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夫が“専業主夫”になって、暮らしのいいとこどりができた

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アメリカ名門私立のコーネル大学修士課程を修め、多くの会社で人事本部長や執行役員を歴任し、現在は働く女性のキャリアを支援する株式会社LiBの副社長を務める永井裕美子さん。いわゆる“バリキャリ”の彼女のプライベートを支えてきたのは、家事を担ってくれる夫の存在だといいます。

留学中に出会い、3年間の別居婚を選んだ背景に迫った、前回。続く本記事では、帰国して一緒に暮らすようになったお二人が、どのように家庭内の役割を分担していったのか。大黒柱女子&専業主夫カップルになった経緯を伺いました。

勉強をするために退職。なりゆきではじまった“専業主夫”

——アメリカと日本の遠距離別居婚で3年が経ち、ついに旦那さんが帰国。二人暮らしは、どのようにはじまっていきましたか。

永井裕美子さん(以下、永井):夫も日本で仕事に戻ったため、はじめは共働きで、忙しく過ごしていました。でも、夫はとにかく勉強が好きだったから、そのうち「またアメリカに行って違う分野を学びたい」と考えるようになり、退職。家で勉強を続けながら、機会をつくって、また留学しようとしていたんです。私はそのころ会社でマネージャーを務めていたため、経済的な不安もなかったし、彼のやりたいようにすればいいと思っていました。

——まずは、自身の勉強をするために、旦那さまが仕事を辞めたわけですね。

永井:はい。それまではお互いに忙しくて「どっちがゴミを捨てるの?」みたいな生活をしていたのが、彼が家にいるようになってから、生活がとても快適になったんです。家事をするようになったきっかけは「せっかく家にいるなら、おいしいごはんでもつくろうかな」という、カジュアルな感じで。もともと家事が得意というわけでもないので、はじめは苦労したと思います。だけど、そこは勉強家だから、本を買ってきて、どんどん吸収してくれて。

そんな暮らしをしているうちに、彼の祖母に介護が必要になって……おばあちゃんっ子だった彼が、そのサポートを担いはじめたんです。そしてすこしずつ、留学しなくても家で勉強を続ければいい、と考えるようになったようでした。

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「好きにさせてもらっている」という感じ

——では、最初から「私が稼ぐ! あなたは家事をよろしく!」という確かな決意があったわけではなく、徐々にこのスタイルに落ち着いていったんですね。永井さんは、外でお金を稼ぎながら家事もされていたんですか。

永井:はじめのうちは7:3くらいで私も手伝っていたけれど、彼はどんどん家事がうまくなるんですよ(笑)。私が40歳で外資系企業に転職をしてからは、ぐっと出張も増えて……気づけば、いまは9:1くらいで彼に任せきりになっています。たまにお料理をしようと思っても、早めに使わなきゃいけない食材とか、冷蔵庫の中身を把握していないから、うまく手が出せないんですよね。

——家のことをほとんど任せているなかで、コミュニケーションでなにか気をつけていることはありますか?

永井:相手のペースややり方を尊重することかな。家のことはもはや、彼が責任者。お腹がすいていて早くごはんを食べたいと思うときもあるけれど(笑)、彼がゆったりお料理をしているなら、私は黙ってそれを待ちます。それから、感謝をたくさん伝えますね。一日一回レベルじゃありません、毎日何度も「ありがとう」と言っています。意識してというより、本当に感謝しているから。

——家のなかで、会社の話はしますか?

永井:意見やアドバイスを求めることはあるけど、グチは言わないようにしています。自分がしたくて仕事しているわけだから、外からマイナスの空気を持ち込んじゃいけないな、と。「働かせてもらっている」とは思っていませんが「好きにさせてもらっている」とは感じているので、相手が聞いて“いい気分”にならないことは言いません。

適材適所の“役割分担”で、キャリアと暮らしを両立する

——古い価値観の男性には、専業主婦の妻に対して「俺が養ってやっている」といった感覚を持つ人がしばしばいます。永井さんは、夫に対してそういう感情を持つことはありますか?

永井:ありません。そもそも「自分が大黒柱」という感覚すらない。夫婦で“生活”というものをつくっていくために、たまたま家事と仕事を役割分担しているだけ、というイメージですね。二人のチームのなかで、得意なほうが得意なことをやっているのだから、そこに上下関係はありません。たとえば旅行に行くときは私がお金を出すけれど、それだって単純に、彼がいたほうが楽しいから払っているだけなんです。

……でも、彼のほうが頭もいいし、能力を外で活かさないのはもったいないと思ったことはありますね。でも、彼は家事をしたり本を読んだりしながら暮らすことが好きだし、そのぶん私が外で頑張ればいいと思って、いまはこういう分担になっています。

——いまはなんだか、多くの人が「忙しいけれど稼げるバリキャリ」と「心の豊かさを得る、丁寧な暮らし」の二極化に陥っている気がします。でも、夫婦をひとつのチームとしてとらえれば、両方にトライできそう。

永井:そうなんですよね。私も丁寧な暮らしがしたいけれど、いわゆるバリキャリで超多忙だから、一人で両立するのが難しい。だからパートナーと協力して、いいとこどりをしている感じかもしれません。私はそもそも、あらゆることを周りと分け合ったほうがいいと思ってるんですよ。時間も仕事もお金も、みんなでシェアしたほうがきっと幸せになれるから。

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——なるほど。次回は、自分なりの幸せを大切にする方法について教えてください。

(取材・文:菅原さくら、撮影:青木勇太、編集:安次富陽子)

情報元リンク: ウートピ
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