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「正しさ」から解放されないと恋愛なんてできない…【鈴木涼美】

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恋愛、結婚、不倫、ハラスメント、フェミニズム、メンヘラ、おじさん……をテーマに、男と女の間のあれこれをつづった、鈴木涼美さんによるエッセイ『女がそんなことで喜ぶと思うなよ 〜愚男愚女愛憎世間今昔絵巻』(集英社)が6月に発売されました。

同書に登場するのは「女は30歳過ぎてからのほうが実は魅力的だよ?」と言ってくる年上おじさんや「大事なのは君の意思だから」ととことん責任を回避しようとする“イマドキ”の男子など、思わず「こういう男いるよねー」とうなずきたくなる男ばかり。

と、同時にそんな男についてああだこうだと言いながらも、結局は男のことばかり考えちゃう女の矛盾もあぶり出されています。

世の中にはびこる「男の勘違い」から世の中にあふれる「正しさ」まで、鈴木さんに3回にわたってお話を伺いました。

【前回】30歳になった途端「君のこと理解してるよ」おじさんが増えた…

「正しさ」には配慮していない

——「正しさの向こう側までいく気がない男とのセックスなんて、絶対に絶頂の向こう側にはいけない気がする」(「間違いだらけのフェミニズム」(P110)より)は刺さりまくりました。男に限らず、「正しさ」が世の中にあふれすぎているなあと思うのですが、鈴木さんはいかがですか?

鈴木涼美さん(以下、鈴木):正しさは規範として必要なのは当たり前ですよね、そうじゃなかったらカオスに生きることになるし、それはそれでものすごい大変です。ただ、正しいことを言っていると安心する、というのは人としては浅はかかな。

正しさだって時代や国によって多様で、絶対なんてあり得ないのだから、常に自分の思う正しさを疑って、なおかつ正しいことが分かっているのにどうしてそれを守れないのか、というところから人間を理解しようとしないと、何も見えない気がします。

私はあまり正しさには興味がないし、人間はそんなに正しい生き物だとは思ってない。だから、正しさになるべく配慮しないで書いてますね。

この本や連載に限らず『「AV女優」の社会学』(2013年、青土社)を書いた時もそうですね。ああいう本って、ほとんどが女性救済やフェミニストの立場からしか書かれてなかった。あるいは単純な下世話な興味か。

でも私にとって必要だったのは「正しい意見」ではなくて、正しくない私たちの言葉や正しくない私たちの生きる意味だった。あの本を書く時に「フェミニストの運動は確かに重要であるが」って一文入れておかないと、後から怒られるよなー、と思いながらもあまり入れなかったです。

この本も、「正しさ」に非常に躍起になっているような人にとっては、すごくツッコミどこがいっぱいあると思います。まず私は、「男は〜」「女は〜」って乱暴に言いますし、「男はみんなクソなんで」とか言いますからね。

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男だっていろいろいて、それこそポル・ポトからガンジーまでいるので、一概にはなかなか言えないのは当たり前です。

でも平場の言葉ってポリティカリー・インコレクトなことがほとんどじゃないですか。「正しさ」から自由な女の気持ちを文字にすると、もちろん隙だらけで脇も甘いけど、でもそうなんだもん、しょうがないじゃん、っていうのが正直なところ。だから、そっちに寄り添って書いているかなと思いますね。

それに『オンナの値段』(2017年、講談社)もそうなのですが、私は対面のインタビューで本は書かないんです。『オンナの値段』も基本、友達の友達とか、友達の後輩とか、自分の元後輩とか、その子たち同士でしゃべってるとか、私も含めてしゃべってるところから、情報を取ってくるタイプ。だから、新聞記者はそんなに得意じゃなかったんです。

——「得意じゃない」っていうのは?

鈴木:対面のインタビューがうまい人はいますよね、それこそ吉田豪さんみたいな。でも私はそういう枠組みの中で語られる言葉の中で面白さを追求するのはそんなにうまくない。

そもそもインタビューっていう枠組みをどうしても懐疑的に見ちゃう癖があるんです。それは多分、AV女優時代、自分が受ける立場としての経験がそこにあって、あまり大したことを言わないし、できあがっちゃってるし、言うことがある程度整理されちゃってるから、生身の言葉を引き出すのってとってもテクニックがいる。

普通にただ就活の面接みたいなインタビューをしたら、相手から出てくるのってそれこそ、デモで言ってるようなことになっちゃうんですよね。うまい人もいるけど、私にそんな技術はないし、向いていないなと思いました。

例えば、「うちの会社の制度はおかしいと思います」みたいなのを、対面で聞いてもそんなに面白くなくて、「こんな会社の制度だから嫌がらせでこんなことした」みたいな話をポロっと居酒屋で話してるほうが、私は面白い。

そっちに寄っているから、多分、正しさから自由なんだと思いますね。今の時代、インタビュー受ける人だってどうしてもインタビュアーに向き合ったら、正しくないことが言いにくいですしね。

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——う、確かにそうですよね。居酒屋の話のほうがリアルだし面白いというのも分かります。まあ女友達との話をそのままテキスト化したら、「正しさ」からはほど遠いし、炎上しちゃうんでしょうけど。

鈴木:わりと世の中が間違い探しみたいになっちゃって、さあこのイラストの、差別的なところを見つけましょう、この小説と法律・条例を照らし合わせてアウトなところは? みたいな。すごく配慮しなきゃいけないことが増えて、特にネットなんかはそうじゃないですか。

だから、私の本は間違い探しをしたい人には、すごくいいと思います。1ページに4個くらいありますよ。「ここ見落としてますね」「ここもですよ!」みたいな(笑)。自分でやったって全部で何十個も見つけられるだろうし、私みたいな迂闊(うかつ)な人間が見落としてるところも多いでしょうね。

「正しさ」から解放されないとできないのが恋愛

——「正しさ」ばかりだと恋愛もつまらなくなっちゃいますよね。

鈴木:それこそ恋愛って、「正しさ」から解放されないとできないじゃないですか。恋愛って、基本的に“この人”と“あの人”を差別することだし、“この人”にしてあげることを、“あの人”にはしてあげられないことなので、正しさを知ると出家するしかなくなる(笑)。

——別に不倫とか浮気ってことじゃなくて恋愛自体正しさからは遠いものだから。

鈴木:恋愛は本当に一番、正しさの間違い探しをしている世の中では、回収に困る分野だと思いますね。不倫も一時期すごくたたかれましたけど、結局、ポリティカルには間違いだらけの恋愛の分野で、分かりやすくたたるからなんですよね。でも結局、不倫とかも、恋愛の一部分であるがゆえにたたいてもしょうがない部分はある。

恋愛って、愛し合ってる男女の前に正しさが無効になる瞬間を指す気がするんです。間違ってて、みっともない考えがどうしたって浮かんでくる。恋愛の話を書いてると、正しさをぶっ飛ばして書かないと何も書けないみたいな状況はよくありますよね。

「この善良な人が与えてくれた愛を、どうして受け止め、返してあげられないのですか?」「え、だって好きじゃないもん」ってね。

本にも書きましたけど、女同士って基本、男のちょっとした言動にいちいち反応して妄想とかするじゃないですか。妄想というか、いろいろ深読みするじゃないですか。

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——しますねー、学生時代に鍛えた国語の読解力をフルに使っている。深読みしすぎて間違っている場合も多いと思うけれど……。

鈴木:でも経験上、ファミレスでは自分らの妄想へのツッコミも込めて「そこまで考えてない男ばっかりだから」とか言っちゃう。ある種、男性蔑視の塊みたいな。男だって思慮深い人もいれば憂鬱に考えてばかりの人もいるかもしれないのにね。好き勝手言ってるんですよ。

でも、逆に考えると、女に対して好き勝手男が言ってることに、女性は今すごく敏感でしょ? だけど女だって男を語らせたらまぁまぁひどい偏見だらけですよね。だから、お互いもっと懐深くなった方がいいような気がするし、この本も懐深く読んでほしいですね。

実は意外と、男性は好意的ですね。結構ボロクソ書かれてるのに。「つらいです」「ごめんなさい」みたいに言ってくる男もいる。

——男の人が鈴木さんに「つらい」って言ってくるんですね。

鈴木:「これ俺のことでしょ?」とか言ってくる男の人も結構いて。いや、必ずしもそうとは限らないんだけど、と思うこともあります。でも逆に、その人のこと書いてるのに、「すごく面白かった。こんな人たちいるんだね」って気付いてない人もいて。男の人って、自意識過剰か自意識ないか、両方いますよね。

——お前だよって(笑)。

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(聞き手:ウートピ編集部:堀池沙知子)

情報元リンク: ウートピ
「正しさ」から解放されないと恋愛なんてできない…【鈴木涼美】

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