月1のジェルネイルで爪先まで美容を楽しむ女性たちがいる一方、ネイルをしない/できない人たちもいます。けれど、PC作業に家事に、酷使しがちな指先には意外と負担がかかっているもの。ささくれや爪先の欠けがありませんか? それは地爪が弱いせいではなく、ケアをサボっているため起きたトラブルかもしれません。
今回はネイルケア・ハンドケア専門店「ちょっとお手入れ代々木店」の店長・前島菜那(まえじま・なな)さんに、見た目以外でもネイルのケアが必要な理由と、セルフケアの方法について伺いました。
ネイルケアのみを求める人も多い
——「ちょっとお手入れ」ではケアを中心に行われていますが、ケアだけをしたいと考えるのはどんな方でしょうか。
前島菜那さん(以下、前島):爪の装飾はしたくない、あるいは事情があってできないけれど、爪に清潔感を出したいという人たちですね。日本ネイリスト協会による「ネイル白書2016-17」の調査によると、ジェルネイルをしている女性は10%未満。仕事柄できない人、ネイルの時間が取れない人、面倒でしない人……など、していない人は90%もいます。
——清潔感を出すために、お店ではどんなケアをしているのですか?
前島:いちばんの人気メニューは甘皮ケアです。甘皮を処理するだけで爪が長く見えるので、小さい爪がコンプレックスの方にも人気があります。あとは、ピカピカに磨くケアや、深爪の方が爪を育てるためにいらっしゃることも。
——深爪を育てる?
前島:あまりにも深爪すぎると炎症を起こすことがあるので、深爪の方にはよくないことに気づき、改善していただくようにサポートしています。深爪になってしまう理由として、爪切りの時に失敗したり、ストレスでむしったり噛んだりしてしまうなどがあるのですが、できれば爪先は残して欲しいです。
しなやかさがあるのが「健康な爪」
——爪を大事に使うように改めることも、ケアのひとつなのですね。
前島:はい。指先を無意識に酷使している方も多いので。例えばパソコンのキーボードを打つ力が強いとか、お菓子の蓋を乱暴に開けるとか。そういったことでも、爪に内出血を起こす場合があります。このような方も定期的に爪のケアをすることで、普段から指先に意識が向くようになり、爪の使い方が変わり、爪のトラブルもおさまっていきます。
——それを「爪を育てる」と言うのですね。体調が爪に表れるということはありますか?
前島:ありますよ。特に親指の爪はストレスがすぐに表れる部分なので、乾燥してくると縦筋が目立ってきますし、疲れてきたら横に筋やくぼみが出てきます。爪は体の末端の部分なので栄養もいちばん届きにくいから、不調が最初に出てくるんですよ。血糖値が高い人はピンクの部分が真っ白になることも。
——では逆に、「健康な爪」というのはどのような状態のことでしょうか。
前島:乾燥していないことですね。乾燥して硬くなった爪は、衝撃を与えると割れやすくなりますから、柔軟性のある柔らかい爪が理想です。爪先をつまんで曲げてみてください。ふにゃっと曲がるのが柔らかい爪です。
前島:硬い爪は保湿をしっかりとしてあげることで柔軟性が出てきて、爪も割れづらくなりますよ。それから保湿ができていると、軽く爪磨きをしたような自然なツヤが出てきます。乾燥すると縦筋が主張してくるので、まずは縦筋が目立たない爪を目指してください。
甘皮ケアは月に1度を目安に
——どれくらいの頻度で、爪を削ったり磨いたりすればいいですか?
前島:長さを整えるのは10日〜2週間ごと、甘皮ケアは月に1度くらいですね。
——毎日ケアをすると爪にダメージが起こりますか?
前島:削りすぎると深爪になってしまいますし、甘皮も取りすぎると爪と皮膚の間にばい菌が入ってしまうのでよくないですね。厳密には甘皮の上の小さなひだを“ルースキューティクル”と呼ぶのですが、これは甘皮の老廃物で、甘皮ケアではこちらを取り除いています。ルースキューティクルが残っていると、保湿のオイルが浸透しづらくなるんですよ。
——家で甘皮ケアをするときの正しいやり方を教えてください。
前島:100円ショップや雑貨店などのネイルコーナーにあるウッドスティックにコットンガーゼを巻いて、お風呂上りに甘皮にオイルを塗って押し上げるだけでも取れます。先が平になっている道具を使うのがポイント。切り取るときに失敗が多いので、無理はしないでいただきたいです。中にはカッターナイフを使用して、切りすぎて出血してしまったという方もいますから。
——出血……。怖いですね。保湿は何を使えばいいですか?
前島:爪の奥まで浸透するオイルがおすすめです。甘皮処理後、爪にオイルを塗って軽く指全体をマッサージしてあげると、血流がよくなり保湿力がアップします。
ネイルケアは長期戦と心得て
——食事から爪にアプローチする方法はありますか?
前島:爪はケラチンという成分でできているので、その元になるたんぱく質を摂るといいと思います。ただし動物性たんぱく質は筋肉へと変わりやすいので、皮膚や髪、爪を作る植物性たんぱく質がおすすめです。食材でいうと、玄米や大豆などですね。
——ケアや保湿を続けて、効果を感じるのはどれくらいからでしょう?
前島:爪が半分伸びてくるのに1か月半〜2か月くらいかかるので、それくらいの時間は考えていていただきたいです。オイルケアは1週間くらいから保湿を実感する方が多いですよ。たまにスクラブで指全体の角質を取ってあげると、よりオイルの浸透力が上がります。
——効果を感じられるようになるまでが我慢どころですね。
前島:爪にツヤがあるだけでも、いろんな人から褒められますよ。お客さまで看護師さんがいらっしゃるのですが、カルテで説明をするとき、「爪がきれいですね」っておじいちゃんでも気づいてくれるそうです。人から褒められると嬉しいし、よりケアを頑張ろうという気持ちになりますよね。それに、手は自分でもいちばん見ているところ。仕事中も目に入ってくるたび、きれいだとモチベーションが上がります。他人にも清潔感があるという好印象を与えますし、自分の自信にもなると思います!
次回(9月21日公開予定)はネイルのセルフケアで多い勘違いについて。引き続き前島さんが語ります。
SHOP INFO
「ちょっとお手入れ代々木店」
営業日時:11:00~20:00(不定休)
住所:東京都渋谷区千駄ヶ谷4丁目30-2
最寄駅:JR代々木駅西口・都営大江戸線A2出口徒歩2分
ネイルケア・ハンドケア・フットケア・ジェルオフ・マニキュアなどの手のお手入れ専門店です。ジェルネイルの施術はありません。フットはケアのみ。
(取材・文:薮田朋子、撮影:大澤妹)
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情報元リンク: ウートピ
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