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「いろいろ言われて、もうゴム製のハート」りゅうちぇるが”僕らしく”を貫く理由

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「女性はもっと男をたてないと」

「そんな男らしくないこと言わないの」

……誰しも、性別という枠にとらわれた価値観で、生きづらさを感じた瞬間が一度はあるのではないでしょうか。セクシャルマイノリティーやジェンダーについて、少しずつ理解は進みつつも、未だに性別にまつわる課題は社会に多くあります。

「おとこ」と「おんな」だけじゃ語れない人生について、少し真剣に考えてみたい。

9月8日に青山学院大学(東京都渋谷区)で開催された、「日本財団ソーシャルイノベーションフォーラム2018」。ハフポスト日本版エディターの井土亜梨沙さんがモデレーターをつとめた、「性別」について考えるセッションには、タレントのりゅうちぇるさん、株式会社AMFの代表取締役をつとめる椎木里佳さん、そしてコンサルタントとして企業へのダイバーシティを推進するDiversity & Inclusion Evangelistの蓮見勇太さんがパネリストとして登壇。イベントの様子を前後編に分けてお届けします。

人生で初めて「性別」を意識した瞬間は?

井土:今日は、様々な立場から性別に対する考え方を伺えればと思っています。まず、人生で「性別」という存在を意識するようになったのは、いつ頃からですか?

蓮見:僕は社会人になってからですね。当時、外資系で女性社員の多い職場にいました。そこで何が起こったかというと、部署の女性社員が「女子会」の中で仕事の話をすることによって、僕の知らないうちにことが進んでしまっている、という経験があります。性別で損をするというのはこういうことか、と悔しい思いをしました。

また、僕がダイバーシティ推進の責任者になったときは、ある女性社員が僕のところにきて「あなたのせいで女性管理職のポジションがひとつ奪われちゃったじゃない!」と。すごい剣幕で怒られたこともあります。

りゅうちぇる:僕は、子どもの頃から変だなと思うことはありました。例えば、周りの男の子たちがヒーローもののアニメやおもちゃで遊んでいる中で、僕はずっとおジャ魔女どれみが好きで。僕としては、戦うのは怖いし、変身してキラキラして可愛いほうが好き。でもそれって、小さいときは「可愛いね」ですむけど、中学生くらいになると急に「ヤバイやつ」になるんですよね。

僕、小指が立ちやすいんですけど……。牛乳を飲んでいるときに小指が立っている僕の姿をみて、クラスメイトは「オカマじゃん」ってからかってくる。当時は人とぶつかるのが嫌で、今みたいに自分の意見を主張できなかったから、モヤモヤしたまま学生時代を過ごしていました。

椎木:私も、性別に対する違和感を抱いたのは、幼稚園くらいの頃ですね。女の子はおままごと、男の子はブロックで遊ぶ、みたいなのが先生に決められていて。おままごとで遊びたそうに私の方に寄ってきた男の子に、先生は「◯◯くん、そっちじゃないよ」って。それを「変だな」って思った記憶があります。

井土:椎木さんはいま慶應義塾大学の学生でありながら起業をしていますよね。起業家というと、男性社会のイメージがあるのですが、ビジネスをする中で何か感じることはありますか。

椎木:女性であることで、色眼鏡でみられるのは嫌だなとは思います。起業家同士で飲みに行くときも、私が行くことで空気が緩やかになって「華が来たね」などと言われてしまう。男性同士だったら、友人やパートナーとしてもっと対等に付き合えるのに、と思うことはあります。ただ一方で、女性であることで私は他の起業家と差別化できている部分もあります。弱みにもなるけど、強みにもなる。私はそこをあえて特化しようと思ってガールズマーケティングを始めました。

偽りの自分が招いたもの

井土:性別を考える際に、両親や兄弟姉妹も大きな影響をもたらすのではないかな、と思うのですが、りゅうちぇるさんとご両親の関係はいかがですか?

りゅうちぇる:僕は小さい頃に両親が離婚したので、母と過ごした時間のほうが長いのですが、母にいまのような姿を理解してもらうのは難しかったですね。

僕、中学の頃は、孤立するのが怖くてみんなに合わせて偽りの自分を演じていました。自分が好きなものよりも、流行しているものを選ぶ。独りになりたくないからです。でも、そうやって偽りの自分でいるとどうなるか……。偽りの友人ができました。

僕が好きな友達や先生のことを平気で悪く言うような友達。共通の話題もなくて、一緒にいても苦しくなる一方だったのですが、結局自分の招いたことなんですよね。

孤独になりたくないから他人に合わせよう、っていうことをしていたら、ますます孤独になっちゃったんです。それで「僕、もう人生変えたい!」って思って。高校は地元の友達が行かないような学校を選んで、今まで我慢していたメイクもして、自分らしい姿で学校に行きました。

井土:そのときの周りの反応はどうでしたか。

りゅうちぇる:地元の人たちからは「あいつなんかヤバくなってるらしいよ」って噂されていたらしいです。高校の先輩や同級生たちにも「なんかヤバイやつきた」みたいな雰囲気は感じました。でも、それって一瞬なんです。結果的に同級生に理解してもらえたので、僕は自分の居場所を見つけることができました。

ただ、それでも母はなかなか理解してくれなくて、「高校に行かせたのがいけなかったの?」とか「中学までは違かったじゃん」って言うようになりました。そのたびに僕は「ううん、いまが一番楽しいの、僕らしく生きているんだよ」と伝えていたけど、言葉じゃ限界がありました。ならば行動で示そうと、上京を決めました。

そして原宿で、ぺこりん(注:妻でモデルのオクヒラテツコさん)と出会って、自分らしくいられる仕事を手に入れて、自分の居場所を見つけることができました。そういう僕の姿をみて、母は、やっと「あのときはごめんね」と認めてくれました。

僕は性別だけじゃなくて、結婚も子どもを持つタイミングも早いほうだったから、世間からいろんなことを言われました。でも、もう全然へっちゃら。プラスティックのハートを通りこして、ゴム製のハートになっちゃった。何を言われても、「僕が僕らしくいたから、僕らしい幸せが手に入れられたんだ」と思えるから大丈夫なんです。

井土:りゅうちぇるさんが自分自身を貫いたからこそ、お母様も考え方が変わったんですね。

りゅうちぇる:そうですね。そもそも母は、派手な格好が好きで、昔はファッションを楽しんでいたんです。でも、田舎だったから目立つといろんなことを言われる。それで母は仕方なく自分の好きなファッションを諦めたんです。でも、僕が自分の個性を出すようになって、人生が豊かになっていくのを間近で見ていたから、気持ちが柔軟になったのかな。最近はゼブラ柄の服とか「可愛いでしょ」って着るようになったんですよ!

母親だって遊んでもいい

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蓮見:僕にはあるベルギー人の友人がいます。彼女はいまベルギー在住でシングルマザーをしています。彼女の子どもは、月に3週間母親と過ごし、1週間は父親と過ごす、という生活をしています。

その中で彼女は毎週金曜日にMy dayというものを設けているんです。その日は子どもをベビーシッターに預けて、買い物やネイルサロンに行ったり、恋人とデートをしたりする。

井土:日本だったら周りから「ダメな母親だ」と思われてしまいそうです。

蓮見:ベルギーも同様です。ただ、彼女にとっては自分の幸せが大切なんです。というのも彼女は、夫婦の仲が悪くてぎくしゃくしていると子どもも塞ぎ込んでしまうと気づいて離婚という選択をしました。同時に、自分自身が幸せじゃないと子どもにネガティブな影響を与えてしまうことに気づいた。だから彼女は批判の声を耳に入れないようにして、自分自身が幸せな状態であることを最優先するんです。

井土:りゅうちぇるさんのお母様の話にも通じますが、自分の意思を持って人生を豊かにすることで、家族もいい影響を受けることはあるのかなと思いました。「自分もそんな風に生きていいんだ」と。

蓮見:そうですね。ベルギー人の友人の話に戻りますが、彼女は周りの人がどういう生き方をしていても決してジャッジをしないんです。「そういう生き方もあるよね、いいじゃん」という風に受け止める。結果的に周りの人たちも居心地がいい、という好循環があるように思います。

「日本財団ソーシャルイノベーションフォーラム」は、高度化・複雑化する日本の社会課題の解決策を国や企業、団体や研究機関などの組織の垣根を越えて議論する場として、2016 年から開催されているイベント。3回目となる今年は日本財団と渋谷区が共同で開催。「SOCIAL INNOVATION WEEK SHIBUYA 2018」として9月8日(土)・9日(日)に青山学院大学 青山キャンパスで行われました。

(構成:園田菜々、編集:ウートピ編集部 安次富陽子)

情報元リンク: ウートピ
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