生活情報誌『オレンジページ』は、オレンジページメンバーズ・国内在住の20歳以上の女性にインターネット調査を実施。防災意識や新しい防災の概念として関心が高まっている「フェーズフリー」についてリサーチを行いました。調査の結果、「フェーズフリー」の認知度は低いものの、「日常と非常時を分けない」という考え方に共感を示した人が多かったことなどがわかりました。
環境の変化を感じますか?
「近年、地震、大雨や台風などによる水害など、災害が増えていると感じますか」という質問に、97.3%が「増えていると感じている」ことがわかりました。
「防災グッズや非常持ち出し品を、自宅に準備していますか」という問いには、「している」が59.4 %で過半数を超えました。一方、「していない」人も4割近くおり、用意していない理由の上位は、「つい先延ばしにしてしまう」(70.2%)、「何をすればいいかわからない」(28.7%)などの声が。
どんな備えをしていますか?
「用意しているもの」としては、「ペットボトルの水」が86.8%で最多となり、「ウエットティッシュ、トイレットペーパー」(79.5%)、「マスク」(77.9%)、「救急用品(絆創膏、包帯など)」(74.9%)と続きました。
また、防災用品を選ぶときの基準については、「日常にも役立つ防災用品を買いたい」という意見が目立ったそうです。「ふだん使わないものに、あまりお金をかけたくない」(30代・パート)、「日常的に利用できるとうれしい」(50代・専業主婦)、「新たに購入するのは避けたい」(40代・フルタイム)などの声を受け『オレンジページ』は「『防災のために特別なことはしたくない』という心理がうかがえます」と考察しています。
気持ちのズレを解消する方法として注目される「フェーズフリー」
防災意識に対する「気持ちのズレ」を埋める考えとして注目されている、「フェーズフリー」。今回の調査では、「言葉の意味まで説明できる」、「なんとなく知っている」という回答を合わせて12.1%と認知度はまだ低めですが、新しい防災の概念として広がりつつあります。
フェーズフリー協会代表の佐藤唯行さんによると、「フェーズフリーとは、『日常』と『非常時』(災害時)のくらしを分けることをやめてみよう、という考え。非常時のために何かを備えるのではなく、ふだんから使用しているものが『もしも』のときに私たちの命や生活を守ってくれる。そんなくらしをめざしています」とのこと。
どんなことが「フェーズフリー」になるの?
では、どのようなことが「フェーズフリー」になるのでしょうか?
防災というと、乾パンに代表されるように、ふだんは利用していないものを災害時のために「備える」イメージがあります。フェーズフリーはその逆。電気自動車は停電時の電源に、趣味のベランダ菜園は災害時の食料に、鍋料理に使う卓上コンロは非常時の調理器具にと、ふだん使っているものが非常時にも役立つことが特徴です。「特別なことではなく、日ごろ実践していることが、非常時にも役立つというのがフェーズフリー。がんばらずにできることも、大きな特徴です」(前出の佐藤さん)。
暮らしの中にも、取り入れられるアイデアは多いと言います。
・「ブロッコリーは、フライパンに水大さじ3を加えて蒸しゆでにする」(40代・フルタイム)
・「家の中を断捨離して足もとに物を置かない」(50 代・パート)
・「たまに備蓄食料で調理して、家族で試食会をする」(30代・パート)
・「いつでも避難できるように、部屋着で眠る」(40代・パート)
「少ない水や油で調理する」方法は、災害時に限られた水や食材で調理するのに役立ち、家をすっきり片づけておくことは、ふだんは高齢者の転倒防止に、非常時にはスムーズな避難を可能にするそう。「フェーズフリー」を知らかなった人でも、具体的な例をあげると、「自分でもできそう」(73.4%)、「実践してみたい」(83.3%)と高い関心が寄せられていました。
アンケート概要
調査対象:オレンジページメンバーズ・国内在住の20歳以上の女性(有効回答数1586人)
調査方法:インターネット調査
調査期間:2021年6月25日~7月1日
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情報元リンク: ウートピ
「フェーズフリー」を知っていますか? 日常と非常時を分けない防災のアイデア