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「サービスは無料(タダ)じゃない」トラックドライバーだった私が今、伝えたいこと

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フリマアプリやオンラインショップでの買い物など、日頃からお世話になっている宅配便。最近は新型コロナウイルスの感染・拡大で自宅で過ごす時間も多くなり、ますます宅配便を利用する機会も増えているのはないでしょうか? 指定した時間通りに自宅の玄関まで荷物が届くのは“当たり前”だと思っていたけれど――。

「日本の貨物輸送の9割超がトラック」と言われ、消費者への商品を始め、さまざまな荷物を運ぶ荷物を運ぶトラックドライバー。そんな彼らの本音や事情、業界が抱えている問題点を紹介した『トラックドライバーにも言わせて』(新潮新書)が3月に発売されました。

著者の橋本愛喜(はしもと・あいき)さんは、元トラックドライバーで20代前半から断続的に約10年間、中・長距離トラックのハンドルを握っていました。「『送料無料』や『時間帯指定』のもとで働くトラックドライバーたちのことを知ってほしい」と力を込める橋本さんに話を聞きました。前後編。

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私がトラックドライバーになった理由

——『トラックドライバーにも言わせて』では、橋本さんがトラックドライバーになった経緯も綴られています。この記事を読む人もそこが気になると思うので、改めて橋本さんがトラックドライバーになった経緯について教えてください。

橋本愛喜さん(以下、橋本):元々は父親がプラスチック金型を研磨する工場を経営していたんです。元請けさんから預かった金型を研磨して納品するのですが、その際にトラックが必要だったんです。ただ、私は工場を継ぐとは思っていなくて。父親が仕事を一生懸命頑張ってくれればくれるほど、いろいろな習い事をさせてもらえるので興味関心は常に外へ外へと……。

——大学卒業後はニューヨークに行く予定だったんですよね?

橋本:はい。シンガーソングライターになりたくて音楽留学をする予定でした。でも、大学卒業直前に父親がくも膜下出血で倒れて工場を継ぐことになりました。

——トラックに乗ることに抵抗はありませんでしたか? 体力的にも大変だと思うのですが……。

橋本:工場には35人の熟練した職人さんがいたのですが、職人気質と言うか「お前の話なんて聞かねえ」みたいな人たちばかりで、私と彼らの間に温度差があったんです。この温度差をどう埋めようかと思った時に、一番わかりやすいというか、説得力のあるやり方がトラックに乗ることだったんです。私が自分の足を使ってドーンと金型を持ってくれば彼らも黙るしかない。

それに、当時は工場にいるよりトラックに乗っているほうがウン1000倍もよかったんです(笑)。歌を歌いたかったので、トラックを走らせながらずっと歌ってましたもん。

今から思えば”逃げ場”が欲しかったんだと思います。親とは仕事の話しかしないし、職人さんは社長である父に言いづらいことを私に言ってくる。「娘さん、給料上げてくださいよ」って。そういうことをちょくちょく言ってくる割には名前も呼んでもらえなくて。そういう事情もあって、トラックに乗ることは楽しかったんです。

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トラックドライバーに向けられる冷たい視線

——本書では、時々「マナーが悪い」と言われがちなトラックドライバーの事情についても綴られていました。例えば、「ハンドルに足を上げて休むドライバー」。何も知らないと「ハンドルに足をかけるなんてマナーが悪い」と思ってしまうかもしれないですが、長時間の着席状態でむくんだ足を和らげていると知れば「なるほど」と思う。

知らないことで生じる偏見や誤解ってあるし、たとえ自分にとって違和感がある光景を目にしたとしても「けしからん」と条件反射的に断罪するのではなくて「きっと事情があるんだろうな」と想像するだけで世界は少しだけやさしくなるのではないかと思いました。

橋本:もちろんゴミのポイ捨てなど明らかなマナー違反はダメですけれど、「足上げ」は過酷な労働環境の表れですし、エコノミークラス症候群の予防としても理にかなっているんですよね。それを「サボっている」と思われるのはあまりにも悲しい。

——ドライバーだけではなく、制服を着た分かりやすい職業の人にも厳しい目が向けられることが多いなあと感じています。ちょっと休憩したり、スーパーの従業員がマスクをしているだけでクレームが入る。

橋本:「この人はこうあるべきだ」という周りの先入観が強いんですよね。今回の新型コロナウイルスの問題でも、一部の学校や職場で「白いマスクではないとダメ」と色指定されることがニュースになっていました。もう意味が分からないですよね。

「ルールだから」「今までずっとそうだったから」と馬鹿げた規則やルールを一切疑うことがなく、それからはみ出た人を寄ってたかって攻撃する。日本の「みんなと同じじゃないと」という同調圧力が気持ち悪くてニューヨークに行ったというのもあります。

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「サービスは無料じゃない」ニューヨークで気づいたこと

——橋本さんは2013年に工場を廃業して、それから約11年越しに夢を叶えて渡米されたんですよね。ニューヨークでフリーライターをしていた橋本さんだからこそ見えてきたものってありますか?

橋本:この本のテーマにも関わるんですが、象徴的だなと思ったエピソードが一つあって、ニューヨークのマクドナルドに行って「スマイルプリーズ」って言ってみたんですよ。そうしたら、店員の眉間にシワが寄って「Why?」と言われました。でも「チップあげる」と言ったら次の瞬間にニッコニコになるんですよ。すごく分かりやすいですよね。サービスは無料じゃないんだなと実感しました。

ひるがえって日本の状況を見てみると、通信販売には「送料無料」という言葉が踊り、再配達も何度頼んでも「無料」です。でも、実際はドライバーの人件費や輸送費がかかっている。実際に発生している輸送料や送料に対して「送料は弊社で負担します」などという言い方がある中、わざわざ「無料」という言葉が使われることに「存在を消されたような感覚になる」と漏らすドライバーもいます。

「顧客至上主義」の陰で、運送業界は人手不足や過酷な労働環境といった深刻な問題を抱えています。多くのトラックドライバーが無理難題な届け日時にも間に合わすべく、夜道を眠い目こすりながらリレーしてギリギリの賃金で動いている現実に少しでも目を向けていただければと思います。

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新型コロナウイルス感染で…ドライバーへの差別的言動

——新型コロナウイルスの感染拡大で自粛が求められ、自宅で過ごす人が増加しています。アマゾンをはじめオンラインショップを利用する回数も増えていると思うのですが、荷物を届けてくれた宅配員に対して差別的な言葉を投げかけたり、態度をとったりする人がいるというニュースもありました。

橋本:そうですね。実はトラック目線で記事を書いている私にも「トラックドライバーは仕事があるだけいいと思え」、「うろうろするな」というメールがきました。こうしたトラックドライバーに対する差別的言動は、少なくない数報告を受けています。が、先日、彼らドライバーの間でも大拡散されたできごとがありました。

ある地方の小学校の校長が、トラックドライバーを親に持つ子ども3人に登校自粛を求めたというもの。その親の健康状態に問題はなかったんですが、感染が拡大する東京や大阪という都市部に出入りしていたという理由から、こうした措置が取られてしまった。

でも、トラックドライバーというのは、車内で1人だし、荷主の元でも幸か不幸か荷積み・降ろしを1人でさせられることがほとんどなので、感染する、させる確率はとても低いんです。

こうした背景にも目を向けず、「長距離トラックドライバー=ウイルスの運び人」とするのは、職業差別以外のなにものでもないですね。強い言葉になってしまいますが、「子どもをお休みさせるから、その代わりに自分の荷物を自分で運んでくれますか」という気分になってしまう。彼らもこうした時世の中、走りたくて走っているわけではないということを分かってもらいたいですね。

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——私たちの自粛生活が支えられているのも物流が機能しているからこそです。ある意味、これまで当たり前だと思っていたことがそうではなかったと気付くきっかけにもなるのかなと思います。

橋本:今までがあまりにも空気みたいな存在だったんですよね。スマホで注文してドアを開けたら荷物がくるみたいな。

この本では、あなたが頼んだ荷物をトラックドライバーを始め、いろいろな人たちがリレーをつないで届いているんだよということについて書いています。そして、こんなときだからこそ感じていただくことも多いのではと期待もしています。GWも近いですし、ぜひ巣ごもり生活での読書リストに入れてもらえると嬉しいなと思います。

※後編は4月27日(月)公開です。

(聞き手:ウートピ編集部・堀池沙知子)

情報元リンク: ウートピ
「サービスは無料(タダ)じゃない」トラックドライバーだった私が今、伝えたいこと

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