【今週のボヤき】
隣の部署の先輩が仕事を抱え込む人で、時々仕事で関わらなければいけない時に困っています。彼女は全部自分でやらないと気が済まないタチらしく、とにかくギリギリまで情報が回ってきません。メールを送っても返信はなく、仕事の進捗(しんちょく)をメールで確認することもできません。
彼女が長期で会社を休んだ時は彼女しか分からないことばかりで仕事がストップしてしまい、彼女のアシスタント(「巫女(みこ)」と私は呼んでいます)たちも各部署から「どうなってるの?」と文句を言われて大変そうでした。
とはいえ私も待ってばかりもいられないので、こちらから神さま…いや、彼女の元に出向いて口頭でいろいろ確認するのですが、時々「口頭でやりとりしなければいけない教義でもあるのかな」と思います。せめて、進捗が分かるようにメールでやりとりをオープンにするとか、業務を透明化してほしいのですが、私よりも10歳も年上の人にそんなこと言ったら「私の仕事のやり方に文句あるの?!」とキレて“祟(たた)り”が起こりそうだし、たまに関わる程度なら我慢しようかなと迷っています。
「自分にしかできない仕事」に憧れている人は多いけど…
「自分にしかできない仕事」というものに憧れを抱いている人は多いと思います。
自分にしかできないわけですから必然と価値も上がるし、周りからも必要とされるし、気分がいいのは何となく理解できます。
簡単な仕事でも技術や情報をシェアしなければ「自分にしかできない仕事」の出来上がり。
そうやって彼ら彼女らは秘密主義で仕事を独占して相対的な価値を高めているわけですね。
でも、それをやってしまうと今度は「自分がどんな仕事をしているのか」その内実がバレてしまうのが怖くなってしまう。
価値のある仕事に見せかけた手前、実はそんなに大した仕事でもないということが周りに知られてしまうのが怖くなってしまうんです。
そうなるとさらに秘密主義に拍車が掛かってしまい、周りに迷惑が掛かってしまうほどの「何をしているのかさっぱり分からない人」になってしまうんですよ。
それに人というのは弱いもので、それが自分にしかできない仕事だとズルをしたい放題になってしまいます。
ミスを隠蔽(いんぺい)したり、それを違う誰かのせいに工作したり、結果を出すためにタブーなことをしていたり、ひどいケースだと横領をしていたり、誰も知らないのをいいことにやりたい放題、ますます自分の仕事を白日の下に晒(さら)せないものにしてしまうわけです。
だから「自分にしかできない仕事」をしている人が仕事を辞めると、「なんじゃこりゃ!?」と目を疑うようなお粗末な内実が出てきたりするんですよ。
「自分にしかできない仕事」をしてはいけない理由
自分にしかできない仕事はしないのが仕事の鉄則。
それが自分にしかできない仕事ならば、自分の代わりになる人材を育てるのが仕事です。
そのために技術や情報をシェアして風通しの良い環境をつくる必要があるということですね。
自分にしかできない仕事をしていると人はいずれ自爆します。
その人はおそらく自らがつくった秘密に圧迫されて苦しんでいるでしょう。
助けてほしいけど助けを求められないという葛藤、そして周りは助けてあげたいけど何を助けてあげればいいのかも分からないという葛藤。
その人のためにも、そして周りの人のためにも、一刻も早く仕事環境を改善して、業務を透明化する必要があります。
そのためには権力のある人を巻き込んで話し合いの場についてもらうしか方法はないですけどね。
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情報元リンク: ウートピ
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