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まさかの糖尿病予備群と言われた…何が怖いかを専門医に聞く

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「糖尿病予備群と健康診断で言われてしまいました。どうすればいいのか…」という読者のお悩みの声が複数届いています。そこで、糖尿病専門医・臨床内科専門医で、『糖尿病は自分で治す!』(集英社)など多くの著書がある福田正博医師に、糖尿病の実態や自分でできるケアについて連載でお尋ねしています。これまでの内容は文末の一覧からリンク先の記事を参考にしてください。

今回・第11回は、読者(42歳・女性・会社員)から届いた、「予備群だと告げられたとき、ドクターから、『糖尿病は中等度以上にならないと痛くもかゆくもない病気です。だから怖い』とも言われました。具体的に何が怖いのでしょうか」との質問について、福田医師に聞いてみました。

糖尿病専門医の福田正博先生

糖尿病専門医の福田正博先生

症状が現れたときには

——糖尿病の怖い点について、具体的に教えてください。

福田医師:糖尿病が苦痛をもたらす要因はいくつもありますが、まずはそのドクターが指摘するように、予備群や初期、中等度ぐらいのうちは何の症状も現れないので、自覚ができないことにあると言えます。

例えば、歯が痛い、腰痛がひどい、じんましんが出た、どこかが腫(は)れるなどの症状があれば、「あ、どこか悪いな」と気づいて医療機関を受診するでしょう。ところが糖尿病はそうしたつらい異変がなかなか現れず、現れたときにはすでに重症である場合が多いのです。

——では、「健康診断で糖尿病予備群だと言われたけれど、痛くもかゆくもないので受診はまたそのうち…」と放っておいたらどうなるのでしょうか。

福田医師:無自覚のまま治療をしないと糖尿病が進み、数年後には「手や足がしびれる」、「目がかすむ」、「異様にトイレが近い」、「尿が出ない」といった症状が現れはじめます。やがてその症状がどんどん悪化し、このあと紹介するように命に関わることもあります。また、高血糖が続くことによる急性の発作では、激しいのどの渇きやだるさ、脱水、意識障害といった危険な状態になる場合もあります。

糖尿病の三大合併症は「神経」「目」「腎臓」

——無自覚のままに糖尿病が進むということですが、体では何が起こっているのでしょうか。

福田医師:これまでにお話ししてきたように、「糖尿病とは、血液中のブドウ糖の濃度を示す血糖値が慢性的に上昇している状態」です。血液中に必要以上のブドウ糖があふれているということであり、この高血糖状態が続くとじわじわと全身の大小の血管や臓器の細胞を傷つけていきます。やがて、次のような「糖尿病の合併症」と言われる症状に見舞われるようになります。

・神経障害……手足が冷たい・しびれる。手足の感覚がなくなる。足に壊疽(えそ)が生じる。切断にいたる可能性もある。
・網膜症……目がかすむ。ものがにじんで見える。失明する可能性もある。
・腎症(腎臓の障害)……尿が出ない。尿にタンパクが出る。人工透析の可能性もある。
・動脈硬化……血管がボロボロになる。進行すると心筋梗塞(こうそく)や狭心症といった虚血性心疾患、脳卒中の中でもとくに脳梗塞の可能性が高まる。
・認知症、うつ病、がん、歯周病を発症する可能性がある。

このうち、神経障害、網膜症、腎症を「糖尿病の三大合併症」と呼びます。「しめじ」と覚えます。「し…神経障害」「め…網膜症」「じ…腎症」です。これらは、太い動脈血管だけではなく細い動脈や毛細血管も血糖によってダメージを受けて「細小血管障害」と呼ぶ糖尿病独特の症状が原因となります。

210217_合併症

自覚症状は発症してから約3年後

——本当に怖いことばかりです。そうした合併症の症状はいつごろから現れるのですか。またいっせいに現れるのですか。

福田医師:三大合併症が現れる時期やその程度は個人差が大きいのですが、比較的自覚が早いのは、目がかすむ網膜症と、手足がしびれる神経障害です。早ければ、糖尿病を発症してから3年ぐらいで自覚するでしょう。

——早くても3年ですか。ということはその間は痛くもかゆくもないうちに高血糖の状態が続いていたということですね。もっと時間が経つとすべての症状が現れるのでしょうか。

福田医師:自覚まで5年以上という人もいます。また、血管は全身にはりめぐらされているので、ひとつの部位だけでおさまらず、3つの合併症とも発症する例も多くあります。

——そうすると、健康診断や人間ドックで「糖尿病予備群です」と指摘されることは早期発見につながりますね。

福田医師:そうです。「医療機関を受診してください」と指導されるので、いち早く受診をしてほしいのです。「早く発見ができてよかった」ととらえましょう。その点が糖尿病治療のコツのひとつです。

糖尿病の予備群や初期のうちはどこも痛くもないので、「わたしが糖尿病? ピンとこないなあ」と思い込んで放置しておく人も多いのです。これが後に危険な状態をまねくことになります。

予備群の間は薬の処方はなしで、食事、睡眠、運動、禁煙など生活習慣の見直しによるセルフケア法を指導します。どこも痛くないうちに、医師の指導のもとで血糖をコントロールしていきましょう。

聞き手によるまとめ

糖尿病は早期発見早期治療に限るとよく聞きますが、その理由がわかりました。予備群や初期ではどこも痛くもかゆくもないこと、だからといって放置すると、数年後に予想よりもはるかに怖い事態になりかねないということです。健康診断で予備群と言われたら、すぐに受診をして生活習慣の見直しのきっかけとしたいものです。

次回・第12回は、糖尿病の合併症のひとつ、「神経障害」について詳しく見ていきます。

(構成・取材・文 藤井 空 / ユンブル)

情報元リンク: ウートピ
まさかの糖尿病予備群と言われた…何が怖いかを専門医に聞く

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