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ダメダメだった銀行員時代…過去の自分から学んだ人間関係のコツ

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ウガンダの都市部で暮らすシングルマザーを作り手として雇用し、カラフルなアフリカンプリントのバッグやトラベルアイテムを世に送り出すブランド「RICCI EVERYDAY(リッチーエブリデイ)」。代表の仲本千津(なかもと・ちづ)さんに、3回にわたってお話をうかがいます。

一橋大学大学院を修了後、大手銀行に入行。退職後は国際農業NGO(非政府組織)に参加してウガンダでバッグブランドを起業……という華々しい経歴を聞くと、スーパーウーマンすぎる! と思ってしまいます。しかし、仲本さんも、私たちと同じようなモヤモヤや悩みを少しずつ乗り越えて、自信を回復しながら自分の人生の舵取りをしてきたそう。

仲本さんがこれまでに培ってきた人間関係におけるコツを通して、自分らしく生きるためのヒントを探ります。

直営店、RICCI EVERYDAY The Hillにて

直営店、RICCI EVERYDAY The Hillにて

互いに「なくてはならない存在に」

——新卒で入った銀行を退職し、ウガンダのビジネスを立ち上げる前は日本のNGOで働いてらっしゃったんですよね。NGOとしての支援ではなく、起業を選んだのはなぜですか?

仲本千津さん(以下、仲本):支援よりビジネスを通じての対等な関係のほうが健全だと思ったからです。支援する側/される側ではなく、単に雇用主/被雇用者であるほうが、お互いに「なくてはならない存在」になりうるのかな、と。

つまり、現地のスタッフたちにとっては、私のような外から仕事をとってくる人がいないと困りますし、私にとっても彼女たちがいないと事業が成り立ちません。生産と販売という両輪でつねに対等で、そういう関係が心地いいと感じています。

——対等なよい関係を築いていくために、仲本さんが心がけていることってありますか?

仲本:我慢や自己犠牲の精神があると、関係を続けることが難しくなるので、「自分がワクワクするかどうか」ということと、「つねにフラットである」ということを意識しています。

——「フラットである」というのは平常心ということ……?

仲本:平常心もそうだし……。全てのことにおいて、ですかね。仕事の面では、私の肩書は代表取締役ですが、だからといってスタッフより私が偉いわけではありません。お互いが必要としあうビジネスのなかで、裁量や責任の範囲が違うだけ、役割が違うだけです。

現地のスタッフたちは慣習的に、自分が何か不満を持っていたとしても、立場が上の人にはあまりものを言わないんですよ。で、ある日突然仕事に来なくなってしまったりする。だから、立場が上とか下とかの区別がない、フラットな関係性できちんとコミュニケーションをとることが事業的にも大切なポイントなんです。

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あとは、自分の価値観においてもフラットでありたいですね。自分の物差しで相手を測ってしまうと、お互いイライラのもとになります。日本的な物差しで「なんでこうしてくれないのかな」と思いはじめると、相手にもそのイライラが伝わって委縮させてしまったりします。仕事をするうえで共有するべき価値観は、相手とゼロからつくり上げるくらいの感覚が必要なのかな、と思っています。

——すべての人間関係で言えそうですね。というか、アフリカの人たちって陽気でワイワイものを言いそうですが、言わないんですか?

仲本:これが、言わないんですよ! 日本人みたいに、本音と建て前があるんです。でも、ありがたいのは、「正直なところ、どう思ってるの?」とこちらから水を向けると、本音がワ~ッと飛び出してくる(笑)。彼女たちの素直さに助けられています。

銀行員時代は反面教師

——現地スタッフに対し、関係性も価値観もフラットであれ、という仲本さんの感覚はどこで培われたものなんでしょうか?

仲本:ある意味、銀行員時代を反面教師にしているのかもしれません。銀行って、すごーく硬いルールのもとで、ひとりひとりがルールを乱さず仕事を回していくことが求められる業種なのですが、私は残念ながらルールを理解できなかったり時間にルーズだったり、銀行員としてはダメダメでして……。それで上司に怒られたこともすごく多かったですし、「なんでみんなができることが、私だけできないんだろう?」と自分を責めて、かなり萎縮していました。

——委縮していると、周りからさらに怒られやすくなりますよね……。

仲本:そうなんですよ……悪循環でした。ただそういう経験があったから、私はスタッフを感情的に怒らないようにしているんです。怒りで相手と向き合っても、何もいいことがないので。価値観や関係性だけでなく、気持ちもフラットでいたいですね。

——怒らないとはいえ、スタッフに注意しなければならない場面もありますよね。そんなときはどうしているんでしょうか。

仲本:怒りは出さずに、一対一で淡々と伝えます。「このことについて、こういう理由で、残念に思っているんだよね」とか、「それについてあなたはどう思う?」とか。

私がなぜそう思っているのか、その背景を伝えつつ、相手の気持ちや考えを聞くうちに、私の知らない情報が出てくれば、「なるほど、そういう事情があったのか」と理解すれば、私の怒りも自然と収まります。怒りを撒き散らしていたら、物事の解決に必要な情報を引き出すことはできないのではと思います。

——銀行員時代の上司にやってほしかったことを、いまやってらっしゃるという側面もあるのですね。

仲本:そうかもしれないですね。銀行ではルールに縛られながら、失敗や逸脱は許されないという緊張感のある中で仕事をしていたのですが、今では私は現地のスタッフにボンっと仕事を渡しちゃうんです。「失敗してもいい。できなかったら私が責任とるから、とりあえずやってみて」と。その反面「無茶ぶりだ!」と思われる可能性は否めませんが(笑)。

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怒りは単なる現象にすぎない

——現地スタッフの間でトラブルが起きたときは、どう対応しているのでしょうか?

仲本:実は、私はほとんど介入しないんですよ。彼女たちの間でどうにか解決してもらいます。というのは、下手なことを言うとそれがかえって変な軋轢(あつれき)を生むおそれがあるからです。外国人である私は彼女たちの慣習や生活を細部まで知りうることはできないので……。彼女たちのやり方、落とし前の付け方があると思うので、スタッフの中で話し合って解決してもらうようにしているんです。

——共同経営者であるお母さまとの関係はどうですか?

仲本:母は……面と向かって不平不満を言うことは滅多にありませんが、たまに怒っているなと感じることはあります。トゲのある言い方をしてきたら、ああ、イライラしてるなって(苦笑)。でも、それに乗っかってしまうと衝突してしまうので、相手が怒っているときこそ私は冷静になろうと思って、とにかく怒りの原因が何なのか、あらゆる情報をかき集めて対処します。メールやLINEじゃなくて、電話で話すことで声のトーンから怒りの度合いを探りつつ。

——家族ゆえに、フラットでいることの難しさってありますよね。

仲本:他人だったら抑えられることも、家族には直接的にぶつけてしまいがちですよね。出てきたものは仕方ない、受け止めるしかないなと思います。私は母を「おかーちゃん」と呼んでいるのですが、おかーちゃんも疲れは溜まってるだろうし、寝てないのかもしれないし、きっとどこかに怒る事情があるんですよね。

それに、イライラを溜め込んだ挙句「もうやめる!」と突発的に辞められることを避けるためにも、ちょこちょこ怒りをぶつけてガス抜きしてくれたほうがいいなと思います。

——なんでそんなに器が大きいんですか……!

仲本:そんなことないですよ(笑)。もし仮にそうだとしたら、ウガンダで鍛えられた成果ですかね。起業した当初は、イライラの原因が自分で勝手に高く設定した期待値にあった、ということに気付けず、無駄に怒っていました。でも、期待値を高く設定しているのは、自分の物差しによるものだと分かり、期待値の調整を続けていくうちに、だいぶ気持ちをコントロールできるようになりました。

あとは、人ってそれぞれいろんな事情を抱えて生きていて、怒りというのは、その事情から出てきた“ただの現象”にすぎないんですよね。お金があまりないという事情からイライラしてしまうとか、夫が暴力をふるうからキレやすくなってしまうとか、PMSだからとか……。

――怒られると悲しくなってしまうのですが、「(怒るのは)相手に何らかの事情があるからだ」と切り離せばいい?

仲本:そうです。「何か事情があって、怒りという現象が出てきたんだ」みたいな感じで。なんでも自分のせいだと責めすぎないように、自分自身に対しても、相手に対しても冷静に状況を見ることが大事なのかなと思います。

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■ブランドサイト「RICCI EVERYDAY(リッチーエブリデイ)

(取材・文:須田奈津妃、撮影:青木勇太、編集:安次富陽子)

情報元リンク: ウートピ
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