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「娯楽費も交際費も必要なお金はムリして削る必要なし」とFPの私が伝える理由

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そろそろ“ちゃんと”しなきゃと思うお金のコト。けれど、老後に必要なのは何千万円と言われてもピンとこない。そもそもそこまで貯めるのに何年かかるのかわからないし、自分のキャリアも安定とは言えない——。そもそも、お給料は趣味や美味しいものを食べるため、自分の暮らしを快適にするために「使いたい!」と思う人も少なくないのでは?

2019年3月に発売された『一生楽しく浪費するためのお金の話』(イースト・プレス)の著者のひとり、ファイナンシャルプランナーの篠田尚子(しのだ・しょうこ)さんは「使う人ほど貯められる」と話します。ウートピではその理由や、これからお金のことについて考えたいという人に向けてのアドバイスを全6回にわたって紹介します。

第1回は、『一生楽しく浪費するためのお金の話』を上梓したきっかけについて聞きました。

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「お金を使う人は貯められる」?

——『一生楽しく浪費するためのお金の話』、興味深く拝読いたしました。とくにおもしろいと感じたのが、篠田さん自身もお金を使うのが大好きというところ。しかも、「お金を使う人は貯められる」と断言しておられる部分に勇気づけられました。この考えに至った経緯を教えてください。

篠田尚子さん(以下、篠田):本書のもとになったのは、共著者である劇団雌猫*主催の「よいこのファイナンス」というイベントでした。趣味にお金を浪費しているオタク女子にお金の貯め方・増やし方をレクチャーするという趣旨のイベントです。どのように説明すれば無理のない話として聞いていただけるかを考えたときに、消費することを前提にしたほうが自然なのではないかと思いました。

*劇団雌猫:平成元年生まれのオタク女性4人組(もぐもぐ、ひらりさ、かん、ユッケ)

篠田:というのも、たまたま私はFPでお金の知識を持っていますが、実はオタク歴はそれよりずっと長いんですよね(笑)。貯めることよりお金を使うことのほうが、私だけでなくみなさんにとっても日常なんです。ですから、それでもお金は貯められるというほうが、自分ごととして受け入れやすいのではないかと。お金を使うことは決して悪いことではなく、むしろ使うからこそ、その価値が実感できて、きちんと貯められるようになると私は思っています。

娯楽費の見直しを最優先事項にされたら「困る」人へ

——お金を貯める方法として、「使わない」つまり「節約」という考え方が一般的ですよね。オタク女子が専門家の方に支出一覧を見せると、真っ先に「娯楽費、使い過ぎですね。まずはここを削りましょう」と怒られそうですが、篠田さんはそうではない?

篠田:私の考えは真逆です。我慢から入るから、みなさんどんどんお金について考えたくなくなってしまうのだと思います。娯楽費でも交際費でも譲れない部分を削る必要はありません。それに、使いたいからこそ頑張って働こうというモチベーションにもなりますからね。

「貯金をしたほうがいいのはわかっているし、将来に対する不安もある。でも好きなことへの浪費はやめられない。雑誌などでお金の特集を読むと『娯楽費を見直しましょう』ばかり。それができればオタクになってない!」という劇団雌猫のみなさんのお話や、抱えている悩みはごくごく自然なことだと感じました。

——たしかに日々の生活の中で、お金を貯める行為よりも使う行為のほうが断然多いですよね。

篠田:そうなんです。そしてもうひとつ考えるきっかけになったのは、貯めるより使うほうが日常的とはいえ、一般の方々にとって資産運用がこんなにも縁遠いものだったのかということを楽天に転職して実感したことです。

私は大学卒業後に銀行に就職し、投資信託の販売や資産運用のご相談にのったりしていました。その後、投信評価会社に転職してからはアナリストとしてマーケットの調査・分析をするなど、投資信託の専門家として経験を積んできました。当時のクライアントは金融機関が中心で、知識も経験も兼ね備えたプロの方々ばかりでしたが、6年前に楽天に転職してからは、一般の方々と接する機会が増えました。

楽天に来てからは、どうすれば資産運用をもっと身近に感じてもらえるか、お金を「使う」こと以外にも目を向けてもらえるかということを、試行錯誤してきました。少ない額からでも気軽に始められる資産運用方法はあるので、それをぜひお伝えしたいと思いました。

——そうしてイベントをきっかけに、書籍を出版することになったんですね。

篠田:イベントでは現状を把握するという意味で、給与明細の見方や支出の管理方法をどう考えていけばいいかなど、見直しておくべきことを重点的にお話しましたが、本書では資産運用の方法まで盛り込んでいます。

この本を1冊読めば、お金の貯め方・増やし方=資産運用について大枠把握できる。さらには、「NISAの資料を取り寄せてみようかな」とか「証券口座を開いてみようかな」など、お金を貯める・増やすためのアクションのきっかけになればうれしいですね。

Point
・我慢を前提にするとお金について考えるのがイヤになる
・資産運用は簡単に始められる

※次回は5月21日(火)公開予定です

情報元リンク: ウートピ
「娯楽費も交際費も必要なお金はムリして削る必要なし」とFPの私が伝える理由

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