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そのうがい、間違いかも? 耳鼻咽喉科専門医が教える、大人のための適切な方法

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のどが痛みはじめた、イガイガする、口の中がやたら渇く…、秋冬は風邪やインフルエンザ、肺炎の予防に、春は花粉症の対策にと、毎日のようにうがいをする人は多いでしょう。ただし、「うがいのしかた次第では、なんの効用もないことや、間違った方法を続けて逆にのどを傷めて来院される方もいます」と、耳鼻咽喉科専門医でとおやま耳鼻咽喉科(大阪市都島区)の遠山祐司院長は指摘します。

そこで、NGなことや、効率的なうがい法について聞いてみました。

本記事は、「のどの痛みの原因と適切なうがい法」として連載をしています。これまでの次の記事もぜひ参考にしてください。

【第1回】「のどが痛い」の正体は? ウイルスや細菌の侵入を知らせる非常ベル
【第2回】のどの炎症が悪化すると肺炎をまねく…専門医が教えるのど痛の種類

殺菌系のうがい薬を使いすぎてはいけない

うがいの適切な方法を考えるにあたり、遠山医師はまず、「うがいの目的を明確にしましょう。インフルエンザや風邪、肺炎の予防には、口の中とのどの殺菌、消毒、消炎、鎮痛でしょう。ただその前に、保湿という目的が重要になります。のどが潤っていてこそ、それらの作用がはたらくからです。そして、のどの潤いのためには、唾液の作用がポイントになります。

唾液の作用を促すためにうがいをする、と考えてください。そのためにまず、『してはいけないうがい法』を紹介しておきます」と話し、次のNG項目を挙げます。

(1)殺菌系のうがい薬でのうがいのしすぎ
大人の患者さんに多いケースでは、ヨード系で殺菌・消毒作用があるうがい薬で何度もうがいをくり返して、かえってのどを傷めることがあります。殺菌効果が強すぎて常在細菌叢にまで影響し、潤いも奪われて、第1回でお話しした「のどの防御機能」が低下するわけです。

また、唾液には、口の中を殺菌・抗菌・洗浄する働きがありますが、ヨード系のうがい薬を使いすぎると、唾液のそれらの機能をも低下させます。
さらに、第1回の記事で、のどや鼻の粘膜には「線毛」という微細な毛がすき間なく生えていて、線毛運動を行っていると伝えました。これには唾液などの粘液を流す役割があります。うがいをしすぎると、この粘液が流されて線毛が脱落する可能性もあります。

ヨード系のうがい薬は病院で処方される薬でも市販の薬でも、「イソジンうがい薬」、「ポピドンうがい薬」などがあり、濃い茶色をしています。主成分に「ポピドンヨード」が含まれるタイプです。のどと口の中の殺菌効果は高いものの、刺激が強い一面があることを知っておきましょう。

もうひとつ、医療機関でよく処方されるうがい薬に、「アズノールうがい薬」があります。主成分は「アズレンスルホン酸ナトリウム」で、青色をしています。こちらは抗炎症剤で、のどの痛みはじめなど炎症が起こっているときに用います。市販では「水溶性アズレンうがい薬」、「浅田飴AZうがい薬」、「パブロンうがい薬AZ」などがあります。ヨード系にくらべて刺激が少なく、副作用もほとんどないとされています。自分でうがい薬を選ぶ場合はこちらが良いでしょう。

(2)いきなり、ガラガラとのどのうがいをする
口の中には細菌やウイルス、食べかす、ほこり、ちりなどが混在しています。うがいをしようと最初からのどをガラガラとゆすぐとそれらの汚れがのどに付着しかねません。後述する「適切な方法」の(1)を参照にしてください。

(3)上向きだけのうがいをしている
上を向いてガラガラとうがいをする人は多いと思いますが、その場合、のどの中央しか洗えていません。実は左右の頬粘膜や、歯ぐきと頬の間にウイルスや細菌が付着している可能性は高いのです。上向き→右上向き→左上向きと順に丁寧にうがいをしましょう。

(4)口に水を含むだけですぐ吐き出す
口の中の洗浄、潤いのためには、丁寧にすすがないと洗浄はできません。(2)の方向ごとに、約5~10秒ずつのうがいをして、全部で15~30秒ほどは行いましょう。息が続かない場合は吐き出してから、数回に分けて行ってください。

(5)口いっぱいに水を含む
うがいをした気分になるといって、水を大量に口に含む人がいます。この場合は、上を向いたときに口を開けることができず、ガラガラと言いながらのどの奥のほうまでうがいをすることができません。口の中でぐちゅぐちゅと水を流すこともできないので、洗浄になりません。

(6)手洗い前の手で水をすくって口に含む
感染症予防の第一の方法は「丁寧な手洗い」です。外出から戻って十分に洗っていない手で水をすくってうがいをする人は案外、多いのです。そうした場合、外で手に付着したウイルスや細菌を口に入れることになり、感染しかねません。

専門医が教える「大人のための適切なうがい法」

では次に、適切なうがいの方法を遠山医師に教えてもらいましょう。「うがいは、口の中とのどを分けて、丁寧に行ってください」と遠山医師。

(1)コップに注いだぬるま湯か水を、口の中の3分の1~半分ほど含みます。まずは食べかすなど口の汚れを取り除くイメージで、強めに縦に5~10回、横に5~10回ほどすすいでから吐き出します。頬と歯ぐきの間、あごの天井、舌周囲など口の中全体を洗うイメージで、1・2回行います。

(2)コップに注いだ(1)と同量の水かぬるま湯、または、うがい薬を薄めた水かぬるま湯(量は説明書のとおりにする)を口に含みます。まずは上を向いてガラガラ、次にやや右上に向いてガラガラ、さらにやや左上を向いてガラガラと、各方向に5~10秒ほどうがいをして、そっと吐き出します。

(3)水かぬるま湯の場合は、(2)をもう一度繰り返します。うがい薬を使うときは説明書に従ってください。

(4)コップを洗います。とくに口がついた部分は唾液が付着しています。コップも常に清潔に保ちましょう。

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のど痛の予防には、常に口の中とのどを保湿する

ここで遠山医師は、のどの痛みの予防法について、こうアドバイスを加えます。

「のどに炎症を起こさないためには、ウイルスや細菌の侵入を防ぐことです。自分でできる方法として、口の中とのどは常に潤しておきましょう。5~10分ごとに水を飲む、外出から戻ったらうがいをする、ガムやのど飴で唾液を促す、加湿器を活用する、屋内でもマスクをするなどでのどを保湿できます。

冬は屋内でもマフラーやネックウォーマーでのどを保護してください。それに胸の上のほうや背中の上の方の肺のあたりにカイロを貼って温めることも有用です。

鏡と懐中電灯などでのどの奥まで見て赤味が強く、1~3日でだんだんと痛みが増してきたときは、インフルエンザや風邪が悪化しているかもしれません。早めに耳鼻咽喉科か内科を受診してください」

適切なうがい法のポイントは、うがい薬はその働きを確認して適度に使うこと、うがいは口を先にすすいでから、次にのどの中央と左右の方向に分けて丁寧に行おうということです。実践あるのみです。

(構成・取材・文 海野愛子/ユンブル)

情報元リンク: ウートピ
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