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『成功者K』で自分の顔写真を使ったのはなぜ?【山崎ナオコーラ・羽田圭介】

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7月6日、東京堂書店(東京都神保町)にて山崎ナオコーラさんの新刊『ブスの自信の持ち方』(誠文堂新光社)の先行発売を記念したトークイベントが開催されました。

対談のお相手は、山崎さんのデビュー当時から15年以上交流があるという、作家の羽田圭介さんです。「『顔』を出しながら作家活動をすること」をテーマに、写真を撮られることへの想いや、なぜ顔を出すのかについて語り合いました。

ウートピではその一部を編集し、3回にわたってお届けします。今回は、羽田さんがテレビやメディアに出演する理由やなぜ本を売りたいと思うのかについてトークが展開されました。

手作りのクッキーを持参した羽田さん

手作りのクッキーを持参した羽田さん

テレビやメディアに幻想を抱いていた

山崎:羽田さんがテレビに出るのは、販促活動のためですか?

羽田:今は違いますね。出始めの頃、芥川賞を取る前は「芸能人が本を紹介してくれれば売れるだろう」とテレビやメディアに幻想を抱いていました。映画化・ドラマ化されるか、芸能人のお墨付きをもらうか、大きな賞を取るか。本が売れる要素ってその3つくらいかなと思っていたんですよ。でも、決定打がよくわからないんですよね。

実際、芥川賞の受賞と、テレビ出演が同時期だったので『スクラップ・アンド・ビルド』(文藝春秋)はそれなりに売れたのですが、期待が外れることもままあって。テレビの宣伝効果ってそんなにないと気づきました。

山崎:そうなんですね。

羽田:それまでメディアに出ていない人が出たら話題になりやすいとは思います。けれど、よく見る人が出て来て少し本の宣伝をしても、その本について真面目に話をしないと効果がないです。なので、テレビに出るのは販促活動よりも、僕が主観的に現場で何を感じるか体験するため。取材と気分転換ですね。あくまでも自分から見える世界を見たいだけなので、視聴者にどう見られるかはあまり気にしていないです。

自分の顔を表紙にはしたくなかった

『成功者K』

『成功者K』

羽田:ナオコーラさんは顔写真をイラストにしていた時期がありましたよね。その方法いいなと思いました。

山崎:でも羽田さんは自分の顔を表紙に……。

羽田:『成功者K』(河出書房新社)ですよね。あれは、編集者の方が……。今更こんなことを言うのは何ですが、僕は顔を出したくなかったんですよ。あんなにデカデカとした顔写真使うなんて、頭おかしいじゃないですか(笑)。それに僕は自分の顔が恥ずかしいとか、自信のあるなしの自意識とは関係なく、顔を覚えられたくないという気持ちがあるんです。

山崎:でも顔を覚えてもらって本を売ろうとしているのでは?

羽田:小説の中ではそんなふうに書きました。でも、理想を言えばテレビ出演をするときだって何か被って出たいんですよ。紙袋でもいい。それくらい顔を覚えられたくない。でも、出版不況の今日、出版社の人たちもどうやれば本をより多く買ってもらえるかがわからない。だから販促のPOPや帯等に、とりあえず著者の顔写真を使いたくなってしまうみたいで……。『成功者K』のあとに新刊を出す際も、顔写真の使用を打診されましたね。

山崎:どうするんですか?

羽田:その時は「僕の顔は一切出さないです」と言いました。作者が小説の邪魔をしたくないから、そんな写真は使いたくないです、と。

山崎:でも『ポルシェ太郎』(河出書房新社)では本の帯に本人写真を使っていますよね。それはどうして?

羽田:出版社の戦略に任せてみました。出版社の人たちは会議で考えるわけです。その分析の結果と対策として、「帯に写真を使いましょう」と求められたら、仕方ないな、と。何が効果的かなんて誰にもわからないけど、数人以上で話しあってそう結論づけられたなら、従うしかないですよ。

『ポルシェ太郎』の帯

『ポルシェ太郎』の帯

稼ぎだけではない、本を売りたい理由

山崎:本を売りたいと思うのはなぜなのですか? 

羽田:えっ、売りたくないですか?

山崎:売りたいです。ただ、少部数の出版にも意義があるとは思っています。多様性を肯定するためには、売れる本だけでなく少部数の本も必要です。それに、出版社にとっても、すぐに利益に繋がらなくても企業イメージを上げる本にはなっているかもしれない。でも、まあ売れるにこしたことはないですよね。それにしても、羽田さんが売ることまで考えるのは、お金だけじゃない、何かを求めて、どこかに向かっているのかな、って。

羽田:ああ、なるほど。本を読んでもらいたいからですね。もはや自分の稼ぎのためではないです。

山崎:何万部売れると読まれたと思いますか?

羽田:5万部以上ですね。出版までにかかる、原稿料や出版社の皆さんの人件費や経費、印刷代なんかを考えると、実売で3、4万部売れないとペイできないんじゃないかなと思っていて。だから、確実にみんなに利益を出すには5万部くらい売る必要があると考えているんです。

山崎:みんなというのは?

羽田:出版社も込みで。自分の食い扶持のためだけなら、別に出版社に赤字を出してもらってもいいのかもしれないけれど……。ただそれだと、作家が慈善事業で食わせてもらっている感じがするというか。本を出してもらってすみません、みたいな。そう思わなくてすむひとつの指標が5万部。そのラインに到達するのも簡単ではないのですが。

山崎:羽田さんはそういうところまですごく考えている、ということですね。

山崎ナオコーラさん

山崎ナオコーラさん

最終回は7月18日(木)公開予定です。
(構成:安次富陽子)

ブスの自信の持ち方』は7月10日発売。ウートピでは山崎ナオコーラさんのインタビュー記事も近日公開予定です。お楽しみに!

情報元リンク: ウートピ
『成功者K』で自分の顔写真を使ったのはなぜ?【山崎ナオコーラ・羽田圭介】

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