新型コロナウイルスの感染拡大で先行き不透明な中、投資に関心を示す人が増えていると言います。中でも関心が高いのが投資信託などのつみたてによる投資。そこで今回は7月に出版された『いちばんカンタン つみたて投資の教科書』(あさ出版)の著者で経済アナリストの森永康平(もりなが・こうへい)さんに、安全に資産を築いていくためのポイントを紹介してもらいました!
新規口座開設が増加した理由
日本のみならず、世界を襲った新型コロナウイルス。
緊急事態宣言、そして外出自粛要請が出る中で、証券口座の新規開設が相次いだと言
われています。
主に個人投資家が利用しているネット証券の大手5社の新規口座開設数を見てみると、新型コロナウイルスの感染が拡大する前の2020年1月に比べると、3月は2.2倍の31万もの口座が開設されました。
「家にいても暇だから」という理由で証券口座を開設した人もいるかと思いますが、「仕事が少なくなってしまい、給与だけでは不安」「今後、何が起きるかわからないから、将来に備えておこうと考えた」などの声も。
理由はさまざまですが、資産運用の必要性を感じ始めた人が多いのは確かなようです。
かつては、「郵便貯金(現在のゆうちょ銀行)や銀行の定期預金に預けておけば、それだけで十分」という時代もありました。しかし、今は空前のゼロ金利時代。いくら銀行に預けていても一向に増えることはありません。さらに、人生100年時代を迎え、老後に備えた計画的な資産運用が必須の時代と言えます。
ただ、投資をしたことがない人にとっては、
「投資なんて博打だし、負けたら大変なことになる」
「株で大損したという話を聞いて怖い」
などといった不安が先行し、「投資に回せるようなお金もないし、面倒だから」などといって、はじめの一歩を踏み出せない人も少なくありません。
そうした人に、ぜひ、お勧めしたいのが「つみたて投資」なのです。
銀行にいくら預けていても資産が増えることはありませんから、投資の王道である「つみたて投資」<前回記事にリンク張る>で増やそうというわけです。
つみたてるのは投資信託
その投資の王道「つみたて投資」に最も向いている金融商品が「投資信託」です。詳しくは次回の記事でお話しますが、株式投資だとよほど潤沢なお金がなければ、数銘柄にしか分散投資することができません。
しかし投資信託であれば、投資信託という“器”の中にさまざまな金融商品が入っており、一つの投資信託を購入するだけで、さまざまな金融商品(株や債券など)に投資することができます。
それは、投資の基本である“リスク分散”にもつながります。
1社の株だけに投資をしていると、その株の価格が急落すれば大きな損失を被ってしまいます。「複数の株を買えばリスク分散できるじゃないか」と思うかもしれませんが、そのためには大金が必要になります。
しかし、さまざまな金融商品で運用している投資信託であれば、ある株が下がっても、別の株でカバーすることができますし、株以外の金融商品、たとえば債券や不動産投資信託などでもカバーできます。このように、投資信託は株式投資と比べて、少ない金額でリスクを分散させることができるのです。
運用に関してもファンドマネージャーという運用のプロが代行してくれますから、しっかりと優良な投資信託を選ぶことができれば、投資に関する知識やノウハウがなくても大丈夫。まさに投資初心者にお勧めできるつみたて投資のための金融商品だと言えるでしょう。
ドルコスト平均法は下落局面に強い
つみたて投資が、まとまったお金を一度に投資する方法(集中投資、スポット購入などと呼びます)と比べてメリットが大きい理由を説明する際に、よく「ドルコスト平均法」という考え方が使われます。
これは、毎月一定額の積み立てで投資すれば、価格が高い時は買える口数(投資信託の取引単位)が少なくなり、価格が安い時は買える口数が多くなるため、高値づかみ※をすることが少なくなり、下落局面でも淡々と続けていれば、平均購入単価を下げることもできるというものです。※株価が高値をつけたあたりで株式を買うこと。
このドルコスト平均法が効果を発揮するのが、実は先のコロナショックのようなマーケットの下落局面なのです。
マーケットが暴落して投資信託の値段が大きく下がっても、つみたて投資は同じ金額で購入しますから、その分、多くの口数を買うことができます。
値段が安い時にたくさんの口数を買い付けておけば、マーケットが反転して上昇した際には、値上がりし元本を回復できるというわけです。
つみたて投資の2つのメリット
つみたて投資には大きく2つのメリットがあります。
一つは、自動的に投資金額が積み上がっていくことです。投資信託を使ったつみたて投資は一度設定をしてしまえば、後は毎月自動で定額を同じタイミングで投資することになります。
ですので、つみたて投資を始めてから、20年、30年が経ち、ふたを開けたら、大きな金額になっていたというのは十分考えられる話です。
また、投資金額が増加していくことで、投資によって発生する利益額も増加します。「お金が手に入ると、すぐに使ってしまう」というような、お金の使い方が粗かったり、管理がルーズだったりする方にもお勧めです。
もう一つは、つみたて投資というよりは、投資をすることのメリットですが、自分のマネーリテラシーをアップさせられることです。
もちろん投資をしたからといって、必ず儲かるわけではなく、相場の動きに合わせて、時には投資した資金が減る瞬間もあると思います。
ただ、特に若いうちから、そのような経験をしておくことで、世の中の動きや、経済についての関心、そして資産運用の知識やノウハウが自然と身に付き、将来的に退職金など、大きなお金を運用する場面で慌てることなく冷静に判断できるようなことにもつながります。
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