30代に入るとそろそろ白髪が出てくるのかな? 覚悟はしていても、はえてきたら、精神的に受け止められるだろうか? そんな心配をしている人もいるはず。加齢にともない、みんな白髪になっていくはずなのに、実際に街を歩いてみると、白髪の女性はあまり見かけません。それくらいあたり前となっている白髪染めの習慣ですが、金銭的・時間的・精神的な負担も大きいようです。
そんな中、白髪染めをやめた女性たちをピックアップした書籍『グレイヘアという選択』(主婦の友社)という書籍が注目を集めています。4月に発売した同書は5ヶ月で4万5000部を突破。好評を受けて、10月18日には第二弾『グレイヘアの美しい人 ― 輝いているのはなぜ? ―』が発売されました。
前回に引き続き、編集を担当した依田邦代さんに、自身がグレイヘアを取り入れて気づいたことや年齢に縛られないオシャレの楽しみ方を伺いました。
【関連記事】岡田育「年齢でスカート丈が決まる」と思っていたけれど…
パリジェンヌだって、白髪に苦しんでいる
——白髪をファッションとして楽しむフランス人女性をテーマにした『パリマダム グレイヘア スタイル』も依田さんが編集を担当されたそうですね。今回の本にもフランスのグレイヘアマダムたちが登場しますが、「白髪を染めないことに勇気が必要でした」というエピソードを読んで、フランスでも白髪にネガティブな印象があるというのがのが意外でした。
『パリマダム グレイヘア スタイル』に出てくれた方々は、かなりメンタルが強い人だったんですよね。頭の根元に白髪があっても「スポットライトが当たっているみたいでしょ」ってジョークを言う人もいました。そういうのがメジャーと言うか国民性だと思っていたんですが、そういう人は実はレアみたいですね。
——パリジェンヌも、やっぱり白髪を気にしている?
そうですね。白髪染めをやめた人たちが互いに励まし合うWEBサイトが盛り上がっていて、交流がうまれていました。「老い」に対する恐れは、全世界共通なのかなと思います。フランスはとくに「一生女でいる」というか、現役感を出していかなきゃいけない空気があって。やっぱり、白髪が出てくるのは辛いみたいですよ。
——みんな、一緒なんですね。フランスやパリといえば「わたしはわたし!」のような前向きな本が多いので、どこかフランス女性を神格化していたのかもしれません。
そうそう。フランスでは「女は40過ぎてから」っていう話も聞いてたけれど、フランス在住の人に聞いてみたら「いや、若い子のほうがモテるんじゃない?」って言われちゃいました(笑)。
年齢でオシャレを諦めないで
でもね、とくに日本はそうですが「もう年だから」なんて言わないでほしいんです。50代以降は、ヘアメイクも大事。この年齢になると、ビフォーアフターが劇的に違ってくるんです。年を重ねてからこそ、おしゃれもメイクも積極的にしたほうがいいと思います。
——30代や40代でも「こんなアラサーファッションはイタい」「40歳でロックTシャツを着るのはイタい」なんて記事が出てきたりするんです。メディアの責任もあると思うのですが、みんな年齢に縛られている。
ド派手だったり、奇をてらったものでなければ、なんでも素敵だと思います。確かに客観的な視点は必要かもしれないですが……。若いんだから、新しいメイクやヘアスタイルにもどんどんチャレンジしてほしいですね。
グレイヘアにしてみて気づいたこと
——依田さん自身も、グレイヘアの実験をされているのだとか。
私も40代まで、白髪染めは常識だと思っていたし、そこから外れるのは怖かったです。でも、この本を出すのに、担当者が白髪染めしてどうするんだ! という気持ちもあって、やめてみました。どこまでムラになるのかとか、移行期間のことも知りたくて。
——白髪染めをやめてみていかがでしたか? 周囲の反応は?
夫は不安だったみたいですよ。「妻が山姥になったらどうしよう」って(笑)。最初は同僚も「忙しくて染められないのかな」と思っていたんじゃないでしょうか。
——グレイヘアにして、依田さん自身の生活や行動は変わりましたか?
時間的にも金銭的にも、余裕ができましたね。その分、「ズボラじゃないですよ」というアピールのために、ファッションに力を入れるようになりました。「オシャレしてるから、この人はあえて白髪にしているんだな」って思ってもらえるように(笑)。髪色が明るくなると、似合う服も変わるんです。
——実際に自分がグレイヘアになってみると、企画もたくさん浮かんだのでは?
そうですね。今回、発売した第二弾は、お悩みに対する具体的なアイデアを盛り込みました。白髪だと顔まわりがぼやけるので、メガネやスカーフで印象を変えるとか。実はメガネはグレイヘアと相性が抜群なんです。
また、「ただ今、グレイヘアに移行中」という記事では、女優の手塚理美さんに登場していただきました。
——手塚理美さんと言えば、黒髪が印象的な女優さんだったので驚きました。でも、ミルクティー色のショートカットもとても素敵でした。グレイヘアを考えている読者に寄り添った特集はいいなあと思いました。
ありがとうございます。これ以降も、シリーズ化できたらと思っています。せっかくオシャレをしても姿勢が悪いと老けて見えてしまうので、体幹や姿勢の記事などもあるといいかもしれませんね。素敵なシニア女性になるための方法をいろいろお伝えしていきたいです。
次回は依田さんの仕事の発想力について伺います。
※次回は10月24日(水)公開です。
(取材・文:小沢あや、写真:宇高尚弘/HEADS)
- 素敵にラクに歳を重ねていきたいから…「グレイヘア」誕生の裏側
- 「年齢でスカート丈が決まる」と思っていた私がNYに移住してわかったこと【岡田育】
- 髪を染めるのをやめたら自由になった 草笛光子さんに聞く「一番の幸せ」
- やっぱり時間は大事…! 働き女子が思い切ってやめたこと【ファッション編】
- 40歳でロックTシャツを着るのは痛い? 62歳インスタグラマーに“呪い”をといてもらった
- ドラマの「散らかっていないOLの部屋」は不自然 おかざき真里さんに聞く、働き女子のリアル
情報元リンク: ウートピ
「もう年だから…」が口癖になってない? 年齢に縛られないオシャレの楽しみ方