで十分です。
アウトバスオイルとアウトバスミルクの違いは?
——そのオイルなのですが、アウトバストリートメントとしてのオイルとスタイリングオイルは同じものを使ってもいいのでしょうか?
YUTOさん:アウトバストリートメントは、ドライヤーの熱や摩擦などから髪を守るコーティング効果が高いもので、いわばスキンケアのような存在。一方、スタイリング用のオイルはツヤ感やまとまりをアップして、髪の質感をメイクするものと覚えるとよいでしょう。
——そうなんですね。勉強になります!ところで、アウトバストリートメントにはミルクタイプもありますが、大人世代はオイルとミルク、どちらがおすすめですか?
YUTOさん:一般的にミルクタイプはとても栄養価が高いので、年齢に関係なく皆さんに使ってほしいです。特に弱った髪質を修復したい人におすすめです。一方、オイルタイプは使ったその場ですぐに保湿感やまとまり感が実感しやすいのが特徴。シャンプーをしたタオルドライ後はもちろんのこと、日中の髪の乾きや広がりが気になったとき、アウトバスオイルを少しなじませると落ち着きます。髪質や悩みにあわせ、自分に合うタイプを選んでいただければと思いますね。
——なるほど!スタイリング剤に関する素朴な疑問が解決できてよかったです。ありがとうございました!
一日中髪がまとまる! スタイリングオイルの賢い付け方をおさらい
①最初に耳後ろの毛束になじませる
耳後ろの毛束を掴み、そのまま毛先方向に滑らせてオイルをなじませます。
②顔周りの毛束に指を入れる
次に顔周りの毛束を掴み、塗布。バック内側にも同じようになじませます。
③パサつき防止に表面の毛先にもオイルを塗布
表面の中間~毛先に指を通してオイルを塗布していきましょう。
④前髪をなじませて完成
最後に前髪をサラリとなぞるように薄っすらオイルをつけ、自然な束感をプラス。
以上、今どきオイルスタイリングのコツを紹介しました。髪は時代を反映します。若い頃に気に入っていたスタイリングをそのまま続けると、他人の目には古臭い印象を与えてしまいがち。
トレンドのヘアデザインを少し意識し、ほんのりアップデートし続けることで、今っぽさのある大人女性を演出できます。ぜひ参考にしてみて下さいね。
■お話をうかがったのは…
YUTO
number anfeel* shibuya渋谷駅店 トップスタイリスト。顧客単価グループ1位。storageのブランディング素材の撮影全般も担当。美容専門学校を卒業後、ヘアサロンに就職するも、国家試験に落ちてしまい、アシスタントしながらアルバイトをしていた時も。銀座、表参道などで経験を積み、自分でお店を開きたいと思い、storageに入店。
(取材・文:小澤佐知子)
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情報元リンク: ウートピ
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