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「1歳だったらもう歩くよね?」子育てママが密かにモヤる言葉【アルテイシア】

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ひがみ、ねたみ、そねみなのか、無邪気なのか。アドバイスかクソバイスか……。私たちをモヤっとさせる言葉を収集する「モヤる言葉図鑑」。

作家のアルテイシアさんと一緒に「モヤる言葉」を観察していきます。今回は子育て中に遭遇しがちなモヤる言葉です。

2億円、あげたい

「このヘルジャパンで子育てするのがムリゲーすぎる……」。

そういって血反吐を吐きながら子育てする友人の話を聞くたび「2億円あげたい、持ってないけど」と思う。2億円は持ってないけど、当事者の声を聞いて気持ちに寄り添うことはできるだろう。

産後のママたちは満身創痍の状態なのに、金田一の犯人よりやることが多い。育児は24時間休みナシで、かつ相手はナマモノである。「赤ん坊が死んだらどうしよう……と不安と恐怖で追いつめられた」と経験者は語る。

産後は体力的にも精神的にも追いつめられて、そのうえホルモンバランスも乱れまくって、産後うつになる女性も珍しくない。

「私も産後うつになってつらかった。でも不妊治療の末に授かったこともあって、周りにグチを言えなかった。自分が望んで産んだんでしょ?と責められる気がして」と友人の1人が語っていた。

自分が望もうがなんだろうが、つらいものはつらい。たとえばどんなに好きな仕事でも、激務はつらい。それに仕事はある程度コントロール可能だが、育児はコントロール不可能だ。

クライアントが泣きやまないとか、企画書をビリビリに破くことはまずないが、「赤子が一晩中泣きやまない」「手作りの離乳食を1秒で引っくり返された」等はあるあるだ。

「仕事より育児の方が100倍つらい……」と青息吐息の友人たちには「2億円は持ってないけど、グチならナンボでも聞くからね」と伝えている。安心してグチを吐ける場所があるだけでも、人は救われると思うから。

ちょっとした言葉だけれども…

心身ともに追いつめられた状況だと、他人のちょっとした言葉にもダメージを受けるもの。

「子どもの発達に不安を感じている時に、もうしゃべるの? もう歩くの? と聞かれるのがつらかった」。

そんな声がママたちから寄せられた。私も子どもについて聞かれると嬉しいかな?と思ってこの手の質問をしていたが、今は「食べ物/オモチャは何が好き?」など、好みについて聞くようにしている。

「子持ちの私もやっちゃいました……」と男児を育てる友人は振り返る。知り合いの赤ちゃんに「やっぱり女の子は小さくてかわいいね~」と言ったら「これでも大きくなったんだけどね……」と暗い顔をされたそうだ。

「SNSで同じ月齢の子がしゃべったとか歩いたとか見ると、うちの子は発達に問題があるのかも……と不安になる。比べたくないのに、どうしても比べてしまう」

そんな声がママたちから寄せられる。我が子の発達を心配するのは愛情ゆえで、自然な感情だろう。ただ、何かと比較されがちな風潮が過剰なプレッシャーを与えているんじゃないか。

無意識にしてしまいがちな比較

ドイツで子育て中の友人は、日本人の実母から「まだしゃべらないの?歩かないの?」とやいやい言われて「そうやって比べるのは日本だけだよ!」とバチギレていた。

ドイツでは「子どもの成長のペースは人それぞれで、早ければいいものじゃない」というのが常識だそうだ。

スウェーデンで子育て中の友人も「スウェーデンでは子どもを比べてはいけないというのが常識で『○○ちゃんはできるのに』みたいな発言も絶対しない』と話していた。

日本の子どもの自己肯定感は諸外国に比べて低いというデータがある。私も双子の弟と比べられて「弟くんはハンサムね!お姉ちゃんはよく肥えて丈夫そう」と言われまくったことを、未だに根に持っている。

かくいう自分も「ナントカちゃんちの子どもはもうバリバリしゃべるんだって!すごいね~」とか無邪気に発言していたことを反省している。

また、かつての私はルッキズムに対する意識もガバガバだった。友達の赤ちゃんを見て「美人」「イケメン」とか褒めるつもりで言ってたことを反省して、今は「マーベラス」「天使」「尊い」と言うようにしている。パンダもヤギも人間も、赤ちゃんはみんな天使のようにかわいいのだから。

また「パパとママどっちに似てるの?」と聞くのもやめることにした。世の中には多様な家族の形があって、両親が生物学上の親とは限らないから。

テンプレでしていた発言を控えることで、無意識に誰かを傷つけずにすむ。それがみんなが暮らしやすい社会につながるんじゃないか。

知らない人から「靴下!」

その他、子育て当事者からはこんな声が寄せられた。

「母乳?ミルク?と産後にやたら聞かれた。やっぱり母乳が一番よね!という言葉にプレッシャーを感じた」

母乳信仰を押しつける勢も滅亡してほしい。「そろそろ卒乳した方がいいんじゃない?」なども余計なお世話のクソバイスだ。

私も赤ちゃん連れの友人と歩いていた時、通りすがりのご婦人に「靴下を履かせなさい!」と怒られてギョッとした。「え、知り合い?」と友人に聞くと「赤の他人、ああいう人多いんだよね……」とげんなりしていた。

私自身もうっかりクソバイスをしないために「求められない限り、アドバイスはしない」とべからず帖に刻んでいる。

子育てする女は幸せなはず、という思い込み

「育児で疲弊している最中に夫から『いつか幸せな思い出になるよ』とか言われると、今がしんどいねん!と暴れたくなる」

「育休中、夫に『一日中子どもといられて幸せでしょ』と言われたことは一生許さない」

「幸せでしょ」とか言うてる暇があったら、おまえも子どもの世話をしろ。妻が子どもと離れて1人になれる時間を作らんかい、と子ナシの私も腹が立つ。

「子育てする女は幸せなはず」という押しつけによって、グチや悩みを話せないママもいるだろう。

また「子育ては女の仕事」「母親は子どものために犠牲になるべき」というジェンダーの呪いに苦しむ女性も多い。

新刊『モヤる言葉、ヤバイ人』に書いたが、シングルマザーの友人は行政の育児相談窓口の担当者から「1人の時間がないのは当たり前、今は自分を犠牲にして我慢するべき、1人で育てると決めたなら頑張らなきゃ」とクソ説教をかまされたという。

もし相手がシングルファーザーだったら、同じ説教をするだろうか?「1人で子育てして大変ですね」と労いの言葉をかけるんじゃないか。

たとえば、シングルマザーが恋愛すると「子どもをないがしろにして」と責められて、シングルファーザーは「早く嫁さんもらえよ」とクソバイスをされる。

そんなのはもう終わりにしようじゃないか令和。

私が一方的な遠慮をやめた理由

男も女もみんなが子育てしやすい社会、産みたい人が好きなだけ産めて、産みたくない人が責められない社会にするべきじゃないか。

ヘルジャパンには「子持ちVS子ナシ」と対立を煽る構図があるが、私は「その手に乗ってたまるかよ!ブオオーッ」と法螺貝を吹いている。

女同士を連帯させたくない、その方が男社会にとって都合がいいから。そう目論む連中は、でんでん太鼓でぶん殴って乳母車で轢いてやりたい。

ちなみにアラサーの子育てママに「オフ会には乳母車で参加する?」と聞いたら「乳母車って言葉、ひさしぶりに聞きました!」と言われた。

私が主催する「アルテイシアの大人の女子校」のオフ会は、子連れ参加もウェルカムだ。また私は子育て中の友人に対して、誘い控えをしないようにしている。というのも、子どもを産んだら友達に誘われなくなって寂しかった……というママたちの声を聞くから。

私もかつては「子育てが忙しくて参加できないだろうな」と遠慮していたが、当事者は遠慮されることが寂しいそうだ。

なので「子育て忙しいと思うけど、ダメモトでお誘いするね!無理だったら遠慮なく断ってね、直前のキャンセルもOKだよ」と声をかけることにした。すると「とにかく大人と話したかったから、めっちゃ嬉しい!!」「それを楽しみにがんばる!!」という反応だった。

育児中のママたちは育児以外の話もしたいそうだ。

子離れ後の人生のほうが長い

先日会った友人は「育児しんどい……」と虫の息だったが、アジアBLの話になると目に光が宿った。推しカプについて早口でしゃべりまくる姿を見て「母になるともオタク魂は死せず」と板垣退助顔になった私。

母になったことで、母以外の「私」が消えてしまったように感じる女性もいるんじゃないか。だから育児以外の話をできる場所も必要で、それを提供することが子ナシの私にできることかもしれないな……。

なんてことを思いつつ、定期的に女子会を開いている。昔は友達に子どもができたら話が合わなくなるかもと不安だったが、実際はそんなことなかった。子どもを産んだからといって、本人の個性や魅力が変わるわけじゃないからだ。

とはいえ、育児が忙しくて会う機会が減ってしまった友もいる。でも他人の子の成長は早くて、乳飲み子だと思ってたらあっというまに小学校高学年になっている。その頃には子育てが一段落して、交流が復活するケースが多い。

人生百年時代、子離れした後の方が人生は長い。それに未婚も既婚も子ナシも子持ちも最後は大体おひとりさまになるのだから、みんなで年をとっていこうな!と友人たちと話している。

おばあさんになっても推しカプの話とかしながら、キャッキャウフフしたいなと思う。

(イラスト:飯田華子)

情報元リンク: ウートピ
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