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「ホールディングス」って何? ニュースがわかるビジネス用語

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ウェブやテレビ、新聞のニュースで頻繁に使われるカタカナの言葉、耳慣れして適当に使うことがありますが、実は意味の理解度はあやふや……ということはありませんか。そこで「ニュースを読み解く用語集」と題し、編集スタッフの藤原が大正大学表現学部の教授で情報文化表現がご専門の、また出版物の編集者でもある大島一夫(おおしま・かずお)さんに、気になる用語や言葉の意味、会話例について連載で伺います。

今回・第1回は、あちこちで耳にするようになった「ホールディングス」について尋ねてみました。

編集スタッフ・藤原

編集スタッフ・藤原

大正大学表現学部の教授で情報文化表現が専門の大島先生

大正大学表現学部の教授で情報文化表現が専門の大島先生

傘下の複数の子会社の株式を持つ「持株会社」

m.fujis

「パナソニックが2022年4月にホールディングス化する」とニュースになっていましたが、近ごろよく、「○○ホールディングス」という会社名を見かけます。「ホールディングス」とは何のことでしょうか。

k.ohn

「ホールディングス」は英語の「holdings」で「保持・手持ち」という意味ですが、日本のビジネス界では「持株会社」を示します。1997年に独占禁止法が改正されてこの制度が解禁になってから、持株会社に移行する会社が増えてきました。

m.fujis

そうなのですね。えっと、その「持株会社」もときどき耳にしますが、どういった会社なのでしょうか。

k.ohn

持株会社、つまりホールディングスは傘下の複数の子会社の株を一定以上保有している会社のことをいいます。

まず、株式会社の「意思決定」は、株主が持つ株数に応じた議決権によって決まります。ものすごく簡単にいうと、大株主が決定権を握っているということです。そのため、子会社の大株主となるホールディングスが傘下の各会社の経営戦略や方針の決定権を握ることになります。

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m.fujis

ホールディングスが増えているということは、メリットが大きいのでしょうか。

k.ohn

たとえば、「A社」という放送に関わる事業を行う会社があるとします。A社は、「テレビ番組に関する事業」、「ラジオ番組に関する事業」、「CD・DVDの企画や販売に関する事業」、「出版に関する事業」など複数の事業を行っています。どれもターゲットや制作の進め方、販売・宣伝方法、収支は異なります。

m.fujis

A社は大忙しですね。

k.ohn

そうなのです。抱える事業がどんどん増えて会社の規模が大きくなると、部署ごとの意思決定がスムーズにいかなくなります。業務の効率が悪くなるばかりで、ライバル会社に比べて事業展開が遅れることも大いにあります。

m.fujis

そうした状況を打破するためにホールディングス化を進めるのですか。

k.ohn

目的のひとつはそうです。A社が行う複数の事業のうち、テレビはB会社、ラジオはC会社、音楽はD会社、出版はE会社……と、それぞれ子会社をつくって分担し、業務を推進する戦略です。

たとえば「ソニー株式会社」は今年(2021年)の4月に完全にホールディングス化し、社名を「ソニーグループ株式会社」に変更すると発表しています。また、イオン同様、社名に「ホールディングス」とつかない会社もあります。ソニーはかつてはAV家電メーカーという印象でしたが、現在はゲームやアニメ、金融などの会社も傘下にあり、多くの分野の事業を手掛けています。

m.fujis

ほかにどのような目的があるのでしょうか。

k.ohn

本音のところでは、節税や人材の確保、赤字の子会社を売却しやすくなる、また、異業種の会社のM&A がしやすくなるなど、利益面の効率向上のためといわれます。

m.fujis

目的にも表と裏があるのですね。ところでいま、新聞でよく目にするアルファベットが出てきました。

k.ohn

「M&A」のことですね。これもビジネス用語です。「Mergers and Acquisitions」の略で、「合併と買収」という意味です。2つ以上の会社が1つに合併する、また、とある会社が他の会社の経営権や一部の事業を買い取ることを指します。

先ほど例に挙げた放送事業のA社が新規事業として子会社を起ち上げ、ホールディングス化するだけでなく、他社をM&Aで傘下に収めて、新しい分野の事業を展開することもあります。

m.fujis

「M&A」の意味、お尋ねしてよかったです。危うくどこかの会社の名称かと勘違いするところでした。それで、ホールディングス自体は事業を行わないことが多いと聞きましたが実態はどうなのでしょうか。

k.ohn

いい質問ですね。持株会社には2種類あり、子会社の株を保有することだけを目的とした純粋持株会社と、子会社の株を持ちながら事業も行う事業持株会社に分かれます。先のソニーの例は事業持株会社が純粋持株会社になる例です。現在のところ、ホールディングスと社名に付く場合、純粋持株会社が大多数です。

「あの会社、ホールディングス化したらしいよ」

m.fujis

次は日常会話で使いこなしたくなりました。「ホールディングス」の用例は……。

k.ohn

「ホールディングス化」という言葉を用いて「○○会社は昨年、ホールディングス化したらしいよ」とか、「日本の会社は世界で勝負するために、ホールディングス化が今後も増えるでしょう」とか。何らかの業界の話題になったときに、「あの会社はM&Aで〇〇ホールディングスのひとつになったらしい」と言うのも伝わりやすいでしょう。

m.fujis

さっそく使ってみます。「ホールディングス」や「M&A」を少し理解ができて、日本の会社の仕組みや形態のイメージも広がりました。

k.ohn

言葉の意味だけではなく、社会的な背景や目的を理解した上で会社の営みに着目すると、「この会社は〇〇社の子会社だったのか」、「え、ここも?」などと、業界地図を読み解くきっかけになります。興味がある業界のホールディングスを調べてみてください。

m.fujis

ぜひそうします。大島教授、ありがとうございました。次回は「エビデンス」についてお尋ねします。

(構成・取材・文・イラスト 藤原 椋/ユンブル)

情報元リンク: ウートピ
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