「外見は人それぞれ」「自分らしさが大事」といっても、鏡を見るたびに「もっとアゴがシュッとしていれば……」「もっと下半身がスリムだったらいいのに」と自分の体形への不満をぼやいてしまうことはよくあること。
「小柄」というのも、当事者にすれば「子供っぽく見える」「手脚が短い」「服をかっこよく着こなせない」など、いろいろ悩みがあるようです。
スタイリストの壽良江(ことぶき・よしえ)さんは、143センチととても小柄。その特徴を魅力と捉え、ファッションを楽しむ方法をアドバイスしています。
壽さんに、低身長・小柄でもすてきに服を着こなすポイントを聞きました。
小さいサイズも「探せばあるんだ」と気付いた瞬間
——前回のお話で「コンプレックスは、逆に言うとその人の一番の魅力」という部分が印象に残りました。コンプレックスを何とか隠したり、なかったりすることばかり考えていて、コンプレックスに向き合うというか、コンプレックスを生かす方向で考えられていなかったと思います。
壽良江さん(以下、壽):実は、私には小耳症と頸椎の一部が癒合して首が短く曲がっているという先天性の疾患があるんです。それもあって「小柄」というコンプレックスをMAXで抱えていたのが就職活動の時で……。
当時は就職氷河期だったので、就活もうまくくいかず打ちのめされて友達に相談したら、「小さいから頼りなく見えるんじゃないの?」と言われ、その意識が植え付けられてしまったんです。その時はすごくコンプレックスでした。
でも、就職をして仕事をしていくうちに、小柄はデメリットにはならないということが実感として分かるようになった。仕事の内容でしか評価されないことがはっきり分かったので、デメリットだと思っているのは自分だけだったとマインドを変えることができました。
——そもそも、壽さんがファッションに興味を持ったきっかけは?
壽:ファッションはもともと好きだったんです。でも143センチしかないので、普通のお店で服を買うのは大変でした。高校までは制服があるので、あまり気にしてなかったんですけど、大学生で私服がいるようになってから、「あれ、学校に着ていく服がないぞ……」と。
服なら一応、大は小を兼ねられるじゃないですか? でも私は足のサイズも21.5センチしかなくて、靴はさすがに大は小を兼ねられない。だから、子供靴ではない小さいサイズの靴を売っているところを調べました。そうして見つけたのが、銀座に本店がある「ダイアナ」というお店。手頃な価格で小さいサイズも扱っていて、そこでピッタリのロングブーツを買ったんです。その時に、単純ですけど「探せばあるんだな」ということに気付きました。
きっと、それまで「探す」という努力自体をしていなかったんですね。だったら洋服もあるんじゃないかなと調べていって、ファッションに目覚めました。
ラッキーなことに、私はショップ店員さんから話し掛けられやすいタイプみたいで。「これがいいよ」「小柄でも合うよ」とアドバイスしてくれる方が多くて、いろいろお話する中で学んでいくことができました。
ファッションも人に頼っていい
壽:スタイリストを始めてから2年で約100人のお客さまに会ったのですが、小柄さんはコンプレックスからか、頑張りすぎる傾向があるんですよ。「何でも一人でやろう」「完璧にやろう」としてしまう人が多いように感じます。
以前は私もそうだったのですが、もっと周りを頼っていい。ショッピング同行でも「私にはこんなの似合わない」とご自分で思い込んでいる方が多いので、「とにかく、だまされたと思って着てみて!」とアドバイスしたりします。自分の魅力を認めて、もっとラクに、好きなファッションを楽しんでほしいです。
(聞き手:新田理恵)
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情報元リンク: ウートピ
小柄さんは一人で頑張りすぎ? 周りを頼ってファッションを楽しんでほしい