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「どうせ私なんて」は思い込み? 心療内科医に聞く、マイナス思考をプラスに変える方法

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仕事でもプライベートでもトラブルがあると克服できずに流される、緊張する場面では「どうせ失敗する」、「私には無理」などとドキドキを通り越して、否定的なイメージばかりが浮かぶことがあります。克服する方法はあるのでしょうか。

心身医学専門医で心療内科医・野崎クリニック(大阪府豊中市)の野崎京子院長に、何かとマイナス思考になるときの対処法について尋ねてみました。

心療内科医の野崎京子先生

心療内科医の野崎京子先生

感情が伴った出来事は記憶に残りやすい

はじめに野崎医師は、「否定的な思考は、過去の出来事の記憶が影響する場合が多い」と話し、次のように説明をします。

「脳や神経科学に関する研究で、記憶はいくつかの種類に分類されます。自分が経験した出来事の記憶は『エピソード記憶』と呼ばれますが、これは時間と場所とともに、楽しかった、うれしかった、痛かった、怖かったといった感情を伴います。逆に考えると、喜怒哀楽など強い感情が伴う出来事は、知識や事実に比べて記憶に残りやすいと言えます」

たしかに、感情の高ぶりが大きかった出来事は、良くも悪くもそのシーンとともに覚えています。

「なかでもヒトは、マイナス面の感情を強く記憶する習性があると言われます。誰かにバカにされた、理不尽に怒られたなどのことは、事実がどうであれ、つらい、悔しい感情を伴って記憶に残りやすいでしょう。

これが強い、また複数ある、積み重ねがあってマイナスの感情の記憶が膨らむと、やがて多くの出来事や物事を否定的にとらえるように影響するでしょう」と野崎医師。

同じ出来事を経験しても、肯定的に考える人と否定的にとらえる人がいますが、野崎医師はこう説明を続けます。

「否定的にとらえる傾向が強い人は、思考の癖があると言えます。それが強くなって仕事や生活に支障を来たす場合、認知心理学などではこれを『認知の歪み』と呼んで、歪みを適正にしていく治療を行います。

ただし、日ごろは肯定的な考え方をすることが多い場合でも、ストレスが溜まっているとき、疲れているとき、病気のときなどは、物事を否定的にとらえがちになります。それはヒトの体と精神の働きによる正常な反応です。ストレス、疲労、病気などが改善されると、思考も前向きに戻るでしょう」

人に「してもらったこと」、「して返したこと」を思い出す

次に野崎医師に、物事に対して前向きにとらえるための方法を紹介してもらいましょう。「メンタルケアの現場で用いられることもある療法の応用」(野崎医師)ということです。

「自分は否定的な思考の癖があると自覚している場合、まずはそれを自分の性格だとあきらめずに、これからは前向きに解釈しようと意識を高めることから始めましょう。

そして、これまでに、誰かに何かを『してもらった』ことと、その人に『自分がして返したこと』を思い出しましょう。

思い出したら、そのことを紙やスマホのメモ帳などに書き出してください。書き出すと、混とんとした感情を吐き出す、整理する、くり返し思い出しやすくなります。書き出すことが難しければ、思い出したことを口に出して言う、もしくは頭の中で思うだけでもOKです。

そうすると、自分がしてもらった相手に対して、自分からお返しをしたことのほうが少ないことに気づくでしょう。

この作業をくり返すうちに、次第にその人への感謝の気持ちが生まれ、また大きくなっていきます。やがて、自分のマイナスの意識は思い込みだったかもしれないと考えられるようになるでしょう」

感謝の思いを自覚すると、心の状態は変化しそうです。

「自らの内にある憎しみやうらみなどの負の意識が、少しずつ様相を変えて行きます。プラス思考へと変わるきっかけとなり得るのです。例えば、失恋した相手へのうらみや怒りの感情が、やがて幸福を祈るようになるというように」と野崎医師。

自分が人に与えた負の出来事を思い出す

ここで野崎医師はもうひとつ、記憶の思い起こしの作業を紹介します。

「自分が親や友だち、周囲の人に、『迷惑をかけたこと。与えたかもしれない負の出来事』を思い出しましょう。思い出せたら、『そのシーンの相手の感情』を想像してください。

自分が起こしたマイナスの物事を思い出すのは難しいかもしれません。これは、ヒトは自分が人に迷惑をかけたことは忘れる習性を持っているからです。これを『記憶のすり替え』とも言います。

誰しも、自分が無意識のうちになかったことにしていた出来事があるのではないでしょうか。これも思い出したら紙に書き出し、くり返し行ってみてください」

こうした作業では、思考にどういう変化があるのでしょうか。

これまで否定的にとらえていた物事が、実は自分にとって良い出来事だったと価値観が転換されることがあります。そして出来事などの事実を、感情的・主観的にとらえるのではなく、客観的に見つめる目、対処する力が養われてきます」と野崎医師。

現実のトラブルを乗り越える

職場でも私的にでも、緊張する場面やトラブルがあるときは、「これらの作業を現実の相手に応用してみましょう」と、野崎医師はこう説明を続けます。

「緊張のシーンやトラブルを乗り越えようという意識を持ち、相手に『してもらったこと』や『して返したこと』を考えてみます。してもらったことがないと思う場合は、『自分が相手に与えた負の出来事はないか、その際の相手の感情』を想像しましょう。

『してもらったこと』を感謝の感情とともに記憶していき、それを習慣化すると、自然と現実を客観視できて相手の良い面に注目するようになります。すると、ありのままの自分で接することができて、トラブルを乗り越える、また、予防できるようになるでしょう」

最後に野崎医師は、「もし、マイナス思考に頭が支配されてつらい、人とのコミュニケーションに支障を来たすことがある、仕事に差し支えるなどと思う場合は、無理をせずに、早めに心療内科か精神科を受診しましょう」とアドバイスを加えます。

誰かに「してもらったこと」、「して返したこと」、「与えた負の出来事」を思い出す作業をくり返すうちに、次第に感謝の気持ちが顕在化し、プラス思考になり得るということです。ぜひ習慣化したいものです。

(構成・文/品川 緑 いしわあづさ)

情報元リンク: ウートピ
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