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「追い詰められると視野が30センチくらいになる」家賃滞納の現場で思うこと

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「家賃滞納」と聞いても「ちゃんと働いているし、家賃も毎月払っているから私には無縁の話」「家賃は手取りの3分の1に抑えられているから私は大丈夫」と思う人は多いのでは?

しかし、家主側の訴訟代理人として、約2200件以上の家賃滞納者の明け渡し訴訟手続きを受託してきた司法書士の太田垣章子(おおたがき・あやこ)さんによると「ちょっとのきっかけでつまずくと一気に家賃滞納の状態になってしまう」と話します。

2月に『家賃滞納という貧困』(ポプラ新書)を上梓した太田垣さんにお話を伺いました。

【前編】“家賃は手取りの3分の1”はもう古い?

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私が『家賃滞納という貧困 』を書いたきっかけ

——太田垣さんが『家賃滞納という貧困 』を書いたきっかけを教えてください。

太田垣:私自身、この業務をやっている中で見ちゃったんですよね。

——何を見ちゃったんですか?

太田垣:この世界です。前回おっしゃっていたように、駅ビルで買い物を楽しんでいらっしゃる人たちも一見「貧困」と紙一重というのはわからないわけですよね。

「7人に1人の子供が貧困状態にある」と言われても、みなさん「えっ?」という感じだと思うんですよ。私ももちろんそうだったのですが、仕事の中でこういう世界を見ちゃったわけですよね。そうしたら、”見ちゃった者”の責任として、アナウンスをしていかなければいけないというのは常に思っています。この本を読んで何か考えるきっかけになってくれればいい、改善するきっかけになってくれればいいというのはすごく思っています。

私自身も30歳のときに子供を連れて離婚してシングルマザーになって、司法書士試験に合格するまで6年間、極貧生活を送りました。養育費も払われない中で子供を育てたことがしんどかったんです。

やっぱり、お金に追い詰められると視野が30センチくらいになっちゃうんですよね。だから、家賃滞納をしちゃっている人と一緒に考えて出口を一緒に探してあげたいなという思いはすごく強いです。

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私が仕事を辞めない理由

——この仕事を「辞めたい」と思ったことはありますか?

太田垣:毎日思っていますよ(笑)。家賃滞納をしている人の家に行ってやっと会えたと思ったら「アホ」「ボケ」「カス」と怒鳴られることはしょっちゅうなんで。

——それでも辞めないのはなぜですか?

太田垣:うーん……。もう乗りかかった船だし、仕方ないのかなって思っちゃう。あとは、私、本当に学生時代に全然勉強しなかったんですよね。父親が「女が学を持つとろくなことがない」っていう人で、今の時代にそんなことを言ったら大変ですけど、そんな家だったんです。普通はそこで、「女だってこれからは稼がないと!」と言ってそれをバネに頑張るんでしょうけど、私はこれ幸いと全然勉強しなかったんです(笑)。だから成績もとんでもなかったですよ。そんな感じでずっと生きてきて、30歳で離婚してそれで初めて勉強をしたんです。

ひとりで仕事と子育てをしながら6年かかってやっと司法書士試験に合格して、神様が何かの使命を私に与えて、受からせてくれたのかなとかって思ったら、このまま頑張らなかったらバチが当たるんじゃないかっていう気持ちがすごくあります。

やっぱり、まわりの司法書士の人たちは賢いですよ。地頭がいいんだなあって思いますけど、私はそれがないので。だからこうやって役に立つとか、他人(ひと)様のためにというのがなかったら、神様が「せっかく合格させてやったのに」とバチが当たるんじゃないかって思ってます。

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追い詰められると視野が30センチになる

——そうなのですね。さきほど、すごく追い詰められたり、お金に余裕がなくなると視野が30センチくらいになるというお話がありましたが、自分が利用できる制度を調べたりとかもできなくなるってことですか?

太田垣:そんな余裕ないですよ。だから必要な人に必要な情報が伝わってないですよね。

私も、朝早くに保育所に子供を連れて行って、先生とあいさつだけしてすぐに職場に飛んで行く。子供を預かってくれるのは18時15分までなんですが、もうカツカツですよね。子供を家に連れて帰って、ご飯を作って食べさせてお風呂に入れて、寝かしつけて、山のような洗濯をして「さあ、勉強しなきゃ」という感じだったので、シングルマザー同士で「こんな制度があるよ」とゆっくり話をする余裕もなかったんですよね。

まわりを見てても、そういうことをしてる人たちは少なかったと思います。保育所の人も、わざわざ「こんな制度があるよ」なんて教えてくれないし、誰も教えてくれない。

——自分の生活で精一杯?

太田垣:もう精一杯です。

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——まえがきの部分で「『一億総活躍プラン』そう掲げる首相。しかし滞納の現場を見る限り、そう簡単なものではありません」と書いてらっしゃいますが、国として考えたときにやらなければならないことって何だと思いますか?

太田垣:子供をいかに大切にするかに尽きると思います。もちろん、今までの日本を支えてくれた人たちをないがしろにするわけではないですが、でも全員を助けられないのであれば、若い人たちを支援しなければいけない。たくさん子供が産まれて、たくさん育っていってくれて、働いて納税してくれないと国が成り立たない。女性が子供を産みやすい環境を整えることが先決だと思います。

あとは、教育ですね。お金に対する教育と子供たちへの教育に力を注いでいかなければいけないと思います。

(聞き手:ウートピ編集部:堀池沙知子、撮影:宇高尚弘)

情報元リンク: ウートピ
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