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隣の芝生がめちゃくちゃ青い…今の時代特有の“しんどさ”って?【三浦崇宏】

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クリエイティブディレクターの三浦崇宏(みうら・たかひろ)さんが10代から70代までの年齢も性別も職業もバラバラの9人と対談した『「何者」かになりたい 自分のストーリーを生きる』(集英社)が4月に発売されました。

「何者」かってなに? 「何者」かになったほうがいいの? 今の時代特有の“しんどさ”って? 仕事やコミュニケーションの悩みあるあるなど、3回にわたって三浦さんにお話を伺いました。

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「頑張りたくない私はダメなの?」女性に届いてほしいと思ったワケ

——『「何者」かになりたい』は三浦さん初の対談集ですが、改めて女性読者も意識されたと伺いました。女性に読んでほしいのはなぜですか?

三浦崇宏さん(以下、三浦):これまで3冊本を出してきたんですが、読者は男性が中心だったんです。それはありがたいことだし、今の世の中で男性と女性とで分けるのはナンセンスかもしれないですが、これまで僕の本を手に取ったことがない人にも届けたいと思って「女性にも読んでほしい」と考えました。

——どんな女性たちに読んでほしいですか?

三浦:現状、女性のほうが選択肢が少ないと思うんです。女性の場合は結婚や出産というライフイベントが働き方にどうしても影響してくる。だから女性がチャレンジすること自体がハードル高く感じられるというか、頑張ること自体がリスクだと思っている人が多いのかなと感じています。

これは僕の友人の女性が言っていたんですが、「私はそこまで頑張りたくない。世間では頑張ることを良しとする風潮があるけれど、じゃあ頑張りたくない私はダメなの?」って。

これはどちらが正しいとか正しくないとかではないと思うんです。頑張りたい人は絶対頑張ったほうがいいし、頑張りたくない人は頑張らなくてもいいと許されてもいいし。でも今って、正しいこととそうではないことがキッパリとあるような空気があって、頑張りたい人も頑張りたくない人もどちらも自分が否定されているような気がして悩んでいるんじゃないかな? と思ったんです。

——確かにそんな空気を感じます。

三浦:そうですね、だから、この本もいろいろしんどいことがあるけれど、その“しんどさ”に対して答えを出すよりは「俺も分かんないんだよね」みたいな寄り添う本にしたいと思いました。世の中や社会の中で居心地が良くなる本になるといいなって。

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一人一人と向き合って初めて見えてくる真実

——ライターのくつざわさんやホテルプロデューサーの龍崎翔子さん、「ほぼ日」の糸井重里さんら9人のリーダーと対談していますが、対談形式にしたのは?

三浦:対談形式にした理由は3つあります。一つは、どんな人でも悩んでいることを伝えたくて。一番のきっかけになったのはくつざわさんで、彼女は僕の友人でもあるのですが、すごく苦しそうに見えたんです。今はわりと肩の力が抜けたのかなと思っているんですけれど、当時はすごく苦しそうだった。

——苦しそうというのは?

三浦:例えば「お茶とオーツミルクどっちが飲みたい?」って聞いたら「私、いくつかの視点から検討していろいろ考えたんですけど、市場のトレンドから考えるとオーツミルクが飲みたいと思うんです」って答えちゃうみたいな……。

もちろん例えなんですが、そういう感じの回答をしてくる子だったんです。僕もたまにあるから分かるんですけれど、ごまかしているときとか自分をよく見せたいときの話し方って何となく分かるんです。僕自身も基本的に同じようなことで悩んでいたりするから、ちょっと長く生きた分だけ何か伝えられることあるんじゃないかなと。

二つ目が、亡くなってしまったのですが、博報堂時代に小沢正光さんというクリエイティブディレクターの大先輩がいたんです。その人が言っていたことで僕が今でも大事にしているのが「イノベーションは現場からしか生まれない」。ポン・ジュノ監督が『パラサイト 半地下の家族』でアカデミー賞監督賞を受賞したときにマーティン・スコセッシの言葉を引用して「最も個人的なことは最もクリエイティブなこと」とスピーチした内容とも重なるのですが、普遍的真理って個別に真剣に向き合ったときに初めて見えてくるものだと思うんです。

「人間の真実って何だろう?」と言ってても全然思いつかないけれど、(対談相手の)カツセマサヒコさんや佐渡島庸平さんとか一人一人と話していくうちに人間の真実が見えてくるというか……。いろんな人と個別に向き合っていくことでしか見えてこない今の時代共通の真実があるんじゃないかなと思ったんです。

三つ目は、同じ人とずっと話していても飽きちゃうから。今回対談した人は年齢も職業もみんなバラバラなんですが、話していて本当に面白かったです。9人との対談を通しで全部読んでいくうちになんとなく見えてくるものがあればいいなと思いました。

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隣の芝生がめちゃくちゃ青い時代を生きている

——対談で見えてきた今の時代特有のしんどさがあるとしたらどんなものでしょうか?

三浦:今の時代特有のしんどさって二つあると思うんです。一つは比べてしまうことですね。選択肢が可視化されているでしょう。例えば、結婚したあの子と仕事を頑張ってる私みたいな。TwitterとインスタとFacebookを開けば、その人が何してるか分かっちゃうから。

——全部分かっちゃいますね。

三浦:それが全部じゃないんですよ。みんないいことだけアップしてる。旅行とか誕生日会とか良いことばかりあげているんですよ。でも自分の人生って当然トイレにも行くし、絶望もするし、風呂も入り忘れるし……。

——ああ、メイクしたまま寝ちゃうし……。

三浦:そういうことのほうが多いじゃないですか。だから今って他人の芝生がめちゃくちゃ青い時代を生きている。すぐ他人と比べちゃうし、相手の良いところしか見えてないからすごく負けたような、自分が間違っているような気がしちゃう。互いに良いところしか見せ合わないし、必要以上に他人と比較しちゃう。必要以上に自分の人生よりも他人の人生が良いって思いがちな時代。それが一つのしんどさです。

もう一つのしんどさは、自分と向き合う時間がなくなってること。朝起きてから会社に行って、LINEのやりとりやTwitterやインスタを更新して、仕事のタスクに追われて、終わったらヨガとか習い事をして、帰ってきて洗い物して、寝る前にストレッチしてお風呂入るじゃないですか。本当に今私この仕事楽しいと思ってるかな? とか、今引っ越ししたいって思ってるのかな? とか自分のことを考える暇はないですよね。自分のことを一番置き去りにするじゃないですか。

——してますね。それでみんな自分が何したいか分からないって言いますよね。

三浦:そうそう。でも、自分が何したいか分からないじゃないんですよ。自分が何したいかを聞く時間をみんな持ってないんですよ。

——自分に聞いてないってことですか?

三浦:そうです。一人になって、「あれ? この本、本当に読みたかったっけ?」とか、「本当にこの仕事したかったっけ?」とか自分に聞いていない。面倒くさいから今の仕事してるだけ。辞めるのが面倒くさいんですよ。辞めたり、転職先を探したり、人に相談することのほうがはるかに面倒くさい。だったら今目の前にある仕事を頑張ったほうが楽なんですよ。だけど本当にそれをやりたいかは、また別の話ですよね。

——確かに転職するのって面倒です。エージェントに登録して職務経歴書を更新してとかいろいろ考えるとこのままでいいかって思っちゃう。

三浦:そう、忙しすぎて、他の人からの要望や他の人との連絡が多すぎて、自分という他者の存在のことをないがしろにしてしまっている。自分のことが一番自分で分からない時代。その二つだと思います。他人と比較してしまうことと、自分のことをちゃんと思いやったり、自分のことをちゃんと考える時間がなくなってる。この二つが今一番しんどいんじゃないですかね。

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「そうだね、シャワー浴びたいね」っていう本

——三浦さん自身は自分に問いかけますか? 今自分が何をしたいのかとか。

三浦:僕は自分で自分に取材するようにしてます。自分と向き合わざるを得ない時間をどうやってつくるか。多分、サウナがはやってるのもそれだと思います。そういう時間を持ちたいってみんな思ってるんじゃないですかね。

だからこの本もそんなことを考える助けになればいいなと思いました。『「何者」かになりたい』というタイトルですけど、何者かになったほうがいいよっていう意味じゃなくて、何者かになるってどういうことなんだろう? そして、なったからって本当に幸せなんだろうか、いや意外とそんなことないよっていう本なんですよ。何者かになりたい、本当はなりたくないかもしれない。でもちょっとなってみたい、みたいな案配というか。

今まで何冊か本を出してきましたが、こういうふうに学んだほうがいいよ、こういうふうにしたほうがいいよっていう“上から系”の本が多かったのですが、今回は寄り添う形を意識しました。これって俺も分かんないけど、あなたも分からないんだねって。分からないことを確認し合う本です。

——「しんどいよね」って言い合う感じですね。

三浦:そうそう。恋愛相談と一緒です。「彼氏のこういうところが気に入らなくて」って相談されたときに「じゃあ別れなよ」って言う必要は全然なくて。むしろ本人はそんなこと言ってほしくなくて。「そうなんだ」「そこが気に入らないんだね」ってことですよね。

僕もお付き合いしてる人に、「忙しくてシャワー浴びる時間もない!」って言われたときに「じゃあ15分早く起きればいいじゃん」って言ったらすごく怒られたんです。「じゃあなんて言えばよかったの?」って聞いたら「そうだよね、シャワー浴びたいよね」でいいって……。それ以来、彼女に何を言われても、「そうなんだ、シャワー浴びたいね」って言うようにしてますね。そんな感じのシャワー浴びたいねっていう本です。

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※次回は5月13日(木)公開です。

(聞き手:ウートピ編集部・堀池沙知子)

情報元リンク: ウートピ
隣の芝生がめちゃくちゃ青い…今の時代特有の“しんどさ”って?【三浦崇宏】

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