デスクワーク中は、パソコンや書類などに夢中になり、おなかがゆるんでつい猫背になりがちです。ケアする方法はないかと、理学療法士で鍼灸師、またプロトレーナーでもある仲川豊基さんに尋ねると、「姿勢をよくすると同時に、おなかやせが期待できる『ドローイン』という方法があります」ということです。詳しく聞いてみました。
けんこう骨、ふとももを使うドローイン
はじめに仲川さんは、ドローインについてこう説明をします。
「ドローインとは、英語の“draw in”のことで、『引き込む』、『吸い込む』という意味があります。数年前にトレーニング法としてブームになり、一般に、おなかをへこませて行う筋トレ法として知られています。ドローインでは、おなかの深層部の筋肉のインナーマッスルを鍛えることができます。背筋にも影響し、猫背改善に働きかけることもできます。
おなかのインナーマッスルを鍛えると、消費するカロリーの基礎代謝の量が増えて、脂肪が燃焼しやすくなります」
その方法は「おへその周りを『キュッ』と締めるイメージで腹筋に力を入れて、数秒キープしてください。いつでもどこでもすぐにできます」と仲川さん。そこで、デスクでしやすい3つのパターンを教えてもらいました。
(1)けんこう骨寄せドローイン
デスクでも立って行っても、けんこう骨を寄せると、おなかが前に出てきます。それをぐっとへこませると、おなかの筋肉を引き締めるパワーがアップします。また、けんこう骨の関節が柔らかくなるので、上半身の血流をアップし、肩こりや猫背の改善が期待できます。
①椅子に浅く座り、足を骨盤の広さに開いて背筋を伸ばします。
②両方の手を揃えて腰の後ろに添え、手のひらを後ろに向けます。苦しくない程度におなかをへこませたまま、ゆっくりと息を吸って、はきながら、5~10秒をキープします。
③両方の腕の力を抜き、けんこう骨とおなかを緩めて元に戻します。
④ひと息ついてから、3~5回をくり返しましょう。
(2)ふともも上げドローイン
おなかをへこませながら足を上げ下げするので、股関節の深層部にある腸腰筋(ちょうようきん)というインナーマッスルを鍛えることができます。おなかやせだけではなく、ふともも、おしりのシェイプアップ、猫背改善につながります。
①椅子に浅く座り、足を骨盤の広さに開きます。左右の手でそれぞれ、椅子の座面の脇を持ちましょう。
②背筋を伸ばし、おなかをへこませながら、左の足を床から20~30センチほど上げ、3~5秒をキープします。
左の足を下げてから、右の足も同様に行います。左右で1回として、交互に上げ下げを10~15回行ったら、おなかをゆるめて元の状態に戻りましょう。
これらを行うタイミングについて、仲川さんは次のようにアドバイスをします。
「(1)のけんこう骨寄せドローインは、仕事の合間のリフレッシュ時に、(2)のふともも上げドローインは、デスクワーク中に作業をしながら行うことができます。(1)と(2)を合わせて1セットとして午前と午後に各1セットずつ、さらに自宅ではテレビを観ながらなどのちょっとした時間にと、思い立ったときにいつでも行ってください」
さっそく実践してみたところ、おなかだけでなく上半身から下半身まで鍛えられていることが実感できました。目立たない小さな動きなのでデスクワーク中にできて、またシェイプアップの効率がよさそうなのがありがたいです。試してみてください。
(取材・文 藤原 椋 / ユンブル)
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情報元リンク: ウートピ
デスクでおなかやせ&猫背ケア すぐにできるドローインのアレンジ2つ【理学療法士が教える】