つい繰り返してしまう苦い失恋の経験。彼女達の共通点は何なのか——。前編では、そんな疑問を心理カウンセラーの心屋仁之助さんに投げかけてみました。
後編では、ツラい恋愛から抜け出すための視点の切り替え方について伺いました。
心を鬼にして、彼に「尽くさない」!
——前回のインタビューでは、浮気をしたり働かなかったり、金遣いが荒かったりといった問題を抱えるパートナーとばかり付き合ってしまう女性には、お母さんへの想いが一因としてあると伺いました。そして、「自分を犠牲にしてでも、彼のために頑張る」という考え方が、ツラい恋愛を招いてしまうとも。そのループから抜け出すにはどうしたらいいのでしょうか?
心屋仁之助さん(以下、心屋):これから僕が紹介する方法は、もしかしたら今まさに問題を抱えている女性にとっては理解できない方法ばかりかもしれません。というのも、おそらく彼女たちがこれまで「人として、やってはいけないこと」だと思っていたことを、実行するように勧めるわけですから。とてつもなく勇気がいると思います。
——緊張しますね。
心屋:まず1つ目は、「尽くさないこと」です。
小さい頃、「お母さんに認められたかったのに出来なかった」という罪悪感は、大人になっても消えません。そういう人たちは「認められたい!」という気持ちが強いんです。だから恋愛においても彼に認められたくて、「彼に尽くす」という形で頑張ってしまうんです。
彼女たちは「彼に尽くすことが正しい」と思っている。というのも、自分は役に立たなければ愛されないと思っているから。自分が役に立っていることを実感したくて、「彼を役立たずにして」自分の存在価値を感じるために、尽くしているんです。
でも、それでは恋愛で本当に心から安心することはできないでしょう。それに、彼だって本当は愛する女性のために、いろいろやってあげたいと思っているはず。その力を吸い取ってしまっているのです。だから、心を鬼にして、彼に尽くすことをやめてみましょう。
勇気を出して、相手に迷惑をかけよう!?
心屋:2つ目は、「相手に迷惑をかけてみること」です。
「頑張り教」の人たちは、人の好意に甘えられない、人に助けてと言えない、人に迷惑をかけられないと思っている、要するに「いい人」が多いんです。だから、今まで散々「いい人」をやってきた人にとっては、「相手に迷惑をかけるぐらいのこと」をやらないと、人に甘えたことにならないんですよ。
常識はずれに思うかもしれないけど、これは「迷惑をかけても私は受け入れられる」ってことを実感するための訓練なんです。
最初は「こんなこと頼んだら嫌われるかも」と怖いかもしれないけれど、勇気を出して周りの人に頼んでみてください。たとえば仕事では、「資料を作るのを手伝って欲しい」と同僚にお願いしたり、プライベートでは「風邪をひいてツラいから薬を買ってきてほしい」と彼に頼んだり。
実際に甘えて迷惑をかけてみると、自分が恐れていたことなんて、起きないことに気づくと思います。
——なるほど。「迷惑」のハードルを自分で高く設定していたと気づくこと、ですね。
心屋:はい。迷惑をかけるということは、相手に活躍の場を作ることでもあるんです。相手に役立つ喜びを与えることでもあるんです。
だから、「頑張り教」の女性たちは、男性にどんどん役立ってもらってください。そして相手が何かしてくれたら、「お返ししなくちゃ!」ではなく素直に「ありがとう」と言ってください。「受け取り上手」になると、恋愛だけに限らず、人間関係が滑らかになりますよ。
「お母さん」を捨ててみる
心屋:3つ目は、荒治療かもしれませんが、「お母さんを捨ててもいい」と言ってみることです。
——え!? どういうことですか?
心屋:「お母さんを捨てる」というのは、一見ひどい言葉ですが、「お母さんを捨てる」ということと、「お母さんを嫌う」ということは別物です。イコールではないんです。
お母さんは、娘が必死になって助けなくても、ちゃんと幸せに生きていける。お母さんは、お母さんの人生があり、そのままで幸せに暮らす力があると信じるための訓練なんです。
実は、「お母さんを捨ててもいい」というこの言葉、言うだけなら簡単だと思いきや、いざ言葉にしようとしたら最後まで言えなかったり、なぜか突然泣き出してしまったりする人もいるんです。
なぜかというとね、自分の中で「禁止している考え方」だから。無意識に、「可哀想なお母さんを、私がなんとかしなければ!」と思っているからなんですよね。
そして、「お母さんを捨ててもいい」と言えない人には、親不孝をすすめています。
お母さんは好きで不幸になっている
——親孝行ではなく、親不孝……!?
心屋:お母さんのことはもう放っておこうということ。いくらお金がないとか病気になったとか、ツラいとかいろいろ言ってきても、「知らん!」と。そうやって、盛大に親不孝をすると、分かることが一つあるんですよ。
——何がわかるんですか?
心屋:実はお母さんは、自分で不幸せを選んでいるということ。好きでグチや不満を言っているのだということです。そして「私がどんなに助けてもお母さんの人生は変わらないし、逆に勇気を持って一切尽くすのをやめたら、お母さんは自分自身で楽しく生きることができるんだ」ってことに気づくんですよ。
つまり、「お母さんは可哀想だと思っていたけど、大丈夫な人だったんだ。だから私はもうお母さんを構わずに、自分の好きなことをして自由に生きていいんだ」と思えるようになる。
その瞬間から、自分の人生を取り戻せるようになり、「自分を犠牲にする恋愛」ではなく、「自分が心から幸せを感じることができる恋愛」ができるようになるんです。
(取材・文:鮫川佳那子 編集:ウートピ編集部 安次富陽子)
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情報元リンク: ウートピ
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