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「ネガティブも突き詰めると希望に変わる」ひとりが怖い貴女へ伝えたいこと【及川眠子】

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Winkの「淋しい熱帯魚」やアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』のオープニング曲「残酷な天使のテーゼ」などで知られる作詞家の及川眠子(おいかわ・ねこ)さんによるエッセイ『誰かが私をきらいでも』(KKベストセラーズ)が1月16日に発売されました。

テーマは「人にきらわれること」。まわりの目や「人からどう思われるか?」が気になって、自分らしく生きられない、生きづらさを感じている人に向けてエールを送っています。

「人生は決して楽ばかりではない。だけど言い換えれば、そのしんどさ自体が生きている証拠」とつづる及川さんに3回にわたってお話を伺います。

最終回は「孤独」をテーマにお話を聞きました。

【第1回】及川眠子「嫌われることで悩んでるのってつまんなくない?」
【第2回】恋愛も仕事も“出会い”が欲しい貴女へ

悲しみも突き詰めた先に希望がある

——本で「ひとりで夢中になれる好きなものを見つけられたら、孤独はあなたの力に変わる」と書かれてました。すごく元気をもらったのですが、孤独=悪いことと考える人も多いです。

及川:一人でいる時間って大事ってことを伝えたかっただけなんだけどね。それにね、「孤独」がないとモノなんて書けない。自分の心にぽっかりと空いた穴、そんな孤独感を埋めるために書いたり、モノを作ったりしているわけだから。誰も立ち入れないほどの深い孤独感があるかどうかは、持って生まれた才能の一つなんだと思います。

——じゃあ、何かを書いたり、モノを作ったりする人は「そうしたい」というよりも、そうせざるを得ないという感覚に近いんですかね。

及川:そうね。穴っていうのはみんなあって、広さだったり深さだったりいろいろあるんだけど、アーって言って自分で埋めてるっていう。だからそれはクセみたいなもんなんだよね。

悲しみっていう感情も一見、ネガティブなものなんだけど突き詰めていった先に希望があるというのが私の考え方なんだよね。ずっとずっと悲しみを突き詰めていったら、そこに必ず希望がある。引き返すからダメなんだよ。だから余計悲しみが深くなる。真っ直ぐな洞窟をずっとずっと行って、必ずそこに光が先にあると信じてたら光はあるの。これって自分の心の問題だから。光はないって信じてたら光はないの。光があると信じてたら必ず光は見つかるものなんだと思います。

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希望があると人は待てる

——「必ず光はある」……それは及川さんが昔から思ってたことなんですか? それともそういうふうに考えるようになったきっかけがあったのですか?

及川:経験の中でじゃない? 自然と。まあでも、二度目の結婚相手だったトルコ人の元旦那と離婚したときはいろいろな経験をさせてもらったかな。2回か3回「死ぬ」って思ったけど、死ななかったしね。ああ、意外と死なないもんだなって思いました。

——どんなことがあったんですか?

及川:お金ですね。離婚するときに7000万円の借金を背負って「まあ返せばいいじゃん」って思ってたんだけど、2回ほど「これは無理だな」「どこに駆け込むか」「もう死ぬかな」っていう時があった。でも案外スッて何とかなる。助けてくれる人がいるから、何とかなるなって。

だから、さっきの孤独の話にも通じるんだけれど、逃げなかったからなんだよね。だから、ずっと行った先に光はあるって思ったし、何とかなるって思ったら何とかなるもんなんだよ。

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——強いですね。

及川:私はね、本当にダメだったら死ねばいいやって思ってたから、だから開き直れるんだよね。

——逆説的ですが、「死ねばいいや」って思っていたことが逃げ場所になったんですね。

及川:逃げ場所はどこかに作っておかないと、息苦しくなるだけだから。真面目な人って逃げ場所がないから苦しくなっちゃうんだよね。

——そうですね、逃げ場所かあ。友達でもちょっとした知り合いでも趣味の場所でも仕事と家以外にもいくつか自分が駆け込める場所を持っておくと楽なのかなって思います。

及川:私は占いをうまく利用しています。占いなんか当たらないってみんな言うんだけど、当たるか当たらないかはそれほど重要じゃない。いい占い師っていうのは優秀なカウンセラーでもあって「半年後にお金がいっぱい入ってきますよ」とか、「1年後に新しい恋人が見つかりますよ」って必ず先に希望を言うの。

そうすると、その希望を目標に頑張ろうって思えるじゃない? 希望があると人は待てるし生きられる。だから、その先に突き進んでいく。1年後に希望があるってことで。生きていると、人は気持ちが転嫁させられるから、たとえ1年後に金が入ってこなくても恋人ができなくても、「外れたな」で済んじゃう。笑えるの。

——そうかもしれないですね。欧米のドラマを見ているとみんな気軽にカウンセリング受けたりしていますよね。日本はその役割を占い師が担っているのかなと思うことがあります。友達には延々と愚痴や不安なんて吐けないけれど、占い師の方は聞いてくれるので。

及川:私も親身になってくれた占い師がいて、結果的に「あんたの占い全部外れてたね」って言って、彼女も「外れてましたね」って言ったんだけど、それが救いになったんだよね。誰かに言いたいわけ、毒を吐きたいわけ。1時間いくらで金さえ出せば話を聞いてくれて、「いやいや、あなたにはいい人が見つかりますよ」とか、救いを出してくれるんだよね。そういうの大事だと思います。

(聞き手:ウートピ編集部:堀池沙知子、撮影:宇高尚弘)

情報元リンク: ウートピ
「ネガティブも突き詰めると希望に変わる」ひとりが怖い貴女へ伝えたいこと【及川眠子】

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