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つらいときはみんな等しくつらくなきゃいけない? 『平熱のまま、この世界に熱狂したい』

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宮崎智之さんの新刊『平熱のまま、この世界に熱狂したい 「弱さ」を受け入れる日常革命』(幻冬舎)の出版記念イベントが2月5日に下北沢B&Bで開催され、オンライン配信されました。

トークテーマは「平熱のままクリエイティブである方法」。ゲストに、映画監督の今泉力哉さん、モデルの長井短さんを迎え、司会を同書の担当編集者である幻冬舎の竹村優子さんが務めました。イベントの様子を編集してお届けします。

初対面のゲストを迎えて…

宮崎:(無観客の会場を見渡して)すごく不思議な雰囲気で始まりました。実は僕、今泉さんとも長井さんとも初対面なんです。これまでおふたりの仕事は拝見していたし、お会いできそうな機会もあったものの逃してしまっていて。

竹村:今泉さんには『平熱のまま、この世界に熱狂したい』の帯にコメントを寄せていただき、長井さんには本書についての書評エッセイを「幻冬舎plus」というウェブサイトに寄稿していただきました。宮崎さんがおっしゃったように、面識がなかったので、原稿だけが判断材料になります。お返事をいただくまでドキドキしました。

宮崎:本当に。引き受けていただけてうれしかったです。

竹村:今泉さんは、「常日頃考えている、弱さや優しさについて、こんな風に言語化できるのかと心がざわめいた。そのままで、猫背のままで、と言われた気がした」と帯に書いてくださいました。

今泉:そうですね。本を読んで「そのままでいい」と言われた気がしたり、意外と「そのままでいい」が圧になったりするのかもしれないな、というようなことを考えました。たとえば、前半に出てくる対等をテーマにした話。「対等」ってだいたい通じるかもしれないけれど、ちょっとクエスチョンが浮かぶときもありますよね。そのようなものが言語化されていて。書かれていることが全ての正解ではなくても、いろんな思いが言葉になっていたなと思ったので、このような帯にしました。

余裕がある人が助けてあげる世界

宮崎:今泉監督がおっしゃってくださったのは、本の初めのほうに出てくる、「ゼロを作る理論」のことですね。僕が勝手に作った理論なのですが、何かというと日本人って……、「日本人」という大きな主語を無自覚に使うこと自体に違和感がありますけど、なんとなく社会って「つらいときはみんなつらくなきゃいけない」というような圧力があると感じていて。そうなると余裕がある人、自分は大丈夫だよっていう人が手を挙げにくくなってしまう。むしろ手をあげることでバッシングされたりしてしまう。それっておかしいんじゃないかと。

日常生活の中でも同じで、僕は余裕があるときは人を助けたいし、「ゼロを作る理論」ではないですが、自分が元気なときならば、買い物袋をすべて持って相手のストレスをゼロにするくらいのことはするかもしれません。そのぶん、逆に僕がダメなときは遠慮なく頼りたい。偽善といえば偽善なんですけど。でもそれでもいいんじゃないかと思っているんです。

誰かに親切にするときには、そういう打算も含めてあるということ。それはトレードオフというか、自分に余裕があるときには助けることができるという前提でいいんじゃないかな。

無理に等しくしようとするから歪みが生まれる

今泉:できる人がやるといいですよね。料理とかでも。毎日のように1日おきに平等に交代とかじゃなく。そこにすごい差が起きなければいいのかなという気がします。人によって得意なことも違ったりするので。

宮崎:それって別に性差の話ではなく、一人ひとりの個性の差の部分が大きいですよね。

今泉:撮影の現場などで、女性のスタッフが重い荷物を持っているときに、持ってあげるのは良くないことだという話が出ることがあって。「それは女として見ているからだ!」とかって言われるんですけど。でもそれは、力がある人が持ったほうが良くない? とか、高いところにあるものを取るときにも、それは背が高い人がやったらよくない? みたいな。

宮崎:そうですね。女性のほうが体力がある場合もありますし。

今泉:そうですそうです。何が優しさなんだろうと思ってしまう。ベースに優しさとか、配慮があれば、それは男女の役割は関係ないことだなとわかったりすると思うんですけど。でも外側で切り取って、“女性”の荷物を“男性”が持とうとしたという言葉だけを見たら、「女性だからって軽く見ないでください。自分でやれますよ!」となったりする。現場の関係性では何も問題なかったのに……みたいなことが起きたりするんですよね。

自己肯定感アゲ祭に疲れたあなたへ

竹村:長井さんには「幻冬舎plus」に、本の感想エッセイをご寄稿いただきました。「自己愛増強剤のドーピング熱に浮かされた私に必要だった本」とタイトルをつけて。

長井:すごいタイトルですよね。

竹村:私がつけました(笑)。

長井:いつからか「自分を好きでいようよ」とか、自己肯定感!自己肯定感!みたいな祭が始まったじゃないですか。

宮崎:今もまさにその真っ最中ですよね(笑)。

長井:最初は良さそうな祭じゃんとか思って、顔を出したりしたんですけど……。でもなんかちょっと……疲れちゃうというか。「私はあるがままの私を愛する」というのが、本当に向き合うべきことから目をそらすための口実として使われているような気がしたんです。

自己愛が逆に言い訳になってしまっている感じがしてモヤモヤしていたんですけど。でも、もう「自己愛増強剤」を打っちゃっているので……。

自己愛の薬が体内に巡っているので、私の体温はすごく高くなっている感じがして。だけど宮崎さんの本を読んだとき、ただ宮崎さんが今楽しそうだなとか、今寂しそうだなということが、淡々と伝わってきたんです。こうしたほうがいいとかっていうアドバイスはないんですけど、このくらいの情報量でいいじゃんという気持ちになりましたね。

後編は4月21日(水)公開予定です。
(構成:安次富陽子)

■information

今泉力哉監督の映画『街の上で』が4月9日に公開されました。新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開。

恋愛メディア「AM」での人気連載をまとめた長井短さんのエッセイ集『内緒にしといて』(晶文社)が発売中。

情報元リンク: ウートピ
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