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めまいに激しい頭痛とおう吐 女性の熱中症体験談その2【臨床内科専門医がアドバイス】

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前回の、「目の前がチカチカ、足が動かない…。女性の熱中症体験談に臨床内科専門医がアドバイス」では、スポーツ中の女性の熱中症について、臨床内科専門医で女性外来がある正木クリニック(大阪市生野区)の正木初美院長にアドバイスをいただきました。続いて今回は、自宅で発症した女性の事例と、引き続き、正木医師による「熱中症ケアのポイント」をご紹介しましょう。

節約のため冷房をつけず、掃除中におう吐

<28歳女性・東京都内在住会社員Bさんの体験談>

転職をして間がなく、現在の目標は貯金なので、とにかく節約を心がけています。自宅はマンションの8階のワンルームですが、風通しがいいので、電気代の節約のために、窓を開けっぱなしにしてエアコンはつけずに、扇風機とうちわで過ごしていました。この夏の暑さはさすがに厳しいですが、猛暑にも10日ぐらいで慣れたように思っていました。

暑いですけど冷え性なので、かき氷やアイスクリームは食べません。でも、楽しみは、お風呂上がりのビールです。ビールならなぜか冷えを感じないのです(笑)。それに、水を飲むとビールがおいしくなくなるので、夜は水を飲まないで水分補給にもビールを飲んでいます。

7月下旬の休日のお昼ごろに、洗面所、バスルーム、トイレの掃除をしていたところ、頭がくらくらっとして、軽いめまいに見舞われました。ですが、めまい、立ちくらみはよく起こるので、たいして気にせずに作業を続けていると、5分もしないうちに体がかたまるような疲労感、それに倦怠(けんたい)感に襲われました。「体を動かすのがつらい」と思ったときに吐き気がやってきて、いままでにないおう吐をしました。

頭痛もガンガンしてきたので、「これはいつもと違う、体が熱い、まさかの熱中症? 20代で?」とわけがわからず、かなりつらかったです。さすがに冷房を入れて、水で手足と頭、顔を洗い、吐き気で水が飲めないので、冷凍室にあった保冷剤と冷えたペットボトルで頭と顔、わきを冷やし、寝転んでいると、30分ぐらいで落ち着いてきました。そこで、スマホで熱中症の症状を調べると、やはり「これはまさかの熱中症だ」と自覚しました。

友人に電話をすると、「病院へ行って!」と叫ばれたので、近くの内科へ行くと点滴治療となりました。

ビールは脱水症状をまねく。吐いたら病院へ!

<正木医師のアドバイス>

・熱中症では水分補給が急務になりますが、吐き気やおう吐があった場合は、水分がとれないので、その後安静にして改善したとしても、必ず医療機関を受診してください。水分が取れずに、汗とおう吐で脱水症状を起こしていますから、点滴が必要です。

・屋内や自宅でも熱中症になる人は多いのですが、とくに、マンションの上層階は熱がこもりやすくて低層階より気温は高くなります。木造の家でも、1階より2階のほうが暑いので就寝は1階でと推奨されているほどです。猛暑のときは、風が通るといっても8階なら熱風でしょうから、冷房をつけないと室温はぐんぐん上がり、それにつれて体温が上昇するため、危険です。

・「暑さに慣れた」という感覚も危険です。35度を超える猛暑日や熱帯夜の気温に体が順応するとは考えにくく、高温から身を守るためには、冷房、扇風機、通気性がいい衣服は必須です。

・ビールは水分補給にはなりません。「水を飲むとビールがおいしくなくなる」と言って、お風呂上がりのビールを楽しみに水分補給をせずにお風呂に入る人がいますが、これはとても危険な行為です。お風呂で発汗し、ビールは利用作用があるので、水分補給どころか、水分を尿として排出し、脱水症状をまねくおそれがあります。適切な水分と塩分のドリンク(1ℓの水に 1~2gの食塩を加えた0.1~0.2%の濃度の食塩水。市販の経口補水液など)を補給してください。

・バスルームや洗面所、トイレなどは水を扱う場所なので湿度が高く、通気性も低いので、冷房をつけていないと、高温多湿になります。そこで掃除をすると、激しい運動をしているのと同じ状況になるでしょう。冷房を利用したうえで、朝や夜など少しでも涼しい時間帯に行いましょう。

・めまい、立ちくらみ、疲労感、倦怠感、吐き気、おう吐は、熱中症の初期症状で、「熱失神」と呼ばれる段階です。まだ体温の上昇に気づかないかもしれませんが、めまいだけが起こることは少なく、ほかの症状があれば日ごろのめまいとは違うと察し、熱中症を疑ってすぐに対処しましょう。

・「この年でまさかの熱中症?」と思われたそうですが、熱中症が子どもや高齢者に多いのは、体力や体型、体調が影響するからです。若い世代であっても、体力が弱い、無理なダイエットをしていて栄養バランスが悪い、ストレスフルだ、睡眠不足だ、お酒を飲みすぎたなどであれば、当然、発症の確率は高まります。救急車で運ばれるまではいかない症状の方は、年代を問わずに毎日受診に来られます。

・すぐに冷房をつけて、保冷剤や冷えたペットボトルで体を冷やしたのは適切な方法です。めまいや立ちくらみ、吐き気がして熱中症かも、と思った場合はすぐに涼しい場所に移り、衣服をゆるめて体を冷やしてください。意識がしっかりしていて、歩くことができて、さらに自分で水が飲めるようなら、しばらく安静にしてから、医療機関を受診しましょう。

・もし、ひとり暮らしで意識がもうろうとしてきた場合は、迷わずに、すぐに救急車を呼んでください。意識を失うと、命に関わります。外出先で誰かがそういう症状になっているときも同様にしましょう。

正木医師は、この例に関わらず、「熱中症は回復後も、1・2週間の不調が続くことがあります」と話し、こうアドバイスを加えます。

「初期症状の場合は、点滴をすればたいていよくなりますが、治療後も、2・3日は安静を保ってください。病院から帰ってまた暑い部屋で寝たり、仕事で残業や、スポーツ、アウトドアレジャーをしたりなどと日常よりハードな作業をすると、頭痛がする、吐き気がする、吐く、倦怠感がひどいなど、予想以上につらい症状が現れる可能性は高いのです」

ひとり暮らしで節約するのは立派ですが、日本の猛暑の最中ではもはや、冷房なしでは病気を発症する可能性が高いと認識する必要があるようです。いつもの不調との違いにも注意し、ひとり暮らしの場合はとくに、早めの行動を心がけたいものです。

次回、「意識もうろう、救急車で搬送された女性の熱中症体験談に臨床内科専門医がアドバイス」をご紹介します。

(取材・文 品川 緑 / ユンブル)

情報元リンク: ウートピ
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